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もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを堪能する  作者: 可燃物


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神さま、舌鼓を打つ


思想が時代の先を行き過ぎてる人。

先見の明があり過ぎて潰される人。

後世になって評価される文豪や画家が多くいるように「あ、この人産まれてくる時代間違えたな」と思う人は結構いる。


テルモなんかは、地球では凄腕の料理人で趣味と実益を兼ねて施設の副料理長の地位にいた。

彼が休みの時の食堂は「ここは葬儀場か!?」と年配者に言われるレベルにテンションが低いお通夜状態だったものだ。

その上強い「地のスキル」を持っていたから野菜や果物を効率よく育てる土を生成し食糧不足の解消に貢献したことも評価され確固たる地位を築いていた。

更に格闘センスもずば抜けていて、演練場で手合わせをすれば観客から歓声と黄色い声が上がる。

相手にも礼を欠かないから、そりゃあもうモテたもんだ。

天は贔屓をするんだな、と彼を見るたびに思ったものだ。

施設内屈指の模範的な優等生。


だが、目の前の状況を見て思う。

このヒト、産まれてくる世が世なら詐欺師になれただろうな、と。



「なるほど、かしこまりました」


目の前で聞いてはいたが、どの辺に訝しんでいた相手を成程と納得出来る材料があったのだろうか。

口八丁手八丁で疑念の眼差しを向けていたカノンを丸め込み、遂に俺が皆と和気あいあいとしていた理由とか、さっきまで精霊だったテルモに何で肉体があるのかとか。

全て納得させてしまった手腕を見て、ついこの人の天職実は詐欺師だろと思ってしまった。

あの柔和な笑みを浮かべたお顔がね、警戒心を解くのに非常に有用なのだろうね。


前世の話やこの世界と精霊の成立ちなんかは話していないのに、よく納得させたものだと感心する。

俺達が英語で会話していた部分のほぼ全てをカノンが理解出来ていなかったお陰だろう。

単語だけでも拾えていたら、ちょっとヤバかったかも。



「世界の危機には、心当たりがあります」


テルモの詐欺めいた、ことごとく本当のことを言っていないよね? とツッコミを入れたくなるお話に心当たりと言われましても。

真面目な性格故に精霊が嘘をつくはずないと思い込んでアレコレ関係ないことを結びつけてこじつけたりしてない??


