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VRMMORPG 光猫と闇犬のマジックランド  作者: かけ蕎麦一杯100万円
ギルド・テルミットの日常
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ギルド・テルミット

「ところで、次のギルド内イベントは思いつきましたか?」

「何個かは思いついたのだがな」


サクリュウは、なんやかんやで引っ掻かれた顔を触りながら続けた。


「毎回、アップデートの度に行なっているギルド内イベントだが、今回のアップデートは、農民スキルと鍛治スキルが追加されただけで、商人プレイヤー向けだったからな。

私たちテルミットは、PvPと探検をメインでやってきたから、商人なんて一人もいないんだよなー。どうしたものか...」


ここまでギルド・テルミットが強くなったのも、探索好きやPvP好きが集まってできたギルドだからである。

ギルドハウスが欲しいとなれば、みんなで作戦を立て、準備し、攻め落とす。

新しい遺跡が追加されれば、みんなで遺跡を探索し、遺跡内で見つけた、なんの能力も持たないアイテムをかけて、ギルド内PvPをしたこともあった。

--そうそう、『カ・キオー』さんの嫁さんが光猫と闇犬始めるって聞いた時なんて、300Lvにカンストし、課金ガチ装備をしたギルメン20人ぐらいで囲ったっけな。


レイドボスなど、一部のボス級モンスターを除いて、このゲームはラストアタックをしたプレイヤーに、すべての経験値やアイテムが行く。

パーティを組んでいるのであれば別だが。


それを利用して、最初の村で受けられるゴブリン討伐のクエストなんて、どれだけゴブリンのHPを1に近づけられるか、なんてギルドの仲間と競っていたこともあった。

今や、『カ・キオーかっこよめ』さんは旦那よりいい装備をし、後ろの方でサポートをしてくれている。--ここだけの話、あの人のステータスの振りはめちゃくちゃなのに、プレイヤースキルがありすぎて、ヒーラーだがアタッカーである戦士に、サブ武器として持っていたダガーで勝ってしまったことがある。

ちなみに、負けた戦士というのはカ・キオーである。

本人は「嫁だからちょっと手加減してやった」なんて言ってたけど、バレないようにバフ入れたり、wikiで戦士のハメコンボとか調べてたり、勝つ気----卑怯な手を使ってでも勝つ気満々だったあなたが、自分の嫁、ましてやヒーラーに負け、26にもなって半泣きだったあなたを決して忘れません----忘れられません。


「なんて話はさておき、今回のギルド内イベントなのだが...」

「?」


ターシャはガラッと雰囲気の変わった自らの主人を見て不思議そうにその小さな首を傾げている。それを尻目にサクリュウは続けた。


「サービス開始当初から噂されていた、<ケルベロス>を見つけに行くことにする!」


ケルベロスとは、三つの顔を持った例の犬である。

タイトルや設定から推測するに、ケルベロスがいるのではないか、もしかしたらペットにできるのではないかと噂されている。

だが、今まで誰一人見つけた者がいない。

wikiには何人か見たという者もいるが、多分デマであろう。情報が不明確すぎる。

私も昔、その噂を確かめるために、一人で探しに行ったこともあるが、結局見つかりはしなかった。----世界が広すぎるのだ。

そろそろ、ギルド・テルミットとして探しに出てもいい頃だと思ったのである。


「探すのはいいのですが、検討はついているのですか?」

「それなら大丈夫だ、うちのギルドの仲間に探索、冒険に長けたスキルを持つ者がいる。それが例のちゃめしさんだよ」

「あぁ〜、ちゃめしさん...」


やっぱりか。とでも言いたげなターシャだ。


「そうと決まれば、一度ログアウトして連絡を取って来るとしよう。」

「分かりました!行ってらっしゃいませ!!」


とてもウキウキしている様子のターシャがそこにはいた。

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