年末の悲劇
はい、今回初めて投稿するらくよしです!
自分の頭の中でいろんな物語が生まれて文字にしてみたいと思い今回書いてみました。
初めてなので色々緊張しております。厳しい評価は特に感想などコメントをいただけると非常にありがたいです。
自分の成長につなげていきたいと思います。
我輩は猫だったかもしれない。
なんてことを考えながら俺は生きている。否定はできないだろ?でも肯定もできない。昔のことを知っているのはその当人だけのはずなのにその当人がわからないって言ってるからね。
え?お前の親が人間ならお前も人間だって?じゃ、俺の親が人間という保証は?もしかしたら人間の形をした猫かもしれないじゃないか。
世の中ってのはこうも脆いものなのか。一つを疑いそれを保証できなければどんどんものを疑わなくちゃいけない。まるでドミノが倒れていくようだ。でもそのドミノもどこかで終わりを迎える。全部倒れ切るか。どこか途中で止まるか。
もし全部倒れ切ればそれは何も保証できなかった、つまり全て妄想ということ。そしてもしどこか途中で倒れることを止めることができれば、それは保証ができたということだ。こうなればもう、その止めれたところより前を疑うこともなく、倒れたドミノももう一度立て直すことができる。
なんて、いろいろ考えながら生きている。でも、本当にそれは正しいのか?間違えたことを考えていないか?自分に問いかける。結局わからない。でもひたすら考える。自分の考えていることに白黒をつけることができる時までずっと。そしていつの日か答えが見える。そしてまた新しい考えが浮かんで人間はまた考え始める。人間ってこうやって生きていると思うんだ。
自己紹介が遅れた。俺は久保田春樹。大学一年生だ。俺がどんな性格なのかというといろんな人から猫系男子と言われる。「我輩は猫だったのかもしれない」と考え始めたのはこれが理由だ。無意識に「にゃ」とか言ってしまうのだ。もちろん、面倒なことは嫌いだ。他人から見てみれば自分が猫だったかどうかを考えるのも面倒なことではないのか?なんて思うかもしれない。でもここはまた話が別になる。考えるということは人間に与えられた素晴らしい能力だと思う。人間が人間たる所以じゃないかと。そしてその考えた結果を試すこともまた素晴らしい。失敗してまた考えることも。思考と試行。この二つは人間の至高の行為だと思う。
家族は俺と妹と両親の4人だ。そして今は俺以外は父の実家へ帰省中だ。年末は毎年家族全員でそこへ行くのが恒例だった。なぜ俺は行っていないのか、それは大学生になったからもう自由でいいよ。と両親が言うからだ。もうお年玉ももらえないだろう。だから俺は行くことをやめて家にこもることにした。ちょうど正午くらいに家を出る3にんを見送る。自分以外誰もいない家なんてとても快適だ。普段は余りできないことをしよう。とりあえず、何も考えずにリビングのソファで寝っ転がる。大学生になってすごく暇になった。1年前の今頃は受験勉強で元旦も勉強していたくらいだ。1年前の自分が今の自分を見たら羨ましがるだろうか?それともだらけている自分に喝を入れるだろうか?そんなことを考えていたらソファの上で寝てしまった。
しばらくして目が覚めた。窓の外には暗闇が広がっていた。時間を確認しようとスマートフォンを確認しようとするとものすごい数の着信が来ていた。時間は午後6時。こんな昼間にこんなたくさんの着信。114件。こんなに着信が来たことがあるだろうか?誰からかを確認すると父の実家からの着信だった。もしかして俺が行かなかったから祖父がすごい怒ってるのかと思った。恐る恐る電話をかけてみた。
「お、おう。春樹か!?」
おじいちゃんの声は緊迫していた。
「そうだよ、おじいいちゃん、どうしたの?」
「いいか、よく聞け」
少し間をおいて
「お前のお父さんたち3にんの乗った車が交通事故にあった」
俺は驚きの余りスマホを落とす。
俺は群馬県の病院へ向かう。母さんたちがそこにいるからだ。
ついた頃にはもう、間に合わなかった。
俺の家族3にんは俺を置いて旅立った。
葬式が執り行われた。赤の他人の葬式に出ている時にはお坊さんのとても眠くなり寝てしまうこともあるのだが今回はただただ涙を流すだけだった。お坊さんの眠い声も今は耳に入らない。神様は残酷だ。俺にこんなにひどい仕打ちをするなんて。俺の大学生になってからの堕落した生活に神様がお怒りになったのか?悪いことは何もしてないはず。俺たち家族が罰を受けるようなことしたのか?
葬式が終わって俺は2階の食事を食べるところへ行く。式の間はあんなに暗そうな顔をしていた大人たちはここに来るととても楽しそうに酒を飲み普段は食べないような豪華なものを食べる。俺にはそれが生きている自分を喜ぶ姿に見えた。俺はそんなものを見ていることが耐えられなくて1階の式が行われたところへ行く。
3にんがそこで眠っている。俺はここで泣き崩れた。そして疲れからだろうか、ここで眠ってしまった。
俺は夢を見た。家族4にんで楽しく夕飯を食べるところ。父さんは酒を片手に少し酔い気味に自慢げに自分の武勇伝を話す。母さんはそれを「はいはい」とニコニコしながら受け流しその様子を見ながら俺と妹がニヤニヤしている。そして夕飯を食べ終えると俺と妹は俺の部屋でゲームをする。しばらくして母が来て妹に勉強するように言う。もう少し妹の勉強に協力しろと俺もきつめに言われる。そんな何気ない時間だ。しかし、それはもう来ない。
朝が来る。別れの日の朝が。国別式だ。告別式を終え、3にんの骨壺をおじいちゃんに協力してもらって俺は家に帰った。
家に帰っても誰もいない。当たり前か。俺の家族はもうこの世にはいないんだ。
おじいちゃんが俺に話しかけてくる。
「おい、ちょっと座れ」
俺とおじいちゃんはリビングのいつもはご飯をみんなで食べる机のところに座る。
「本当はお前が20歳になってから話そうと思ってたんだがな。」
おじいちゃんの目がより鋭くなる。
「実はお前は本当の俺の孫じゃないんだよ。」
「え?どゆこと?」
「言葉の意味だ。お前はお前のお母さんとお父さんの養子なんだよ。」
俺はついに言葉を失った。頭の中が真っ白になる。
「じゃ、お、俺は…」
「これから先、お前がどう生きるかはお前に任せる。もう、大学生だ。十分に大人だろ。」
そしてさらにきつい目をして
「だが、こちらからは援助はしない。俺はあの時養子を取ることに反対したからな」
おじいちゃんは骨壺を持って玄関へと向かった。
「じゃあな。墓の場所が決まったらそれだけは教えてやる。」
そう言っておじいちゃんは出て行った。
俺はこの世界で一人ぼっちになってしまった。
いかがだったでしょうか?
続きが気になっていただけるととてもありがたいです。
初めての投稿なので文字もどう書けばいいのか(段落とか空白の使い方)がイマイチわからなかったところです。
色々とご指摘いただけると幸いです。(でも厳しい言葉だけだと泣いちゃうからちょっと褒めてください(小声))
我輩は猫だったのかもしれない。これは夏目漱石の我輩は猫であるからもちろん来ています。
主人公の春樹はこの思想を…
おっと、これより先は続きをお楽しみに!