だが、嘘から出た真なのか、俺が知らないだけで本当に世界の危機とやらが差し迫っているらしい。

「ギンヌンガの裂け目の封印が解けようとしているのではないか」と先日王都に行った時にまことしやかに囁かれていたそうだ。


近年、魔物の動きが活発化していて廃村が増えたり、故郷を追われ難民が裏路地に住み着き治安が悪化したり、問題が増えていると報告に上がっている。

その不安からなのか、事実そうなのかまでは不明だが問題自体は発生しているのは確かだ。


ギンヌンガの裂け目とは、世界の果てにあると言われる時空の裂け目で死の国に繋がっていると伝承されている。

ただのおとぎ話かと思われがちだが、そこの封印がほころぶ度に魔物が大量発生したり気候変動がおかしくなったり、世界各地に異変が起こる。

周期がまばらで規則性もない。

本来ならば常にその裂け目の封印を見張るべきだろう。

だが、灼熱の大地にあるためとてもじゃないが人が暮らせるような土地ではない。

なので異変が起きたらその都度部隊を派遣をするのが各国の決め事となっている。

問題がなければそこで終わり。

何かあったら事案を持ち帰り、その解決策を講じるような流れがお決まりなのだそうだ。

完全に後手に回ることになるのね。

もちろん、先遣部隊には凄腕の国お抱え精霊術師も同行するため、ある程度の封印の緩みなら直せるらしいが。


ただ今回は文献にある裂け目の封印による被害とは異なる部分も多く、この国の上層部は部隊派遣の決定打がないと決めあぐねている。

なにせ世界の果てと呼ばれるだけあって長旅になるし道程だって険しい。

命の保証はなく金銭だって嵩む。

犠牲あっての派遣に志願したがる者はいない。


しかもその封印を直す方法が精霊の犠牲ありきだそうだ。

カノンとしてはなるべく早い段階で発見し人間と精霊両方の犠牲を少なくしたいと考えている。

だが、国は決定打がないと重い腰を上げようとしない。

精霊の口から「世界の危機だ」と言われれば国も動きやすくなるだろうし、なるべく早く王に進言しようと約束された。


ちょっと待って。

単なる言い訳の作り話がいつの間にか規模が大きい話になっちゃってる。


……皆のその貼り付けたように同じ角度で上げてる口角はなんなの?

汗腺ないくせに額を伝う汗はなんなのさ??



カノンが言いくるめられた内容に、世界の危機うんぬんに絡められ、皆の肉体作りの依頼があった。

何かあった時世界に干渉しやすくするため、とか。

市井に紛れて情報収集をするため、とか。

別に肉体なくても出来ることでしょ、と言いたくなるがツッコミを入れてしまうとテルモの詐欺師トークの流れをぶった切ってしまう。

カノンに疑問に思われてしまったら大変だ。

こう言うのは畳み掛けて考える隙を与えてはいけないのだ。

……ということでお口にチャックしてひたすらプルプル我慢して聞いていたのだ。

俺、頑張った。


思い出せる範囲でテルモの肉体に使った素材の名前を挙げていったが、残念ながらカノンの記憶にある限りで在庫がひとつしか無かった材料が幾つかあったそうだ。

なので、肉体作りは難航するというのが返事だった。

だが、王都へ向かう道すがらに集めることも出来るし、その素材の魔物が生息する地域に住んでいる知人に依頼をすることも出来るのでなるべく早く作ります、と気合を込めて返事していた。


当然だがカノンは精霊が入れる肉体の作り方なんて分からないと言うし、俺も当然巻き込まれることになる。

その拠点にこの家を提供すると約束してくれた。

なので精霊の皆はこの家に常駐決定。


俺もその素材集めのためにしっかりとした杖を作らなければならなくなった。

最初は一人で旅ができる程度の品質があれば良いだろうとカノンは考えていたそうだが、いくつかの素材はかなり危険な地域に赴かないと採集出来ない。

防具も間に合わせのものではなく、見に纏えるようになる最高級品質のものを追々作ろうと握りこぶしを作って言われた。

なんでそんなやる気出してんのよ。



話もまとまったことだし、日も暮れ良い時間だからと今日は解散することになった。

解散、と言っても誰一人として自分のネグラに帰ろうとしないのだが。

それぞれ、祀られてる神殿やら祠やらに帰らなくていいのかよ。


テルモが久しぶりだから上手く出来るか分からないけど、と夕飯のリクエストを聞いて来たので迷わず「オムレツ!」と挙手をした。


「昨日も食べなかったか?」

「俺の……好物なのです」


俺の作ったヤツと一緒にしちゃなんねぇ。

言おうとした言葉を飲み込む。


別に嘘ではない。

実際好物ではあるのだが、材料のせいなのか単に俺の腕が悪いのか。

生前副料理長が遺してくれたレシピ一覧が「知識」にインストールされていたからソレを参考に昨日は作ったんだよ。


なんだけど上手く作れないし味も違うし。

注意事項も思い浮かべながら作ったんだけどね。

無理でした。


もう二度と味わうことは出来ない、と思っていた味が!

食べられると言うのなら!!

そこは全力で!!!

乗っかるしかないでしょ!!!!!


