パーキングレストラン
だいぶゆっくりの次作品になってしまった。
ネタが無いのでそれも仕方ない事。
何処かへ行く訳でもなく
ただ、パーキングのレストランに行く。
昨年そこで食べた トマトラーメンの味が
忘れられずにいた自分は、果たして今もあるのか
いや、あるはず。あんなに美味しかったのだから
人気商品になっているに違いない。
と、勇んでワザワザ高速に乗る。
…お、ある、ある!
期待したあまり、トマトカレーをトマトラーメン
と読み間違える。
やはり、ない。
仕方ない、トマトカレーを頼む。
まだ、混む時間ではないし、平日の夕飯前のこの広い空間は、客が7〜8人といったところか。
ポツポツとはいってくる人々。1人だったり、2人だったり。
眼帯をしている親子連れ、あたふた忙しそうな男性一人、咳をしている子供。
レストランの職員の70近そうなおばさんウェイトレスが一人一人に声をかけ、窓の角に置いてある鉢植えに霧吹きで水をあげる。
この人は毎日、こうして何らかの理由で
高速道路に乗り、腹ごしらえして束の間の
休息をとる人々を見ながら
自分のように想像してみたりするのかな。
楽しさ、嬉しさ、寂しさ、悲しみ、疲れ。
トマトカレーを食べ終わる頃には
外も暗くなってきた。
店を出るとき
[安全運転で、お帰り下さいね!]
おばちゃんウェイトレスさんが言ってくれる。
トマトラーメンが無かったことに気をとられていたが
その時、以前トマトラーメンをテーブルに
持って来てくれたのがこの人だと
思い出した。
その時も帰り際、同じように言ってくれたんだった…
意味もなく、安心したんだ。あの時も。
そんな事を思う自分は、余程のヒマな人なのか。
いや、そういう気分の時にパーキングレストランに行くのか?トマトラーメンのために…は
どこへ行った。
おばちゃん、いつまでも元気で働いてね。
またトマトラーメンお願いします。