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オレは…

 …オレたちは、お互いのために良かれと思

 い恋人ごっこを継続してきた。

 

 互いに好都合だった。

 あの頃は。

 でも、今は一緒にいればいるほど状況が悪

 くなるばかりなんだ…。

 

 美崎さんの防犯の為に一緒に帰っていたけ

 ど…

 

「ねぇ、言いたくなかったらいいんだけどさ

 辛いってのは…その誰かになんかされてて

 ってことだよね?」

「ううん。質問はされるけどそれは全然大丈

 夫なの。でもね、紀田くんの心の中に他の

 人がいるのにわたしが占領してるのが辛く

 てね。」

「占領って…。むしろ占領しててよ」

「えっ?でも…」

「いいの。オレは美崎さんに占領されたい」

 

 …あ、オレなんてあつかましいことを。

 

「あ、あの、占領しててってのは偉そうって

 か何様ってなるよね。そのー…うーん…」

「なら、遠慮なく占領しちゃうぞ」

 って美崎さんは、笑った。

 

 それからも毎日一緒に下校してる。

 

 心なしか美崎さん前より笑顔が増えたな。

 

 美崎さんってもしかしてオレを…

 イヤイヤ、こんなオタクなオレを好きだな

 んてありえないか…。

 

 最近オレはイマイチ自分がわからない。

 他の人からは、どううつっているのだろう

 か?

 

 昔はただのオタク。

 

 まぁ、バックにキャラクターのかわいいや

 つとかぶら下げててキモ〜とか言われてた

 りしたけど、今は背も伸びてスタイルもそ

 れなりにいいし髪にも気をつかっている。

 

 そのおかげか、キャラクターをぶら下げて

 いてもキモ〜って言われるどころかむしろ

 かわいい〜‼︎なんて言われる始末だ。

 

 オレは…オレは今どんな状態なんだろう。

 

 オタク友達と集まった時に聞いてみた。

 すると、

「マジ、神だよ‼︎」

 と、言われた…。

 

 …え、オレ神ってたのかよ⁉︎

 

 スケールデカすぎだろ…。

 

「あのさ、神ってなんだよ」

「神様は神様だよ。なんつーか、オーラがも

 う違うってかな」

「「「「「うんうん」」」」」

 …え。

 

 わかんねー。

 

「そもそももうすぐ神様は、あっちの世界に

 召されるんだろ。今こんなオレたちと燻っ

 てていいのか?」

 と心配される始末…

「召されるとか…なんか…」

「まあ、とにかくオレたちとは容姿からして

 全くの別の人種ってわけだよ。だから美崎

 さんと壮太が一緒に歩いてるとほんとに美

 男美女カップルみたいでお似合いだぞ」

 と言ってくれた友達。

 

 …うん。

 そう言ってくれるのはありがたいな。

 

 オレ少しは自信持ってもいいのかな…⁈

 

 

 今結構イケてるって思っていいんだよな⁈

 

 だがしかし‼︎

 所詮オレはオタクあがりだ。

 

 油断大敵!

 

 そうだ。

 今はたまたま運がいいだけかもしれない。

 

 このまま油断して流されてはいけない‼︎

 

 そうだ。

 オレはもっと頑張らなきゃ!

 

 って事で未だに美崎さんを送ったあと絶景

 ポイントのあの神社の階段を全力で登って

 いる。

 

 あれは、かなりしんどい。

 

 でも、ご褒美が最高だから頑張れる。

 そう。

 ご褒美とは、大好きな美崎さんが教えてく

 れた絶景を見る事だ。

 

 ただでさえ絶景なのに、さらに美崎さんか

 ら教えてもらったってところがまた最高じ

 ゃないか‼︎

 って思う。

 

 たまに夕日がめっちゃきれいな時がある。

 

 そんな素晴らしい光景を見た日には、よし

 頑張ろうって気持ちになるのだ。

 

 卒業したらメンバーの一員として迎えても

 らえる。

 

 みんなの足を引っ張らないように練習練習

 っと。

 

 たまにテンションが上がるとこの絶景ポイ

 ントでバク宙する。

 

 ってか、よくここでバク宙の練習をしてい

 た。

 

 とある日また友達から動画またバズってん

 じゃん。

 なんて言われた。

 

 …ん?

 なぜ⁇

 と思い動画を確認。

 

 すると、

 爽やか好青年絶景の中バク宙

 とあった。

 

 あー…この前夕日がきれいな時、テンショ

 ン爆上がりで連続宙返りとかバク宙したん

 だな…

 

 それか。

 

 ってか、なんかはずっ…。

 

 

 

 続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

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