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5. 人見知りする性格です

誤字修正しました。

小説書くって難しいですね。みなさん、よく面白いお話をかけるなあ。

僕のへらっとした笑いが宙で消える。


(うぅ、ユクリトさん、ちょっと怖そうだ)


おじいさん改めオクナさんと他の四人が立ったので、僕も慌てて立ち上がる。


「では、神子さま、お疲れでございましょう。我らは下がらせていただきますので、今宵はこのままこちらでお休みになってください」


オクナさんがそう言うと、ユクリトさんと僕を残し、他の三人を引き連れて戸口へと向かった。


「えっ・・・」


(僕、まだ何もしてないし、家に何も言ってきてないから泊まるわけにもいかないし、怖そうなユクリトさんと二人で残されるの、ちょっと不安なんだけど・・・)


そうは思っても口には出せず、中途半端に右手を上げてみんなを見送るしかなかった。戸口から見える空はもう薄暗闇だ。来た時は青空だったはずなのに。


いつの間にそんなに時間が経ったんだろうと、不思議に思っていると、ユクリトさんが無言で奥へ向かう。どうやら僕たちが車座になっていた部屋の他に、もう一部屋あるようだ。


その奥の部屋ではユクリトさんが何か作業をしているのか、ゴソゴソと衣擦れの音が聞こえてくる。暗くなってきたし早く家に帰らないといけないけれど、声をかけづらくて、床に置いた通学カバンをとりあえず手に取ると、右に左に持ち直しながら手持ち無沙汰に立ち尽くすしかできなかった。


「神子さま、こちらへ(とこ)を延べました。食事の準備が整うまで、どうぞこちらでお休みください」


出てきたユクリトさんは、やっぱり変わらない無表情で少し俯き加減に話す。


(目が合わない・・・)


「あ、あのっ」


思わず大きい声を出してしまった僕を咎めることなく、ユクリトさんは少しだけ顔を上げた。


「あの、僕、こちらに来て、オクナさんやユクリトさんと自己紹介をし合っただけで、何もしていないですし、あの・・・家に・・・帰らないと・・・」


彼は、しどろもどろに言い募る僕に近寄ると、そっと背中に手を当てた。


無愛想で怖そうな人からのいきなりのスキンシップに固まる僕。


「いいえ。界を渡られ、森を抜けてこちらまでお移りになったのです。お疲れが溜まっていらっしゃるはず」


背中に当てられた手の温かさを意外に思いながら、坦々とした声を聞いていると、実際に体が重いような気がしてきた。


「そんな・・・はず・・・」


次に肩に軽く手を当てられると、嘘みたいに全身の力が抜けて、膝がかくっと折れた。ユクリトさんに抱えるようにして支えられる。


「え・・・どうして・・・」


ユクリトさんは先ほど会った人たちの中では小柄に見えたけれど僕よりもがっしりしているんだなとか、怖そうだと思ったのに僕が怪我しないように支えてくれるなんて本当は優しい人なのかなとか、家に連絡しなくちゃとか、頭の奥の方で色んな考えが頭をよぎったかと思うと、いつの間にか目の前が暗くなってしまった。

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