第2話
『GTS』。正式名称、「ガーディアン・トレーニング・スクール」。
将来有望なガーディアンの兵士達を、育て上げる為に設立した学校である。
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リュウト
「はぁ~~~・・・」
あれから暫く経った放課後。校庭の端にある芝生に座り込みながら、リュウトは先ほどの喧嘩を思いだし、またため息を吐いていた。
???
「大丈夫ですか、リュウトさん?」
そんなリュウトを心配に思い、横に座っている眼鏡の少女が問い尋ねる。
リュウト
「あ、大丈夫だよシズクさん。」
少女、シズクに心配させまいと、そう答えるリュウト。
???(ハチマキ)
「ま~たホムラ先輩の喧嘩止めに行ったのか?世話ねーな。」
???(眼鏡)
「ガイじゃないけど全くだね。少しは放って置く気はないのかい?」
???(青い長髪で小柄)
「ヤマト君、リュウト君はお人好しなのは知ってるでしょ?例え喧嘩好きでエロ好きで、本当にどーしよーも無いホムラ先輩でも止めに行くのがリュウト君なんだよ。」
リュウト
「あの・・・ガイもヤマト君もだけど、ナナセさん。その言い草はあんまりだよ?(汗」
そしてそんな三人の台詞につっこむリュウトであった。
???
「お~、みんなお揃いでどーしたの?」
そんなリュウト達の会話に、ニット帽を被った小柄な少年が、大きな袋を抱えてやって来た。
リュウト
「あ、ライ君。」
ガイ
「お~、ライ坊か。その袋は何だ?」
リュウトが少年、ライ坊ことライに挨拶する横で、ガイは袋の事で尋ねていた。
ライ
「あ、これ?さっき『緑堂屋』であんパン安売りしてたから沢山買ってきた。」
ナナセ
「しまった、今日だった!ライ君!他に何か売ってなかった!?」
ライ
「え~と、確か他はチョコパンにカレーパンにメロンパn―――」
シュパッ!!
言い切る前に、ナナセは全速力で走りだしていった。
シズク
「行っちゃいましたね・・・」
リュウト
「まぁ、あそこのパンは美味しいからね。」
『緑堂屋』。市街地エリアにあるパン屋。とても美味い。日によっては安売りしていて、今日がその日である。
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そして夜。校舎から少し離れた所に建てられている、『GTS男子寮』の食堂では―――
ホムラ
「せいっ!せいっ!せいっ!」
カブト
「ほっ!ふっ!とっ!」
喧嘩が始まっていた。
リュウト
「・・・・・・・」
離れたところで、リュウトは頭を抱えて項垂れていた。
ライ
「・・・あんパン食べる?」
リュウト
「・・・ありがと。」
ライの気遣いが、身に染みたリュウトであった。