肉の身体を手に入れて、最低限の動きをする分には問題ない位には馴染んだとテルモは言っていた。

料理も生前の感覚を取り戻すため、と言うなら率先してして貰った方が良い。


カノンは「そんな恐れ多い」と恐縮しっぱなしだが、しばらくの間三人での生活になるのだから、慣れるためにも台所の使い方教えていらっしゃい。


地下に材料を取りに行くのを見送り終えると、つい緊張が抜けて脱力してしまった。

少し勢いづいて座った椅子がギッと鳴る。


……あの頃の皆がいることが、酷く不思議な気分だ。


昨晩、異世界転移をした事実を受け入れた。

メソメソしていても仕方ないから、ちゃんとこの世界で人生を全うしようと。

自分が犯した罪を少しでも償うべく、俺が殺した人たちの魂が少しでも安らかであるように、彼らの功績を俺が後世に伝えようと決めた。

彼らの分まで色んな経験をして、死後の世界があるのならばその時の土産話を山ほど作ろうと思った。


……自分の目的のために犠牲にした人達が実は生きてました〜ってなったら、昨日のあの一連の流れは、どう考えても恥ずかしすぎる。

顔を覆って床を転げ回りたくなるレベルで恥ずかしい。

黒歴史をコレ以上生み出す訳にはいかないので、机に突っ伏すだけに留めておくが。


生きていた、と言うのとは少し違うか。

あくまで、彼らは転生したのだ。

あの時の彼らとは別の存在だ。


確実に俺が殺した。

一度、死んでいる。


見た目はほぼ変わらないが、精霊だし。この世界の神様なのだからさっきみたいに前世のような距離感は遠慮するべきだろう。

人の上に立つ存在は、威厳がないと格好がつかない。


『アナタ、ま〜た小難しく考えてるデショ』


このヒトだって、俺の母親ではないし、こんな人の迷惑を考えず頭をクシャクシャに撫で回してこようが神様なのだ。

敬わねばなるまい。


「なんでしょうか、ルーメン様」

『え、やだ、キモい』


キモいとまで言うか!

人が体裁考えて敬ってやろうとしているのに!!


『アナタが色々考えてしまうのは仕方ないとも思うのよ?

無駄に能力アレコレ詰め込まれたし普通ならしなくていい教育までさせられて。

こうあるべき、とか考えちゃうんでしょうけど、アナタも、ううん。

アナタが一番の、地球再生計画の被害者なのよ。』


ずずい、と眉を釣り上げた顔を近付けて指摘される。


イヤ、まぁ。

散々なんで俺ばっかりこんな目にあわなきゃならねぇんだ! って思ったけどさ。

皆殺して回って加害者側に立った時点で被害者ぶっちゃダメでしょ。


『アナタがソレを望んだ訳じゃないデショ。

いい?

