表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを堪能する  作者: 可燃物


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/265

神さま、嘆く。




異世界転移してから精霊とか魔物とか!

心踊りまくるワードが沢山出てくるのになんで冒険者ギルドがないの!?

なんで冒険者の地位が単なるチンピラや浮浪者と同じなの!!?


……と心底納得がいかなったんだよ。


精霊術と言うアドバンテージがありながら、学がなかったり堪え性がなかったりするせいで社会的弱者に追いやられるとか、あんまりじゃん。


そういうものは教育と保障によりどうにでもなります。

人間っていうのは、心に余裕が持てないと攻撃的になる生物だからね。


それを証明するためにも!

冒険者の地位を確立するためにも!!

俺はギルドと言う制度を作る!!!


そのための実験施設なのだよ、この町は。

最初からそのつもりだよ。


村人助けとかそんなもん、俺の行動理由の一割にも満たないレベルのものだ。

俺は元々世のため人のため慈悲深く献身的に動くような人間ではない。

自分と自分の大切な人のためにしか動かないタイプである。


助けて貰った礼さえ言えないような、施しがあって当然だと思うような不義理なヤツら、助けるだけ損とも思っている。


だって奴らいい歳した大人だよ?

あの歳までそういう生き方してたなら、矯正なんてそうそう出来るわけないじゃん。


だけど、俺のこの世界の神様への礼や、地球を再生し損ねた尻拭いはせねばなるまい。

その第一歩である、人類総幸福計画の為には最底辺と呼ばれる冒険者の地位を底上げしなければ始まらないのだ。


そのために敢えて村人たちを助ける名目を使って、あの冒険者達には、よくある定番の依頼請負、任務遂行、達成、依頼完了報告、依頼料授与の流れを体験させたかったのだよ。


それにより達成感と自己肯定感を得られるか。

また人助けをしたいと思えるか。


また村人たちからの冒険者に対する印象は良くなるのか否か。

また依頼を出したいと思うかどうか。


この世界の住民のその心の動きしかと見届けるため、彼らにはモニターとなって貰った。

実験体とも言う。



冒険者ギルドの内部は、もう、テンプレ通り過ぎるとツッコミを喰らうレベルのゴッリゴリのテンプレ仕様にした。

是非ともツッコミを頂きたい。

誰かにこの遊び心を分かって欲しい!


カノンが何百歳だっけ?

