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もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを堪能する  作者: 可燃物


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神さま、町を造る。




「城壁を造ってしまうと町の拡張をする時大変じゃない?」

と聞けば

「それだけの大都市に発展するなら街の中央に権力を置き、外壁に近付けば近付くほど地位の低い者が住むようにすればいい。

内部に辿り着くまでいくつもの門を通らなければならないから攻め落としにくくなっている。

王都もそうだ」

と返される。


平和な世界ならそんな敵の侵略とか考えずに綺麗で便利な町並みを考えればいいだけなのに。

なにが目的かは知らないけど、戦争がある世界って面倒臭いね。



セキュリティ向上と延焼防止。

耐震に耐久etc……

利便性と有用性を考えた結果、町は木造建築ではなく耐熱レンガや石造りのものにすることにした。


木材の確保も、ここだと厳しいからね。

木はボチボチあるけど、森林はないからさ。


もちろん、「スキル」を使えばなんの問題もなく出来る。

だが、カノンに隠すつもりはもうないが、聞かれない限り言うつもりもない。

なので別の手段があるのだからそちらを優先する。


霊力で出来ることは、万能なのだが実は全能ではないことが分かった。

ホント、色んなことが出来るんだよ。

瞬間移動だって出来るし、ひとつの村を一瞬で瓦礫に変えることもできる。


ただ、石を木に変えたり、肉を水に変えたりはできない。

木炭をダイヤモンドに変えることは一応出来るが、金に変えることは出来ない。


俺の先入観のせいなのか、霊力の限界なのか。

摩訶不思議エネルギーの法則はイマイチ分からない。



なので今回は幾らでも使いたい放題の土から作れる家を作ろうと思う。

地下には鉱物も沢山眠っているからそれらを組み合わせて繊維補強コンクリートを贅沢に使っていこうと思います。

普通のコンクリートよりも引張力に強いやつね。

頑丈だし耐久年数も長くて便利なんだ。


さて。


コチラに大体これ位の大きさの家を建てたいな、と杖で目安の線を引いた土地があります。

丁張りの掛け方なんて知って……はいるけど、測量士でもなければ熟練の職人でもない俺が出来るわけがありません。

なので知識で補完して、家の基礎をドーンッと作ります。

ハイ、簡単ですね。


根切りも砕石入れる作業もないから重機いらず。

コンクリートの打設も天端均しもなにもいらない。

凄いですね〜。


……コレ、チートとかそういう問題じゃない気がする。

何日もかかる工程が一瞬で終わるとかどうなってんだ。

有難くはあるけど、家を建てるってもっとこう、ロマンに満ち溢れているものじゃないのだろうか。

一国一城の主とか、一時期とは言え日本男性の夢だった訳でしょ。


悩んでも、便利では確かにあるのだし、通常の建て方なんて俺に出来る訳がないし、このまま霊力と「スキル」使って建てて行くけどさ。


う〜ん。

納得できない。



カノンはヌリアさんと一緒に近くの町に行ったよ。

あの空飛ぶ石版に乗って。

風の精霊術は彼のオハコだからね。


最初は地面と水平に浮かせることや高さを出すのに苦労していたけど、コツを掴んでからはソコソコの速度も出せるようになっていた。

もう、アイツにあげた方がいいんじゃね? ってLvで乗り回してたよ。


買物と、この町の宣伝と言うか、宣告と言うか。

カノンの責任で川向うに町ができるけど、この町に危害を加えるつもりは無いよってこととか、仲良く貿易できると良いですねって話とかをしに行って貰った。


村代表のヌリアさんを伴って行けば、顔を知っている人もいるから信憑性も増すだろう。

そういう理由で彼女はドナドナされて行きましたとさ。


俺とカノンがあーだこーだと議論している間ずっと休んでいたんだから、アナタも働け。

コレからアナタたちが暮らす町だ。

アナタたちが動かなくてどうする。


そんな説得をしたら、とても良いお返事をして自ら進んで石版に乗っていたよ。

返事をした時か細い声だったり青ざめていたりしていたのは気のせいさ!



