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私の旦那さま♡  作者: しいたけ
二章
35/38

天と魔の猛襲

後三話くらいです。

もう少しだけお付き合い下さい

 窓の外に人影を見た。


「──!!」


 慌てて飛び出し、その、見覚えのある、待ちわびた姿、形、顔、仕草に、声が詰まる。


「あ、ア、アサ、アササ──」


 ギュッと抱き付いてきたその柔らかい髪は、あくる日のままであり、あの夜の続きのように、優しい香りが俺を包み込んだ。


「旦那さま……お許しを…………」


 か細い声が、許しを請う。何も怒ることは無い。今は彼女が居てくれる。それだけで俺は幸せだ。改めてそう思う。



 しかし、招かれざる客──いや、熾天使(セラフ)が感動の再会に水を差しに来た。


「さて、要件は分かっているだろう?」


 天より派手に白い羽を羽ばたかせ、白く冷たい瞳が俺を睨みつけた。


 アサヒーナに優しく声を掛け、後ろに匿う。


「さてさて、貴方様の返答次第では我々も歓迎の宴を催す事になるでしょう」


 ミカエルの後方より、へカーテがじわりと滲み寄る。


 どうやら役者は揃ったようだ。


 やる事は一つ。



  ──誰も生きては帰さない!!



 ポケットから天叢雲剣を取り出す!

 桜の枝が大きく育ち、逞しい幹へと成長する。それを握り締め俺は二人へと向けた──!


「……ほう」

「あらら……」


 二人は期待が外れたかのような面持ちで、ため息をついた。


 そして先に動き出したのへカーテだった。


「弾けてしまえ!!」


 へカーテの身体中から大蛇が溢れ出し、俺を襲わんと向かってくる。


「ふんっ!」


 天叢雲剣を振るうと、大蛇がまるでティッシュを裂くかの如く、何ら抵抗もなくすんなりと分断され、地面へとボタボタと落ちた。


「クッ……小癪な!!」


 飛び退くへカーテの足下を瞬時に氷結させるが、威力は弱い。しかし奴の気を一瞬でも引ければそれで良い。


「くたばれゴミ共がぁぁぁぁ!!!!」


 飛び掛かる様に天叢雲剣をへカーテの頭上から振り下ろす!


 濃縮された信仰エネルギーが、奴の体を構築する霊体を悉く分解し、霧散させる──!


「ギェェェェエ!!!!」


 そのままへカーテは塵のように消え果て、最後には何も残らなかった…………。



「地母神共め、そんな玩具を人間に渡したところで、我々天上人に敵うとでも……?」


 ミカエルの足が一歩静かに前へ出た。


 もう後には引けない。ココで全てを終わらせる──!!

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― 新着の感想 ―
[一言] FOOOOOO!!!! やっちまええええ!!!!!
[一言] ラストスパートお疲れ様です。
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