他の人たちはたまたま計画に必要な能力に適合していて巻き込まれただけ。

巻き込んだのはアノヒト。

アナタは計画の核として、計画のために生きて死ねって産まれる前から役目を押し付けられた被害者なのよ。

それ以外の生き方を教えて貰えなかったし、大人がそれを奪った。

ワタシたちは大人として、子供の成長を見守り自由に成長していくことを見守る義務があったのに。

前世でそれが出来なかった分、今世ではアナタの生きるサポートをしたいと、皆思っているわ。

……急に、アナタは自由よ! なんて言われても難しいでしょうけれど。

この世界では、そんなお役目はないのだから、心のままに楽しいと思うことを楽しんで、好きなことをして過ごせばいいのよ』


前世でやり残したこと、やれなかったことを今度こそ、と考えているのは精霊転生組も同じ、ということか。

この世界の神様から皆が託された願いは平和と成長、発展と滅亡回避。


精霊としての肉体では、人間の営みの中に物理的には介入しにくいと先程言っていた。

だから彼らがこの世界に来て結構な年月画経っているにも関わらず、この世界の生活水準はさほど高くないのだろう。

しかし電気がなくても、神託という形で知識を与えればアレコレ試行錯誤しながら、この世界における最適化された形に文化や技能が育ちそうなものなのに。


それこそ、紋様具なんかはそんな形のひとつの完成形と言えるだろう。

なのに、この紋様具は一般的には普及していないそうだ。

何故なのか。


この家にある理由は、ウェントスがカノンの父親と契約していたらしいし、その時に教えたからなのだろうか。

イヤ、生前のことを鑑みるならウェントスにそんな知恵はないか。


この家の紋様具の知識がどこからもたらされたのか。

なぜ便利なのに広がらないのか。


それ以外のことでも、二つの世界が混ざっているせいもあるのだろうが、この世界は歪だ。

精霊術のような特出したアドバンテージがあるにもかかわらず、それすら滅び行くように後世に伝えられず廃れて来ているという。

どちらもこの世界の、滅亡寸前まで行ったという人間の欲の少なさに起因するのだろうか。


施設にいた人間は、10万には足りないくらい。

地球上で他の施設にどれだけの数が居たかは不明だし、「スキル」が完全に成功していなかったなら「スキル」の発動中心地である施設以外の人間がどうなったかは、正直分からない。

いないものと仮定しても、この世界の住民と混ざり合うのにそんな何十代と世代を重ねる必要なないと思える人数は居たはず。

受け入れられるように努力したとも言っていたし。

なら、地球人の世界を滅ぼしてしまう程に強い欲がこの世界の住民の無欲と混ざってそこそこ程度の発展はしてても良いだろうに。

おかしい。


「俺がしようと思っていたのは、皆が生前出来なかったことを代わりにするってことだったんだけど……」


『あら、好き勝手やらせてもらってるわよ』


「そうデスか」


『そうなのてす。

その好き勝手出来る幅が広がるから、テルモに作ったみたいな肉体、是非早く作ってね?』


「あ、ハイ。

頑張りマス。」


次は私の番! と肩をぐわしっ!! と捕まれ迫られたのでその気迫に気圧されてしまった。

人間の頃の思考が抜けきらないなら、生身がないのはさぞかし辛かろう。

自己満のために皆の功績をこの世界に残す位なら、皆が望むように肉体作りを優先しよう。

……でも、それよりも。


「好きなことしていいってことなら、まずは兄ぃのご飯久しぶりに食べたい」


ニヒッと笑顔を作ると『今作ってくれているデショ』と呆れたように苦笑された。

兄ぃはテルモの生前の呼称だ。

残念ながら会うことが叶わない俺の親友、その兄だったので、その呼び方が定着したのだ。


そのタイミングで運ばれてきた大きいオムレツ。

つるんとした薄黄色のラグビーボールのようなその形は、焦げ目もなく表面がツヤツヤしている。

卵が採れたて新鮮だからなのか、スプーンの背でつつくとプルンと弾力があり地球で出されたものとは、やはり少し違う。


「レイムが全然違う、と言っていたのも頷ける。

手順や材料は同じなのに、不思議だ」


昨日の俺にしてくれたのと同様、コンロの紋様具の使い方を教えながら見張りをしていたのだろう。

カノンが少し興奮気味に言ってきた。


そうだろ、そうだろ。

兄ぃは手馴れているから作る工程がそもそも無駄がなく早いからそれだけでも魔法のようなのに、オムレツの形を整える一連の動作がとにかく美しいのだ。

見惚れているうちに完成してしまうから、いつまでたっても技を盗めないのが悔しかったんだよね。


テルモが自分の皿を持ってきて、サッと俺の皿とソレを交換する。

ほんの数分程度の差でしかないのに、出来たてをくれるらしい。

お口の中をヤケドしちゃったらどうしましょ。

思うと同時にお茶が出てくる。

至れり尽くせりである。

でも、さっきのやつより一回り大きいんだよね。

食べ切れるかな。


「「「いただきます」」」


重力に逆らえきれずにポテッと緩くたるんでいるその真ん中にスプーンをつぷッと差し込む。

薄皮一枚でせき止められていた半熟トロトロの卵が次から次へと溢れてくる。

あ〜! お米があったなら!!

オムライスにして貰ってこの絶妙な火の通り具合の卵を絡めて食べるのに!!!


「……昨日のレイムが作ったものも美味かったが、これは別格だな」


そうでしょ、そうでしょ。

褒められると自分の事のように嬉しくなるね。

ってちょっと待って。

なんでカノンのお皿から赤いの覗いているの。


テルモに視線を向けるとニコリと笑って食を進めるのを促された。

表面だけ掬ったオムレツを、今度はスプーンが皿に当たる奥深くまで刺してみる。

スプーンに伝わる感触が変わった!

