明かされる真実
探偵が帰ってきた。調べに出て行ってからざっと4日といったところだろうか。まさか、このたったの4日で全部調べ終えたんじゃないよな?
「全部調べ終えた。でも俺から真実を話すよりは自分で確かめに行った方がいい。このメモ通りにい動け。そしたら全部わかる」
俺はB5くらいの紙を渡された。紙には人の名前とその人がどんなとこに現れるのかの時間帯まで書いてあり、それらが矢印で繋がれていた。これを辿れば俺の知りたい真実にたどり着くらしい。この探偵すごい。
「探偵をなめてもらっては困る。約束のパスワードはお前が真実を知ってからでいい。外出するときはボディガードにこの二人をつける」
そう言って男と女が入ってきた。男の方はこのヤクザみたいな探偵の部下っぽい見た目でまさにヤクザに雇われたチンピラだ。そして女の方はすごい美人だった。この二人はつい最近まである暗殺組織にいたところをこの探偵がその組織を壊滅させてしまい、そこでこの二人を雇ったらしい。なんなんだ、この探偵。
俺は外にた。久しぶりの外だ。命を狙われているかもしれないないと考えると外を歩くのは少し怖い。俺は早速紙に書かれたところに向かう。最初は妹の通っていた高校のだ。最初に書かれていた名前は森田瑠璃。確か、この前高校に行った時に俺に話しかけてきた子だ。俺は早速そこに向かう。高校に来たのはすごい久しぶりで瑠璃という少女の顔を覚えている自信がないが記憶というのは面白いもので瑠璃を見つけると頭の中に、「あ、こいつだ」という感覚が来る。
「なぁ、俺のこと覚えてるか?」
男子大学生が女子高生に話しかける最初の一言がこれでいいのだろうか?なんて話しかけてから思ったがあんまり気にすることではなかった。
「うん、はるかのお兄さんでしょ?」
よかった。とホッとしつつ俺は探偵からもらったメモにかかれている質問をする。
「お前、自殺したみれいって子のことをおいじめていた張本人だろ?」
「まぁ、そうね、そう言われると心外だわ。遊んであげてただけよ。まぁ周りの人は結局いじめてたんだろ?っていうんだろうけどさ」
こいつ実は飛んだふざけた野郎だった。なんなんだこの態度は。心のそこから腹がたつ。そして俺は次の質問をする。
「で、俺の妹も、はるかもいじめてたのか?」
「それは違うわ。私はあの子のことは本当に嫌いだもん。関わりたくもない」
本当にイライラする。目の前にいるのははるかの兄だぞ?兄の前でよくそんなことが言えるな。
「うちは、みれいと仲良くしたかった。でも、どう接していいのかよくわかんなくて。だから、それがいじめみたいに発展しちゃったの。だから、みれいと仲良くできてたはるかが少し羨ましかったの」
突然の展開に俺はついていけなくなった。ということは、もしかして
「はるかはいじめられていなかった」
「えぇ、そう」
俺はどうやら勘違いしていたようだ。俺はてっきりいじめられていたみれいに関わったはるかがいじめられたのかと思った。礼を言って俺は次の目的地に向かった。
次に書いてあったのは楠みれいの名前だった。この前に話しかけた時には確か逃げられたんだよなぁ。なんて思いながら向かう。正直足が重い。校内を歩くとすぐに楠みれいは見つかった。
「ねぇ!」
さて、ここでみれいの逃げられたらまた、大変だ。
「な、な、なんですか?」
申し訳なさそうなこの感じは変わっていない。そして走り出そうとした。
「待って」
俺はおもわず彼女の肩を掴んでしまった。彼女が悲鳴をあげた。誰かが来る前に俺は真実を聞き出さなくてはならない。俺は紙に書かれた質問をする。
「君と、はるかの関係を教えて」
「友達です…」
おそらくこれの真実を知っているのは彼女だけだ。
「これ、はるかの持ってた教科書なんだけど」
「いえ、それは私のです。はるかはいじめられて、汚れた教科書を私のと取り替えてくれてたんです。その他にも色々取り替えてくれて」
なるほど。これで全ての謎が解けた。
「何があった!」
教員と思われる人がこちらに向かって走り出してきた。やばいと思った俺はとっさに走り出す。
「あの!」
みれいに止められる。
「はるかは!本当に!!優しかったです!!!ありがとうございました!!!!」
目に涙を浮かべながらみれいは叫んでいた。逃げるのに必死だったけどここで何か返してやらないと俺はこの子の想いを無駄にする。
「その言葉、妹に言ってやってくれ」
俺はそう言って走り出して、学校を出た。
真実は思わないものだった。考えるってことは確かに大事なことだったがそれだけではダメだった。自分の世界だけではたどり着けないところがあると知った。そんな時に誰かに頼れる力を持たなくてはいけなかったのだ。俺は探偵に合わずしてここにたどりつけなかっただろう。すべてあのヤクザ探偵のおかげだ。心の底から礼を言わなくては。
高校を出ると俺は後ろから誰かに押された。倒れた俺の上の後ろに弾丸が当たった。押してきたのはボディガードの男だ。目の前には拳銃を持った男。こいつが俺のことを殺そうとしたのか。