型枠とか取らなくていいから足場を組む必要も無い。

コストも日数も全然掛からないんだもんな。

すげ〜。


配筋もイメージすればスルスルと鉄筋が必要な場所に走ってくれる。

給水用の配管はいるけど、電気やガスの分はいらないし、これなら全部とりあえず作って必要な場所に後から配管した方が楽だな。


俺が本当にコレで良いのか? と迷いながら作っているからか、たまに歪んだり持ち直したりと壁が迷走している。

見ててちょっと面白い。

下から徐々に外壁が出来上がって行くのはなかなかに興味深いが、こんな地味な作業に時間をかけてなんて居られない。


手直しも簡単に出来るのだから、まずは設計図通りの形を作り上げてしまおう。

見てしまうとアレコレ気になってしまうので目を閉じて、頭の中で図面を起こす。

3DCADでモデリングしたように正確に、精密に。


霊力の消費を自覚したので目を開いてみたら、思い描いていた建物が出来上がっていた。

慣れれば三分掛からずに出来そうなお手軽さだな。

我ながら自分の能力が恐ろしいぜ。



……窓ガラスは鉱石が原材料になるから作り出せたが、肝心の扉がないのが頂けないな。

せっかく出来た窓も、壁に直接埋め込まれる形になっている。

空気の入換も出来ないし、木枠がなければ格好がつかない。


ステンドグラスみたいな色ガラスなら、はめ込み型でも格好がつくが、家の窓全てに絵や模様が描かれていたら目に痛い。

キレイはキレイなのだろうが、落ち着くことが出来ないのはいただけない。

家というものは寛ぐためにあるのだ。


応接室のようなものを作るなら、威厳を出すためになんか荘厳そうに見えるステンドグラスを設置するのは良いかもだけど。

見栄を張るのは大事なことだ。


寺院や大聖堂にあったものを参考にデザインしてみようかな。

バラ窓とか格好いい上に美しいじゃん。

この世界では精霊が信仰されてるのだし、それぞれの属性を象徴する色ガラスにしたらいいと思う。


まぁ、そういう装飾部分は後回しだな。

幸い雨が降る予兆はないし、窓や扉が設置されていなくても問題は少ない。

一旦ガラスは全て廃棄し、建物だけでもパッパと作っていこう。



メインストリートの車道は広めに十m取ることにした。

後から広くすることは出来ないし、最初に作る主要道路は大きめに取っても良いだろうと判断した。

誰かが路駐した場合でも、それだけ幅を取っておけば路駐馬車を避けて二台すれ違うことも出来るしね。


透水機能を持たせた道路は中央から隅に一パーセントだけ傾斜をつけた。

雨水を浸透させる仕様の材質にしたとはいえ、傾斜を付けないと浸透速度より降雨量が多ければ水溜まりができてしまう。

魔物が滑って怪我でもしたら危ないからね。


歩道はセミフラット型にして、基本は五cm車道より高くして、ある程度の区間ごとに二十cm高い縁石を施した。

車相手ならこの高さでも良いのだが、馬車相手で果たしてこの高さで多少でも安全性が増すのかが分からない。

分からないから、とりあえず歩道側に排水設備を整えるためにも一応程度の高さだけ付けておくことにした。


高さが足りなかったら足せばいいんだし。

精霊術ってホント便利。


歩道の幅は荷車を引く人が安全にすれ違えるように片側三m確保した。

有効幅員の考え方として、自転車や車椅子に乗っている人を一m換算しているのだから、コレで充分だと思うんだけど。


王都に喧嘩を売るような大都市にするつもりはないし、あまり通路ばっかり大きくしても不格好になるし、大丈夫だよね。


うん。

大丈夫ということにしておこう。

ダメ出しされたら変えれば良いのだ。



メインの道路を通したら、その道にそって家を建てる。

日本の田舎風景も大好きだが、田畑はまとめて郊外に作るので基本家屋に庭や家庭菜園用の畑をつけるつもりはない。

機能的にも、まとめて一気に作る手軽さ的にも、密集させて家を作る。


イメージとしては石造境界壁を隣家同士で共有して家を建てる、フランスによく見られた建造方式だ。

下手に路地を作ったら難民やらストレートチルドレンの根城になってしまう。

治安保持のためにもそういう人たちを産む可能性は潰しておきたい。


そうなると、受け入れ先が必要になるのか?

