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『ベルギーの白き大地を血に染めて――』2



 大変お待たせしました。遂に『Bodenpiatte』作戦も本格的に突入!



 いよいよ、クライマックスへ向けての前夜戦の始まりです。



 ベルギーアッシュの白銀の大地を部隊に複数の鳥達が入り乱れ…殺戮劇が始まる。



そんな最中――エリーアスと。一方のダグラスはこの空で…



てな訳で?

『1945年元旦Bodenpiatteの空へ――』

始まり始まりっ!

 



 午前の東から差す日差しにいくつもの機影がアルミ独自の輝きを反射させる。

 ベルギーの白く凍る静寂な世界を切り裂きながら、漆黒に塗り潰された鳥達がレシプロサウンドを轟かせ時速450キロで通過して行く。



 高度4000フィートでの壮大なパノラマに溶け込みながら――

 凍り付くキャノピー越しの窓に付着する霜を分厚い手袋を擦っては、フラクシス・ミリーナと呼ばれる女性は青い両瞳を細め。感を働かせ、下方から迫るであろう敵機に警戒する。



「ふ…この高度なら目的地まで、索敵されず軽くひとっ飛びだわ」



「でも、あたし達が行動する間既に友軍部隊は奇襲をかけているはずだし、もういつ敵が来ても…」



「あ!」 



 下方から目を離し、再び自機の前方を突き進む味方機の軽いバンクに気付く。 この高さまで登って来れる機体と言えば、旧式とは言え連合国側にも英国制双発機のモスキートを含め。同じく米軍のライトニングやコルセア。



 主に大排気量での機体は当り前の時代なのだ。



「方角的に東から数機上がって来たの? えっ!? 隊長自ら太陽光を逆手に上方から仕掛けるか……ふふ。了解っ!」


 冷気で渇いた唇を軽く濡らす。前方を飛行する味方機の先頭を陣取るエリーアスを含む親衛部隊数機に続き隊列を乱さずに編隊から離れる。



 前方の視界に映るFw190E。漆黒に塗り潰された尾翼にマーキングされた歌舞役者の紋章…彼女が属する部隊長にもなるエリトリア・ミュンヘンの機体から軽く身を乗り出し合図を送る。 それに答えるかのように彼女は座席横から取り出した軍用ライトを慣れた手付きで片手に持ち数回点滅させ、モールスを送る。



 同時に三機からなるFw小隊も軽く逆バレル軌道を描き次々に参道するのだ。



 続け様にエンジンの回転数を上げたのか――メルセデス独自のスキールサウンドを響かせながら一気に遥か下方に機首を向け左旋回軌道。更に大降りなスプリット軌道を描き、次々と急降下サウンドを轟かせながら略60度の角度で襲い懸かる様が映るのだ。



 エリーアスを含む数機編隊が列から離れ、後方からこの奇襲作戦での要にもなる対艦魚雷を背負い込む重いユモ211サウンドを響かせHe-111ハインケル重爆撃機編隊が続けて米空母機動艦隊撃滅の為飛行する。

 同じくエリーアスが率いる護衛編隊も続けて通過するのだ。



 その右翼を護衛する同じく漆黒の塗装を施したbf-109Gのコクピットに腰を下ろすクランシュア・ヘース・ルーラーと名乗る金髪髪を揺らす青年は苦笑する。


「僕達の目的はあくまでもノルウェー沖に停泊する敵空母艦隊のはず。足の遅い爆撃部隊は敵戦闘機の格好の的になりますね。目的地まで極力無駄な戦闘は避けるようにとエリーアス様から仰せられましたけど。敵さんから出向いて来たとなると――ククッ…仕方がありませんね」



「おっと! 僕達も参道したいですがね〜……足の遅いドンガメの護衛ですし、実に残念ですよ…」



 飛行帽から飛び出してはなびく特徴のある白いマフラーを癖のある細い指でしまい込んでは、残念そうな眼差しで遥か下方に展開する空戦の様子を風防ごしに見つめる。



 彼の操縦するbf-109G――漆黒の機体横いっぱいにマーキングされた撃墜マークが何かしら物語っているように――




     ▼▼




「はぁっ……はぁっ……くっ! あいつ等。結局敵さんの格好の餌じゃねぇぇかよぅっ!」



 美しくも銀色に輝く翼を初弾にもなる無数の20ミリ機関砲が霞め飛ぶ。

 足元に設置されたラダーを乱雑に蹴飛ばす。

 略直感に近い感性を働かせ目一杯重い操縦桿を引き寄せると同時にスロットルレバーを丁寧に絞り込む。


 瞬間的な浮遊感を下腹に力を込めながら踏ん張り視界が一気に逆転する。



「成る程な――確かに俺の動きに敏感に反応してくれる最高の彼女だ!」



 一方、ダグラスと呼ばれる青年は、自らが所属するベルギーアッシュにある連合軍基地に新たに配属されたばかりの最新鋭機。P51Dに乗り込み。ナチスでのボーデンブラッデ奇襲作戦を阻止する為。大空に羽ばたいていた。



 度重なる加速Gと急旋回軌道により軽い吐き気と共に来る胃の内容物を無理やり押し殺しながら、

 視界に映る味方機数機が翼をもがれながらベルギーの白銀の大地に墜ちて行く様を眺めては目を伏せる。


 機体の性能に助けられたのか――もしくは対峙する敵が最悪なエース級なのか。



 味方機が大地に激突し、四散する中遥か上方から。太陽光を逆手に取りながら黒く塗り潰されたFw-190E数機が降下速度を利用し、時速600キロの速度で横切る。



「まさかっ! 黒い…部隊だとっ? よせっ。迂闊に奴等に近付くなっ!」



 尾翼にマーキングされた独自の歌舞役者の紋章が目に映り。ダグラスは此迄に無い緊張感が全身を駆け巡る。紛れもない――奴等は普通ではないエース級の機体だと。

 


 二機のFw190Eの後方7時方から周り込むように後を追う味方機にもなるF4Uコルセア三機編隊。



 ブレスト港に停泊中の米空母エセックス級に所属する艦載機だろう。



 しかし、相手が悪すぎるのだ。ダグラスは味方機を助ける為に自らの機体を左ロールから一気に滑らせ突入を開始した。



 更にそんな中――突如自らの機体後方から降下速度を利用し急接近する同じく漆黒の機体。

 エリーアス・リンドゥ・ホルメンが操るbf109Gに狙われているとも知らずに…



 次回――更に混戦が続く!



今回は、少々短めな話の展開になってしまい――まぁ。もう少し内容を濃く行ければ良かったのですがね(汗)



せめて6000文字位に行ければ申し分ないのですが。



次回は、もう少し余裕を持ち、盛り上げる予定という事で? こうご期待ですっ!




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