こ、これは!?


「ケチャップライスだっ!」

「ほんの少しだけれどね」


目を輝かせて頬張ると、少し濃いめに味付けされたねっとり甘めのトマトソースが絡んだお米。

どう炒めたらそうなるのか、スプーンで掬えばチャーハンのようにパラパラと解けていく、ソコの隙間を埋めるようにトロりとした半熟卵が入り込んでいく。

口に含めば、もう至高の一言。

超! 絶!! ウマい!!!


米のひと粒ひと粒レベルで堪能しながら至福の時を過ごしていると、台所の方から聞き慣れぬ電子音が聞こえてくる。

この世界で? 電子音??

カノンなんかは「敵襲か!?」なんて言って米粒口の端に付けたままあわてて立ち上がっているが、テルモに制されて再び着席した。

とってもマヌケ。


「その子が許可を出してくれたから、イグニスにお願いしてタイマー機能付けて貰ったんだ」


言って断りを入れて離席すると、少し深みのある角皿を両手で持って戻ってきた。

「熱いから気を付けてね」と言いながら盛り付けてくれたソレは、間違いなく


「「グラタン!」」


おや? カノンもグラタン知ってるんだ??


「あ、父が、昔。

作ってくれたことがあって」


ほう、料理系男子。

余程好きだったのだろう。

先程のオムライスに熱烈視線を向けてた俺以上にキラキラした目でグラタンに釘付けになっている。


盛り付けている間にも、みょーんと伸びるチーズが、ホワイトソースの甘い香りが暴力的だと思ったが、食べると誇張表現なくダメージを喰らう。


主に、熱さで。

慌ててカップを煽り口の中を冷ます。

大丈夫。

熱いお茶じゃないことは確認済みだ。


猫舌という訳ではないが、焼きたてのグラタンの熱さを甘く見ていた。

施設の食堂で出される時も、熱いと思っていたがあれでも多少冷めた状態だったんだな。


ペンネやマカロニのように筒状になっていないので不意討ちを喰らわないのでダメージは少ないが、厚みのあるニョッキのようなパスタはそれ自体が熱く、口に含めばハフハフと空気を送って冷ましてやらないと噛むことも困難だ。

それがいいのよ!

メッチャうまい!!


塩気がキツいベーコンが甘いホワイトソースの良いアクセントになっているし、口内調味をすれば徐々に混ざり合い溶け合う甘味と塩味が美味しさを更に引き立てる。

斜め切りにされたアスパラはシャキシャキ食感が楽しいし、炒められた玉ねぎはホワイトソースとは別のコク深い甘みがある。

どこも余すことなく美味しい。


この短時間で二品も用意してしまうとは……

流石、施設の元副料理長。

伊達に何万人分の食事をほぼ毎日用意してないぜ。


本当はサラダとスープも付けたかったけど、この世界の野菜の味が把握出来ていないうちは難しいからまた今度、と言われた。

けど、コレでも充分すぎますよ。

なにせお米がある!


「米ないって言ってたのに、どこから湧いて出てきたの?」


「私は地の精霊だから。

大地に芽吹くものは何でも生成できるよ。

アスパラや玉ねぎもそう。

お米は、稲を生成までは出来ても、さすがに、大量に脱穀も乾燥もさせるのはイグニスとウェントスに負担を掛けてしまうからね。

次は二人の身体が出来た時にしよう」


つまり、当分の間お米はなし、か。

残念。

それでも、思いがけず食べられたのは素直に嬉しい。

カノンも、グラタンに飢えていたのだろう。

手間がかかるもんね。

一人暮らしだと作るの億劫だもんね。

ちょっとモザイクかけたくなるレベルの破顔でご機嫌さんなので、テルモ達を受け入れてもらうための餌付け作戦は大成功だと思われる。

ぞんなつもりでご飯作った訳じゃないだろうけどね。


あ〜、満腹だ。

至福。


「「「ご馳走様でした」」」


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