三百歳いってないくらいだったと思うんだけど。

地球からの転移組、誰か生きてないかなぁ。


無理かぁ。

そっかぁ。

そうだよね〜。



今はまだ設置されていないが、ギルド出入口の扉が入る部分は大きなものを設置するか、西部劇に出てきそうなスウィングドアにするかで悩んでるんだよね。

雰囲気的には後者の方が合っているけど、アレ、雨があまり降らない地域だから問題ないのであって、雨も雪も降るここら辺の気候じゃ適さないよな。

でも、見た目も大事だし。

悩む。


その扉を開けるイメージをしながら中に入ると、即席のパーティメンバーを探したり、情報交換をするための丸テーブルと椅子が立ち並ぶロビーが最初に目に入る。

もちろん、力が有り余っている冒険者諸君が粗雑に扱ってもビクともしない、しなりも強度も兼ね備えた「万物創造」で作ったトンデモ素材製だ。

大いに叩いたり喧嘩に巻き込んだりしてくれたまえ。


その正面奥に、まだ誰もいない、何の資料も収まっていない、依頼受付・依頼完了報告のためのカウンターと資料棚がズラリと中身を待ち望みながら整列している。

依頼人用の受注専用窓口がひとつ。

冒険者用の依頼受付の窓口はみっつ。

同じく冒険者用完了報告の窓口はひとつと、それぞれ用途ごとに別にしたんだけど、他にも必要だろうか。

カウンターは後から幅的に足せないんだよな。

もし必要なら支店でも作るか。


建物内、向かって左側は狩った魔物の解体依頼・素材買取の窓口になっている。

屈強なイカついオッチャンが「らっしゃい」とか言いそうな雰囲気を壊さないため、あえてゴツイ見た目にさせて貰った。

お耽美な装飾なんざここのエリアには必要ない。

必要なのは質実剛健な暑苦しさだ。

広さが必要だろうから、カウンターの後ろは家何軒分かぶち抜いた広さの解体場を用意した。

コレだけの広さがあれば、ある程度の量なら素材の保管も出来る。

氷さえ入れれば使える保冷庫も併設してあるので肉も貯蔵出来るぞ。

カノンから許可を貰ったら紋様を刻もうと思ってる。


そのカウンターの近くに、冒険者ギルドと言えばコレだろう!

