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同窓会

 オレたちのグループは、とにかく衣装が特

 徴的だった。

 

 でも、またその衣装がダンスをより一層引

 き立ててくれている気がした。

 

 この衣装を着るとよし‼︎って気合いが入る。

 

 一度デザイナーさんにお会いしたいくらい

 の素晴らしい才能だ。

 

 しかしデザイナーさんは、海外にいてとて

 も忙しいらしい。

 

 なので結局お会いしていない。

 

 

 数年後

 

 

 オレはダンサーとして大人気になったが、

 本当にやりたかったことを見つけた。

 

 なので引退を決意した。

 

 というかグループが解散となったのだ。

 

 うん。こんなこともある。

 

 この業界に残り俳優でやってみないかとか、

 さまざまなお誘いを受けた。

 

 それは非常にありがたい。

 

 しかしオレはやりたかった本当のことを見

 つけたので未練なんてもんは、ない。

 

 あと、これからは静かに暮らしたかった。

 

 で、オレのやりたいこと。

 

 それは…

 

 それは今さらだけど、美崎さんの笑顔をそ

 ばで見続けたいというものだ。

 

 

 しかし、美崎さんは今どこで何をしている

 かもわからない。

 

 もしかしたら結婚しているかもしれないし、

 子供だっているかもしれない。

 

 そんな状況を奪うつもりもない。

 

 そもそもオレのところに全てを捨ててくる

 はずがない。

 ってか、そんなことさせても誰も幸せじゃ

 ないだろう。

 

 ただ、そばで笑顔がみれればいい。

 

 ん?

 オレってやばい奴なんじゃね⁉︎

 

 それはそれでキモいか⁉︎

 

 

 …ま、でもやりたいことが見つかっただけ

 でもよしとしよう。

 

 なのでまずは、同窓会にでも顔を出してみ

 ようと試みた。

 

 

 同窓会は、毎年開催されていた。

 でも、オレはいつも申し訳ないけど不参加

 だった。

 

 なので初の参加になった。

 

 

 そして同窓会当日

 

 美崎さんに会えるのも楽しみだけど、みん

 なに会えるのも楽しみだ。

 

 受付で名前を書いていた。

 

 すると友達が

「おー‼︎ひっさしぶりじゃん‼︎影ならがら応

 援してたぜ」

 とみんなから優しい声をかけてもらった。

 

 あー、なんかホッとするわー。

 

 そして久々にみんなと色んな話で盛り上が

 った。

 

 でも、美崎さんがいない…。

 

 あたりをキョロキョロしたけどいない…

 

 そんなオレの様子を見かねて友達が、

「もしかして美崎さん探してる?」

 と、聞いてきた。

「あー…うん。まぁ」

 と答えるとまさかの返事が。

「美崎さん卒業以来同窓会に一度も参加して

 ないんだよ。」

 と。

 

 しかも、海外に居るとかそのまま結婚した

 とかなんなら病気説なんかも噂されている

 らしい。

 

 …そうか。

 オレみたいにあることないこと言われてる

 んだな。

 

 でも、それは残念だったな。

 

 ま、でもみんなに会えたからよしとしよう。

 

 やっぱり美崎さん結婚したっぽいな。

 

 あー…

 そっかー。

 でもそーだよなー。

 

 あー…

 オレほんとなにやってんだろーなー。

 

 同窓会の帰り道空を見上げた。

 

 …この地球上のどこかで美崎さんが笑って

 暮らしてるんだよな。

 

 なら、それでいい。

 美崎さんが幸せならオレも幸せだ。

 

 

 

 

 それから数年が過ぎた。

 

 オレは一般市民として働いている。

 

 かわったことと言えば、ダンサーじゃなく

 なったってことくらいかな。

 

 引退しても相変わらずバク宙とかはできる。

 

 

 今日久々に美崎さんの夢をみた。

 

 …いい加減美崎さん忘れなきゃな。

 

 続く。

 

 

 

 

 

 

 

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