表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の旦那さま♡  作者: しいたけ
一章
10/38

お風呂

「ふぁ~~っ!」


 めたくそな欠伸をぶっかまし、冷め切ったコーヒー(コーヒー)を口に流し込む。時計は既に夜の10時を過ぎていた。


「うわ……仕事しすぎた」


 そして未だに終わらぬ書類の山に嫌気が差し、俺は部屋を抜け出した。


「風呂でも入るか……」


 眠気MAXで頭をボリボリと掻き、屋敷にある風呂へと向かう。


 ──ガチャ……


「……あ」


「え……!?」


 目と目が合うアサヒーナと俺。


 アサヒーナは何故かバスタオル一枚。何故ならそこが風呂だから。そして風呂上がりだから。




「……ハハ。ゴメンゴメ…ン……」


 俺は何食わぬ顔で扉を閉めようとする。


「キャーーーーーーー!!!!!!!」


 ──バジンッ!!


「ア゛ーーーーーーッ!!!!」


 アサヒーナの強烈な突き出しで俺は扉に指を挟んでしまった!!


「旦那さま出てって下さい!!」


「指が!! 指がもげる!!」


「出てって下さい!!!!」


「もげちゃうーーーー!!!!」






 …………


 ………………


「すみませんでした……」


「いや、良いんだ。ノックも無しに入った俺が悪かったんだ」


 アサヒーナの部屋で俺は手当てを受けていた。まだ乾かしていないアサヒーナの髪とクマのパジャマ。そして可愛らしいカエルの救急箱。こういう所を見ると、アサヒーナは実に女性的だなと感じる。


「痛くないですか旦那さま」


「痛いから舐めてくれ」


「絶命希望ですね♪」


「ごめんなさい……」


 世界一の笑顔で凄まれると謝らずにはいられない。俺は実に弱い生き物だ。


 柔らかいアサヒーナの手が俺の手から離れ、指は包帯でグルグル巻きになった。


「風邪をひくといけない。俺はもう大丈夫だから早く髪を乾かすといい」


「ありがとうございます」


「明日も宜しくな」


「はい。おやすみなさいませ……」


 俺はアサヒーナに別れを告げ部屋を後にした。






(……さてと)


 俺は部屋に戻ると椅子に座り心の準備を急いだ。


「して、状況はどうだ。時雨……」


「ハッ、それが…………」


 影より時雨が現れ魔界の状況を報告し始める。


「2000の天使が全て返り討ちに遭い、天界が慌ただしくなっております。ソロネ軍を主体とした5000、ドュナミス軍3000、アルケー軍1000が天界を出動致しました」


「やはり魔界はそう簡単には墜ちなさそうだな。しかしこれで戦争が本格化するだろうな……」


 そうなると、何があっても良いように俺もそろそろ動かねばならない時期か…………。


「時雨、一つ頼みがある。もし魔界の軍勢にベリアルが現れたのなら、『妖精(ピクシー)は静観する』と伝えよ」


「ハッ―――」


 時雨が影に消えると、俺は窓から外を眺めた。月は怪しく 陰り、行く末を知ってか知らぬか雲の中へと消えた…………。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ラッスケキター!!!(ラッスケではない) アサヒーナは理想のツンデレヒロインや( ˘ω˘ ) そしてまたしてもシリアスとのギャップががが!w メッチャオモロイ!!
[一言] >「もげちゃうーーーー!!!!」 指ですね。指なんですね?
[一言] めっちゃ痛そう…(´;ω;`)ウッ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