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顔を隠した黒兎ー仲間を探す復讐旅ー  作者: 底抜けバケツ
9/9

気がついたら知らんところにいた話







 外が明るいのか、瞼の裏が赤い。


 ここはどこだ...。


 薄く目を開くと、外のあまりの眩しさにもう一度目を閉じてしまった。


 「あれ?おきたかな?」


 聞き慣れない声が聞こえてきた。


 話しかけられては返さないと迷惑だ。


 光のダメージをあまりの受けないように、目の前に手をかざして起き上がる。


 「はい。起きました。」


 律儀に返してしまった。ちょっと固すぎたかな?


 「起きましたって...。そっか、良かったよ。」


 と、少し苦笑気味に白い髪の少年が返してくれた。


 と、ここに来て大きな疑問がある。


 「あの...。ここどこです?」


 座っている僕と少年。少しの沈黙の後。


 「ぶほッ!今なの?!」


 突然少年が吹き出した。


 「え?」


 まさか笑われるとは思っていなかった。


 「ハハッ!面白、フフフフフフフww」


 少し悶えた後、さっと真面目な顔になって向き合ってきた。なにそれこわい。


 「そうだね、君みたいにここに来てから暫く寝てるのは珍しいから、最初にする説明を忘れてたよ。」


 ほう。


 「ここは空間と空間の間。世界のバランスの管理室だよ。」


 もっと分からなくなった。


 「ええと...。つまりね、ここは君がいた世界の人口や気候を管理するところで、空間の間だから、世界のどこにでもあって、どこでもない場所ってことだよ。」


 空間の間の理屈はよく分からないけど、つまり僕たちのせかいを管理してるっていうのは分かった。



 「何となく分かりました。」



 少年がほっとした顔をして話を続ける。



 「それで、君がここに来た理由。」


 「はい。」



 それがよく分からない。今まで何をしていたのかも朧気だし、自分がどういう人間なのかも分からなくなっている。



 「何も覚えていないのはいいんだよ、僕がそうした。」


 「僕の記憶をいじったんですか?」



 いじった...。少し言い方が悪かったかも。責めるような言い方になってしまった。

 でも、頭をいじったことは事実だ。



 「うん、いじったよ。」


 「え?」



 と、悪びれる様子もなく続けた。



 「ごめんね、君たちとは価値観が違うのかもしれないけど、君のためなんだよ。」


 「僕のため?」


 「ああ。君のためだ。」



 ふうん、ならいっか。


 と、自分の中で完結した僕を見下ろして、



 「ふうん、ホントに面白い。」



 少年は口の端を釣り上げて怪しく笑った。



 「君の記憶は、今の君の精神体では耐えられないからね。断片的な記憶だけ送るよ。」



 それだけ言うと少年は僕の隣に腰かけ、額に人差し指と中指を当てた。


 膨大な記憶と知識が流れ込んでくる。



 「へえ。」



 僕がつぶやくと、



 「そっか、君はとっくに壊れてるんだね。」



 と、面白そうに僕の顔を覗いてくるので、ついムッとして



 「何ですか。」


 と言ってしまった。


 確かに思うことはあったが、なんだか少し自分の事のように思えなかった。



 「ふふ、何でもない。さて、次はなんで君がここに呼ばれたのかだね。」









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