依頼内容を貼り付けるための掲示板を用意した。

大きく分けて採集系と討伐系、あと雑用系。

依頼内容のランク付けとかもした方が良いんだろうなぁ。

広く使われてる設定だもんな。


マーケティングでも段階評価は戦略効果を得やすくするために使われていた。

依頼人と請負人の間に立つ仲介人が冒険者ギルドの立ち位置だ。

もしくは派遣会社的な存在か。

資料の管理や斡旋、報酬規定など、誰も損したと考えずに済むようにするには、システマチックにしておく必要がある。


魔物の強さや薬草の生息地など、データ化しなければならないことが山とあるな。

なかなかにやりがいがありそうだ。


向かって右側は食堂だ。

冒険者以外も利用しやすいように、食堂側にも道路に面した扉を付ける予定だ。

コッチは無骨なものではなく、ちょっとオシャレなデザインのものを付けたいよね。

女性が気軽におひとり様ランチ出来るような雰囲気にしたい。


冒険者がロビーで食べやすいように、テイクアウトも出来るようにするか、食器の返却を義務付けるか……

こういうのは初動が大事なのだ。

稼働し始める前に決めなきゃな。


食堂の二階は冒険者の宿泊施設。

普通の宿屋だと泊まれないような粗忽者や所持金のない人の雑魚寝用のスペースだね。

ロッカーを設置してあるので、貴重品はその中に。

鍵は各自で管理すれば良いかなと。


魔物の解体所の上部分の一部も使ってかなり広いスペースにしている。

女性の冒険者がいるかは不明だが、男女で分けたり、ある程度まとまったパーティごとに部屋を使えば良いんじゃないかな。

無料にすると秩序が乱れるので、多少の金銭を要求するか、この町で依頼を受けた人――イヤ、完了した人ならタダにするとかなら良いかも。

依頼を受けただけだと、自分の身の丈に合っていない以来を受けるだけしてワザと失敗するような、悪知恵が働く輩が出るかもしれないしな。

商売は安心安全の信頼関係が大事だ。

不正をするようなヤツはお呼びでない。


魔物の引取りカウンター側の階段から上った二階部分は、家具がまだ入っていない応接室がある。

大勢の人がたむろする一階の受付カウンターでは話せない依頼内容の受付だったり、高額な金銭の受け渡しだったりをするのに使えたらな、と思って作った。

隣接してギルド長とかお偉い役職ができたらその人に使ってもらいたいな! と思ってちょっと個人が使うには広い、良いお部屋が用意してある。

家具はまだないけど。


一応造った三階は、ギルド職員用の寮として、単身者向けの部屋をズラリと用意した。

一LDユニットバス、収納付き。

コレでは狭いと言われたら、隣の部屋をぶち抜けばいいでしょ。

キッチンは敢えて付けなかった。

一階に食事処があるし、万が一火事になったら大変だし。

コンロがあるならまだしも、かまどの重量を三階に設置するとか、ちょっと安全面考えたら無いよね。

石造りだから延焼の危険はほぼ無いが、出勤してこないな〜と様子を見にいった同僚が、丸焦げ、もしくは蒸し焼き死体を発見する状況は頂けない。


寮も作ったし、二十四時間依頼受付出来たら良いんだけど、人材確保ってどうすれば良いんだろ。

福利厚生がしっかりしていて、給料ガッツリ出して……人間関係とか、さすがに俺がどうこうできる問題じゃないしな。

アットホームな職場です、なんて黒い気配をビンビンに感じる売り文句はダメだろうし。

どっかに落ちてないかな、社畜。


本が高いってことは、この世界の識字率ってそこまで高くないんだよな。

文字書き計算は最低出来る人材じゃないと雇えない。

イヤ、考えているよりももっとシステムを簡略化すれば、イケるか?


この世界の非常識人である俺一人で考えても詮無いな。

カノンや冒険者連中と要相談だ。



竜を仕留めた時に出た不要な素材や新しく作った回復薬を、カノンがヌリアさんと隣町で現金に替えてきてくれる手筈だ。

竜の素材は珍しい上に汎用性が高いから売値も高くなる。

高く売れるのは良いことだ。


だけど、その買い取るだけの現金が町で用意できるのかが微妙だそうだ。

多少安い見積もりで売っても良いが、安くし過ぎたら転売される恐れもある。

なので安くし過ぎることは出来ない。

なので、竜素材は買い手がいるかは賭けだと言われているんだよね。


王都まで行けば買ってくれる人は確実にいるそうだが。

お貴族様とか、王族様だとか。

そのレベルの素材なのか、と思うと無理だろうな〜。


この町の初動のための投資金が欲しいだけなのだが。

それすら手に入るか厳しいって言うのがなんとも世知辛い。

異世界転移して真面目にするのが金策ってどうなのよ。



最初に作った家のリビングでフリアンに数の概念や文字の書き取りを教えながら、他に必要な施設はないか、町に人を増やすにはどうすれば良いのか。

アレコレ考えていたら何かが勢いよく家の中に突っ込んできた。


この家くらい扉を設置しておこうかとも考えたが、照明器具の相談をしていなかったし、家みたいに紋様具を取り付ければ良いのか、村みたいに松明をつければ良いのか、俺では判断出来なかったんだ。

なので明り取りのために扉の取り付けを後回しにしたんだよね。


辞めておいて良かった。

空飛ぶ石版に乗ったカノンたちだ。

時速何kmくらい出せるようになったのかな。

結構いい速度出てたね。


「くぉら! レイム!!

何だあれは!!!??」


巻き舌気味に開口一発目で怒られた。

解せぬ。


「アレってドレよ?」


跳ね橋はちゃんと下げてあったし、なんの問題もなく入ってこられたはずだ。

噴水も稼働テストの時は水を流したが、誰もいないのに流し続けるのは勿体ないと怒られそうだったから、今は主電源をオフにしてある。


何が問題だったのだろうか。


「一晩足らずでこんな王都に負けず劣らずの街を作るな!」


……おん?


「隣町からでも見えるようなあの塔は何だ!?

喧嘩売ってるようにしか見えないぞ!!」


…………あれぇ??


ハッ!

コレがいわゆる「おれなんかやっちゃいました?」ってやつか!!


「え〜。

文句あるなら崩すけど」


「そ・れ・は・そ・れ・で! 問題ありまくりなんだよ!!」


フードを被ったままなのでこめかみをグリグリされても痛くも痒くも無いので気が済むまでされるがままになっておく。

ダメージを与えられないことを察したのかすぐに辞めてしまったが。



カノンはまさか、俺が短時間でここまでしっかり街を作るとは思ってもみなかったんだとか。

もう、ここまでの大きさになると都市に近いそうだ。


え〜。

マジでこの世界と地球とで規模が違いすぎない?

