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VRMMORPG 光猫と闇犬のマジックランド  作者: かけ蕎麦一杯100万円
ケロベロス探索編
7/14

伝説の三頭犬-3

「中は結構暗いですね。」


そういったのは、『デストロイヤー・オブ・ザ・ワールド』の職であるサクリュウだ。

サクリュウの職は、超攻撃型の魔法使いである。

それ故に、<ナイトビジョン/暗視>や<インフィニティ・トーチ/永久松明>など、補助系の魔法が使えない。

防御系の魔法も使えないため、簡単に敵のコンボに、はめられたりする人気のない職である。

いつもは、1金で買った店売りのトーチを使うのだが、今日は違う--仲間がいるのだから。


「<パーティーマジック・ナイトビジョン/パーティー内魔法・暗視>」


その直後、まるで洞窟内まで太陽光が届いているかのように、目の前が明るくなった。


「これでバッチリですね。」


魔法をかけたのは、『サポーティング・バーサーカー』の職であるカ・キオーかっこよめだ。

彼女の職のメインは、仲間へのバフや回復系の魔法だが、バーサーカーのクラスを入れているため、接近戦も得意とする。

普通のヒーラーなど、仲間の支援に回るものは、敵に近づかれたりすると危ないため、味方が、近づかせないように守るのが普通だが、カ・キオーかっこよめは、自身のプレイヤースキルの高さから近接職寄りのクラスを取ったのである。----取ったというよりか、取らされたのである。戦士である夫に言われ。そう、バフもなにもつけていない、ヒーラーのサブ武器であるダガーに負けた、あのカ・キオーに----


「じゃあ行くっすよー」


洞窟の奥の方からちゃめしの声が聞こえた。


------------------


「...にして、なんもないっすね」


無垢な子供のようなキラキラした目が、ため息と一緒に、16歳のものに戻っていた。


「--いや、なんか来たっす」


さっきまで緩みきっていた空気が、その声に一気に張り詰めた。



----目の前に4,5匹の、犬のような見た目をもつモンスターが現れた。


「<シー・ザ・ネーム/名前表示>----ガルム?」

「その名前聞いたことあるっす!」


ガルムという名を聞いた途端、はね飛びそうな勢いでちゃめしが答えた。


「なんかの神話に出てくる番犬っす。番犬がいるってことは、何か守らないといけない物があるってことっす!!!」

「やっと冒険らしくなって来やがったな」


そう言った時にはすでに、ちゃめしと彼のペットはガルム達の方へ走っていた。


「せめて、リザレクトのバフだけでも付けてから行ってください!」


そんなサクリュウの声は、未知を目の前にした、ちゃめしには聞こえていない。


「そんなに強くはないモンスターだと思いますが、カ・キオーさんはスキルでガルムのヘイトを取って、タンクをお願いします。それと、ちゃめしさんに弓を使うよう言ってください。嫁さんは、念のためリザレクトのバフをお願いします。私は、いつものように後ろから魔法で攻撃します。」

「わかったである」

「了解です!」


そのサクリュウの指示に、まるで互いに声を掛け合っているかのように動いていく。

それに合わせて、ペット達も自らの主人をサポートするように動いている。


「<スティムレント/挑発><レンフォース・シールド/盾強化>よし、来るである。」

「あれ?カ・キオーさん?」

「ちゃめし殿、弓を使うである。」

「自分、弓職だったの忘れてたっす」


ちゃめしはダガーをしまい、メインの弓を構え後ろに下がる。



「ペルちゃん、今合わせられる?」

「いつでも大丈夫よ」

「<<コネクト・パーティマジック・レンフォース・レイト・リザレクト/パーティ魔法・超強化・遅すぎた祝福>>」


カ・キオーかっこよめの魔法で、仲間の体の周りに緑色のオーラが現れた。


----<レイト・リザレクト/遅すぎた祝福>とは、HPが0になった瞬間に発動する、後発性の魔法である。

HP10%で一回だけ復活できる。

だが、カ・キオーかっこよめの魔法は、パッシブスキルで+10%、コネクトマジックで+30%され、HP50%で復活できる。

一度死んでしまうと、キャラクター消去というゲームにおいて、この魔法は必須である。


「あとは...<パーティマジック・ストレングス/物理攻撃強化><パーティマジック・ハードネス/物理防御強化><パーティマジック・レンフォース・マジックパワー/魔法攻撃強化><パーティマジック・レンフォース・ヒットポイント/最大HP強化><パーティマジック・レンフォース・マジックポイント/最大MP強化>これで大丈夫かな?」


すべての魔法をかけ終わり、味方の体は、色とりどりのオーラに包まれていた。



「こっちも合わしてみるか?」

「いいですよ!サクリュウ様と合わせるなんて久しぶりですね!」

「ではいくぞ、<<コネクトマジック・レンフォース・フォールン・メテオ/超強化・隕石落とし>>」


サクリュウの立っている位置から、円を描くように幾何学な模様の光が広がって行く。

この魔法は、発動までに詠唱時間があるため、少し待つ必要がある。



「あ...コネクトマジック...レンフォース・マジックパワー......これ....まずくね?」



その言葉の意味を理解したターシャが、急いで前で戦っている、カ・キオーとちゃめしに叫ぶ。


「急いで後ろに下がってください!!」


サクリュウは、自分にバフを付けることが少ない。

それ故、コネクトマジックとレンフォース・マジックパワーのバフのついたフォールン・メテオの攻撃範囲を見余ったのだ。

このゲームには、フレンドリーファイアーがあるため、サクリュウの魔法は味方にも当たる。


ターシャが、それに気づいて叫んだとしても、時すでに遅し、サクリュウの魔法が発動してしまった。


「ちょっと!!なんスカこれ!?!?」

「--終わったである」


サクリュウは、ガルム5匹をカ・キオーとちゃめしもろとも消し去ったのである。


この時の、主人を見るターシャの目は、冷たいというか、厳しいというか、どこかゾクゾクする目であった。

ブックマークしてくれた人、ありがとうございます!

この続きはすぐ出します。多分

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