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私の旦那さま♡  作者: しいたけ
一章
13/38

お風呂

「うへぇ……庭掃除してたら転んで泥だらけだ…………」


 外仕事を終え、汚れた体を洗うために屋敷の風呂へと向かう。


 ──カチャ……


「あ……!」


「おや……?」


 扉を開けると、そこにはメイド服を脱いだばかりのサンシャちゃんがいた…………。


 下着姿のサンシャちゃんはいつもに増して(当社比)破壊力が強い。アサヒーナと比べるなら三輪車とタンクローリー程の違いだ。


「あ、あの……扉を…………」


「えっ、あ、ゴメン!」


 開けっぱなしの扉を閉めようとすると、不意にサンシャちゃんに手を引かれ、俺は脱衣所へと引き込まれた。


 ──バタン……


 扉が静かに閉まり、サンシャちゃんが俺の手を引いたまま恥ずかしそうに俯く。


「旦那様さえ良ければ……その……一緒にお風呂に…………」


「YES WE CAN!」


 俺は全くと行って良いほど躊躇うこと無く泥で汚れたスーツのボタンへ手をかけた。


「その……恥ずかしいから……後ろを向いていて下さい……」


「YES I CAN!」


 俺はこの先のパラダイスに期待を大にし、クルリと扉の方を向く………………と、何故かそこには世界一の笑顔が似合う死神さんが居た。


「や、やあアサヒーナ……こんな所で奇遇だね……!!」


「絶命希望の旦那さま。書類がアホ程溜まっておりますが?」


 笑顔を崩さず淡々と言葉を吐く辺りにかなりの恐怖を感じられる。しかし俺も男だ。ココで止まってしまってはチャンスは二度と訪れないだろう。ココは突き進むべし……!!


「掃除で汚れてしまったから、風呂へ入ったら行くよ」


「な、ら、ば……お一人でどうぞ!!!!」



 ──ガシッ!!


 ──ガラッ!!


 ──ポイッ!!


 ──ボチャーン!!!!



 手首を捕まれ風呂へ放り込まれる俺。屋敷の主たる俺が酷い扱いだ…………。


「だ、旦那様!?」


「あのアホなら大丈夫。それよりサンシャちゃんあのアホに襲われなかった!? 変なことされなかった!? 妊娠してない!? 大丈夫!?」


「おーい、聞こえてるぞー……」


「あのスケベタラシ大魔王は私が躾けておくから、サンシャちゃんは逃げて!!」


「えっ!? あ、あの……!!」


 アサヒーナに促され、サンシャちゃんが着替えて脱衣所を後にした。俺のチャンスは儚くも手から零れ落ち、残されたのは『死』あるのみだった……。



「旦那さま……覚悟は良いですか?」


「ア、アサヒーナさん? 笑顔が怖いんですが…………」


「すみませんねぇ。生まれつきなので…………」


 ──バギッ!


「うごぉっ!」


 ──メキョッ!


「はがぁっ!」


 ──グワシャッ!


「しでぶっ!」


 俺は死んだ方がましかもしれない程に痛め付けられ、その日は仕事が手に着かなかった…………。

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― 新着の感想 ―
[一言] サンシャちゃん……!( ˘ω˘ ) 完全にリア充じゃないですかやだー。
[一言] 何なんでしょうね。 この「究極」と「至高」を兼ね備えたような「ツンデレ」は。
[良い点] 三輪車とタンクローリー程の違いだ。 >拙者の鼻に住んでるみずみずしいのが一気に飛び出ましたwww
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