ビルとか大型商業施設とかないんだし、立地的にも地方なんだから都市とは言えないでしょ。

……あ〜、まぁ、第三次産業まで想定して、人口もそれなりに収容できるようにしているから、都市っぽいと言えばそうかもしれない。


模型を作ったりジオラマを作るのとは訳が違う。

作る物の大きさにや作り上げるものの緻密さに比例して消費霊力は増える。

精霊術だって、大技であればある程霊力の消耗が激しいって言ってたもんね。

風で作り上げた弓矢だって、実際に鏃の形を忠実に再現していたら集中力も消費霊力も大きいから、細長い棒状のもの程度の定義しかしないとも言っていた。


だから、作れても家一軒がせいぜいだろうと考えていたそうだ。


だがそれは、カノンが俺の霊力の総量を見誤ったせいではなかろうか。

つまり、オレワルクナイ。



川向こうの町の人たちは、コチラに危害を加えないなら今まで通りで良いよと最初は言っていたそうなのだ。

交流の仕方が変わる訳でもない。

ちょっとその間が近くなった程度だろうと。


だが、途中で俺がカーサ・トッレもどきを建てたことで話が変わってしまった。


簡易的な物見櫓ならまだしも、堅牢な背のかなり高い立派な見張り塔を設置された。

ということは、そこを拠点に何処かに戦争を仕掛けるつもりなのではないか?

もしくは知らない所で既に戦火に巻き込まれており、戦線がこんな所まで後退しているのではないか?

そう勘ぐられてしまったらしい。


そんな話をしている内にも見張り塔が次から次へと増えていくものだから、戦争に関連していないのなら、いつの間にか集めた何百人、何千人単位で国の意に背いて世界樹の迷宮を開墾していっているのか、と疑われてしまった。


まさか“神の信託”が反乱でも企てているのかと問い質され、早馬を飛ばされるところだったらしい。


お得意の舌先三寸で丸め込んだそうだけど。


ってか、お前幾つ二つ名あるんだよ。

ひとつに絞れ。



今回は俺の仕出かしの確認をするためにすぐ戻ってきた。

だが、後日あらためてこの町の見学に来たい。

そして受け入れて貰える余地があるなら引越したいと町長さんが申し出てきたそうだ。


特産品がある訳でもない、麦の収穫が特別多い訳でもない。

王都からの距離を考えれば、この街を設置した場所に移動しても町の住民にマイナスにはならない。

村の人たちとこれまで大きな諍いはなかったし、これからは手と手を取り合い協力し合って行けたら良い。

そう思ったとか。


ふむ。

つまり。

自分たちは苦労せず、良いトコ取りしたいんだね。


穿った考え方をし過ぎかな。

労力が増えるのは良いことだとは思うのだけど。



その申し出に関しては、村の人たちが移住を願い出た場合、これまでほぼ無条件で町の人たちは快くその申し入れを受けてくれてきたので、カノンとしては是非と返事したいそうだ。

これまで積み上げてきた信頼関係があるのなら、俺は否とは言わないよ。


家もたくさん建ててあるし。

好きなところに住めばいいんじゃなかろうか。

まだ窓も扉もないけど。



俺は税のこととか分からないし、その辺しっかり理解していて今まで管理していた町長さんが仕切ってくれるならありがたい話だよな。

俺もカノンも旅の途中な訳だし。


寄り道して半日程度とは言え、旅程に遅れも出ているし。

村の人たちが合流するのに、あとどれだけ掛かるかな。

明日には着くと良いのだけれど。


それに関しては、空飛ぶ石版を使えば取り戻せるだろうし良いけどさ。


町の人たちが移住してくるにしても、移民希望者を募ったり荷造りしたりで時間は掛かるだろう。

王都に行って帰ってとしてくる間に準備が終わっていると良い。

そんな感じかな。


町の人数が千人程度のはずと言うことなので、村人だけの状態から一気に増える。

街っぽくなって良いんじゃない?


冒険者ギルド発足が一気に現実的になるし!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