プロローグ-1
「『動物と話したい』そんなことを思ったことはないですか?
そんなあなたにオススメなのが、今年発売されたVRMMORPGの=光猫と闇犬のマジックランド=です。
このゲームは、自由度、やりこみ度、共に今までの比にならないMMOです。
さらには、全NPCは個々に人口知能を搭載していますので、まるで人間と話しているかのよう感覚が近未来を感じさせるでしょう!
是非一度、体験してみてください!」
なんて、わけのわからないCMが頭に流れたので、夢を広げてみました。
この世界は犬猫たちが人間と支え合い共存している世界...だった
ある日、大貴族が飼っていた、ネコ科のトラであるシンバと、イヌ科のチベタン・マスティフであるマンティスがいたのである。
かつて、その二匹はとても仲が良かった。
だが、主人から貰ったおもちゃの人形<バイコーン>を取り合った事から起きたケンカが原因で、ネコ科の動物はシンバへ、イヌ科の動物はマンティスへと、小さなケンカからすべての動物が関わる大きな戦争--とも言えるものに発展してしまったのだ。
そして、その戦争の勝敗はーー--俊敏さ、パワー、体格差という事から、ネコ科であるシンバの勝利で終わった。
対して、敗れたマンティスはというと、シンバへの憎悪で闇犬と化していた。
闇犬と化したマンティスは怒りに任せてシンバに襲いかかった、完全に勝利の余韻に浸っていたシンバは、油断から勝ち取ったバイコーンを近くの天の川と呼ばれる、山の袂から麓の方へ、自然魔法の力によって、水の流れが我々が常識としている向きとは逆向きの川へ落としてしまう。
シンバはバイコーンを追って天の川に入る。
そして、そのままシンバは光り輝く麓へ流れに乗りながら消えて行く。
シンバは光猫になったのだ。
その頃から世界が歪んで行き、以前に比べて天災などがかなり多くなったのだ。
光猫と闇犬の仲直りが出来た時、この世界がすべて元どおりになると信じられている。
仲直りのためには光猫と闇犬を、元のシンバとマンティスに戻すしか方法はない。
そのためには、二匹に仲の良かった時代を思い出してもらうのが一番である。
こうして、かつて共に生活をしていた人間、猫、犬、たちが立ち上がったのである。
ここから、二匹のための思い出探しが始まったのである----
という設定のVRMMORPG<virtual reality Massively Multiplayer Online Role-Playing Gam>=光猫と闇犬のマジックランド=をプレイしているのが私、"サクリュウ"こと"田中 涼太"である。