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ロディ、ムース、美琴!各々の戦い!

ヨハネスの指示通り海上へと赴いたロディとムースは海面に浮かぶ無数の緑の粒を発見した。


それは全て半魚人の兵士が寄り集まったものである。凄まじい数を前にしてロディは軽く武者震いが起きるが、ムースは逆に興奮して海面を滑空して敵へ突撃を開始する。

彼女の暴走にロディも慌てて追いかけて声をかける。


「ちょっと焦りすぎなんじゃねぇのか」

「焦りもしますわよ。せっかくの玩具が誰かに先越されでもしたら大損ですわ」

「ああ、そうかい……」


自分と美琴以外の全てを玩具と断じる彼女の思考回路に共感はできなかったがロディは共闘で敵を制圧することにした。まずはムースが先陣をきって能力を開放。


「アイアン・メイデン!」


無数のアイアンメイデンを展開し、中に棘のついた拷問器具に半魚人たちを閉じ込め惨殺。

血飛沫が鉄の器具から迸り、ムースは歓声をあげる。


「素晴らしい眺めですわ。ああ、やっぱり玩具たちの血を見るのは最高ですわあ」


以前は拷問器具を一度にひとつしか生み出すことのできなかった彼女だが研鑽を重ね、少ない体力の消耗で同時に拷問器具の生成を可能になったことで、戦闘力は大幅に上昇していた。


高笑いしながら能力で仕留めていく彼女に若干引きながらもロディも銃で半魚人たちを撃破していく。生まれも性別も異なるふたりだがなぜか息のあったコンビネーションで次々に兵士たちの数を減らしていき、ついに一体も残すことなく全滅させた。


肩で荒い息を吐いて崩れそうになるムースを横からロディが支える。


「お疲れさん」

「あ、あなたもなかなかやりますわね……」

「俺たちの仕事はこれで完了だが、何か食べにいかねぇか」

「でしたらクレープがいいですわ」

「甘いモンね。了解っ!」


ロディは愛馬にムースを乗せて戦場を離脱した。





美琴は2本の三叉槍を操るネプティーヌを相手に苦戦を強いられていた。

濃い茶色の髪に海色の瞳。青い肌ながら比較的人間に近い外見をした女性幹部ネプティーヌは三叉槍を巧みに使って美琴を追い詰めていく。



「あなた方はどうして地上のみなさんを攻撃するのですか?」

「それはこっちの台詞ね。私たちが何もしないのを言いことに海を汚して自分たちが地球の支配者だと勘違いしている人間たちの思い上がりを挫くためよ」

「確かに人間は開発によってきれいな海を汚し続けています。でも、最近は自分たちの行いが間違っていることに気づいて少しずつ海をよくしようと頑張っている人たちもいます」

「ハッ、遅い。遅すぎるのよ。それに少しの人間が頑張ったところで大多数の欲望にまみれた人間たちの暴走は止まらない……だったら私たちが滅ぼしたほうがマシじゃないか」

「お願いです。もう少し、もう少しだけ待ってくれませんか」


涙を流して訴える美琴にネプティーヌは容赦ない連続突きを見舞う。美琴の身体に穴が開き、血が噴き出す。


「アンタの呆れた平和主義の戯言もこれで終わりよ!」


止めの一撃を食らわせようとした刹那、美琴の全身が黄金色に発光した。


「……ネプティーヌさん、本当に、ごめんなさい……」


謝罪の言葉と共に光のエネルギーで生成された巨大な三叉槍がネプティーヌを何度も貫く。

美琴の能力『攻撃反射』が発動したのだ。


攻撃による反射を受け、虫の息のネプティーヌは口元に歪んだ笑みを浮かべて撤退。

海底王国の玉座の間に瞬間移動し、ルドルフ=ヒュドラ―に謁見する。


「ヒュドラー様! スター流が侵攻を開始しております」

「それで? 奴らを始末したのか」

「兵士たちは全滅、ですが負傷を与え――」

「ここまで聞けばご苦労」


ヒュドラーはシュッと舌を伸ばしてネプティーヌの首に巻き付ける。


「敗者に用はない」

「ヒュドラー……様……」


懇願するように手を伸ばしたネプティーヌを絞殺し、死体を泡にしてしまう。

それから玉座から立ち上がって呟いた。


「100年前の仇を返させてもらうぞ。スター流……」



そして全てはこの話の冒頭に語った通りである。



おしまい。


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