貧困層にどのような福祉をこの国は提供しているのだろう。

そこんとこ聞いていなかった。


まぁ、村の人たちを見る限りではろくな政策はされていないのだろう。

しているなら、カノンが紹介してとっくの昔に保護されてたはずだ。


それと、娯楽施設もいるよね。

夜鷹みたいな人が溢れるよりも、ちゃんと管理された娼館があった方が、雇用的にも利用者的にも安心安全だし。


……あ。

この世界にも性病ってあるのかな。

カノンに聞いても問題ないだろうか。

セクハラにならないかな。


最悪、精霊のみんなに聞こう。

そうしよう。



冬には雪が降り、夏は暑い。

しかも川が近く湿気もソコソコこもりやすい。

ここら辺の気候としてはコンクリート造りの家って本来は適していないんだよな。

コンクリってカビやすいとか言うし。


繊維補強コンクリートは断熱・防音・耐震に優れているんだけどね。

湿度だけはどうにもならない。


吹抜け構造まではカノンから許可が出てる。

シーリングファンを取り付けるか。

この程度の機能を追加するのは問題ないだろう。


見えない所に風の紋様刻んで、そこら辺に漂ってる自然の霊力を拝借する形にすれば勝手に天井で羽がクルクル回ってくれる。


建物の高さも広さも、小市民や無産階級で変わってくる。

基本一Kトイレ風呂別……

と言うか、トイレはおまる、風呂はタライ。

おまるの中身が溜まったらスライム行き、もしくは収集する業者に渡す。

風呂の代わりに、身体が汚れたら水浴びかタライにお湯か水をはってぬので擦って洗うだけ。


お貴族様になると風呂もトイレもしっかりとしているようなのだけど……

俺、カノンに拾われて良かった。


村人たちの生活の質を落とすつもりは最初からなかったが、そんな生活してたらどうやってそれ以上落とせと? と言いたくなるレベルだな。

浮浪者レベルじゃないだろうか。


この世界の普通って、幸せの値が低すぎないか?



カノンからOKは貰っているから、とりあえず農地予定の区画近くにテラスハウスを建てる。


メゾネットとかロフトとか、色々考えたんだよ。

アパートみたいな集合住宅でも良いのでは? とも思ったんだよ。

なんだけど、エアコンも空気清浄機もないのにカビのデメリットを抱える家で天井を低くして風通りが悪い住居にするのはダメだ。


カビは身体を無自覚のうちに蝕むとても厄介なヤツだ。

黒カビによっていつのまにか一家全滅したなんて話、実は地下室を持つ家だと近代でも結構あったという話だし。


窓の大きさも取りたい。

シーリングファンも付けたい。

そうなると一軒家か?

……それは贅沢が過ぎるだろ。

という訳で長屋方式にした訳ですよ。


メゾネットと違うのは、一軒一軒、ちゃんと個人の所有物にするって言う点だな。

自分の家は自分で責任を持って管理して欲しいし。


ズバッと十軒一気に同じものを建てたら、尾根道を通してそちらにも同じ長屋を十軒建造。


中を確認したが、ミニチュアで作ったのとほぼ同じものがしっかり出来上がっていた。

違うのは、窓がなく吹きっ曝しになってる所と、シーリングファンが付いているって所だね。

問題はなさそうだ。


これで村人全員住む家の確保は出来た。

一安心である。


主流から外れているここの道幅は広くしすぎると裏路地と一緒でゴミのポイ捨てをされて景観を損ねたり、犯罪の温床になってしまう危険性がある。

それに有事の時に集団戦になってしまう恐れだってある。

必要以上に幅は取らないでおこう。


精霊術を使えない人の水確保に噴水を広場の中央に設置。

井戸をあちこちに設置するのも考えたんだけどね。

お行儀よく順番を待てるか分からないから。

沢山の人が同時に水汲み出来る方が良いじゃない。

ここならいまある区画どこからでもアクセスしやすいし、便利でしょ。


農地には井戸とポンプを幾つか置くよ。



最低限造らなくてはいけない縦物を造ったので、次は防衛兼軍事施設として塔を街の区画ごとにニョキっと生やす。

カーサ・トッレと呼ばれていたこの塔状住宅は中世イタリアでよく見られた建造物で、お貴族様が住んでたそうだ。


何階建てに相当するのだろう?

こんな高い建物、椅子でふんぞり返ってるイメージの強いお貴族様が、よく階段昇り降り出来たね、と思う。

最上階からは、屋根もついているので外敵の強襲がないか常に見張ることができる。

外部の異常がすぐに分かるから、確かに便利だ。


人が住む必要はないので、今はまだ人口が増えた時兵士を置くなら使ってね、という程度のものでしかないが。


外壁に隠し狭間を作って、有事の際の利便性を増しておく。

石落としもあった方が良いよね。

和洋折衷になるけど、防衛戦になった時に使える装備はなんでも付けよう。


周辺に堀を掘って川から水を引いて、跳ね橋を設置すれば城門防備は終わりで良いかな。

篭城することになっても、コレだけの設備があれば充分でしょ。


食料の確保がコレからの急務かな。

何育てさせようか。



外部から訪れた人が泊まる宿屋。

定住してくれる商人が店を出すための商家。

その商人を管理・運営するための組合施設。

思いつくものはドンドン作っていく。


今作った建物では足りなくなるくらいに人が集まってくれると楽しいんだけどね。

カノン的には集まりすぎても困るか。


無許可で向こう側に足を踏み入れた人を追撃するシステムでも作っとく?

森側のトッレにこっそり仕込んでおけば、誰にも気付かれずに闇に葬れるけど。



それよりも何よりも!

俺が作りたかったのはコレ!!


冒険者ギルド〜!!!




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