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小林千尋編

今回は長くなりました。目が疲れるかもしれませんが、頑張ったので見てもらえると嬉しいです。

私は動けず、ただただ震えていました。

足元に突然魔法陣みたいなものが現れ、動けなくなったからです。

私は臆病だから、すぐに震えだしました。ちかくにいた人達が何事かとちらほら集まってきたので、助けを求めようとしたけど、恐怖で声が出ないです。あぁ…………臆病で怖がりだなぁ…………


恐怖と情けなさで涙が出てきました。誰か助けてください。

身体は動きませんが、首より上は動かせます。必死に助けてくれる人を探しました。すると、目があった背の高いスーツがよく似合う栗色の髪の女性が私の思いに気付いたのか、泣いていたからなのかわかりませんが、私を助けようと手を伸ばしてくれました。でも、その手が私に届くことはありませんでした。

魔法陣に見えない壁のようなものがあり、その手を阻止したからです。

私はさらに怖くなりました。助けようとしてくれても、助からないのではないのか?と考えるととても怖かったです。涙はポロポロでましたが、それよりも恐怖が強く、泣き叫ぶとかはなかったのはまだよかったのかもしれませんが。


スーツの女性の人は見えない壁があるのにびっくりして「な、なによこれ!!まっててね!!絶対助けるから!!!」といい、バンバン見えない壁を叩き始めました。それを見るなり周囲の人達も私を助けようと必死になってくれました。おじいさんや主婦の人、学生さんなど、みなさんが円を叩いたり殴ったり蹴ったりして、なんとか私を助けようとしてくれました。


……筋肉ムッキムキのいかついお兄さんが全力で走って見えない壁にタックルをかまそうと実行したのですが、顔面が見えない壁にベチョっていって、すごく面白い顔になってしまい、周囲が一瞬静まり返ったのは内緒です。…………よく笑わなかったなとみなさんを誉めたいです。


その後も男子高校生が肩車して見えない壁を乗り越えようとしたり、どこからもってきたのか、でっかいトンカチをもってきて見えない壁を殴り付ける人も出てきました。

それらを撮影している人もおり、さらには警察も来て、私の救助に参加してくれました。


私はその間、ただただ震えながらポロポロと涙をこぼしていました。早く助けて!と思いながら。

しかし、それは予期せぬ事態によって、私はもう助からないと思ってしまいました。『あぁ…………これで死ぬんだ…………』と。

何が起こったかと言うと、私の身体が透け始めてきたのです。

つい、私は「ひぃっ?!!」と声を出してしまいました。すると、周囲の人達は何事かと私を見て、私の身体が透けて……いや、消えていってるのに驚愕し、しばらく放心したあと私を助けるのが更に激しくなりました。みなさん、とてもいい人です。見ず知らずの私みたいな臆病を必死に助けようとしてくれるのだから。


私?私はそこで死の恐怖を感じで震え上がり、涙を流しながらただただ必死に助けようとしてくれる人達を見ているだけでした。


最終的には警察の方が「みなさん!!離れてください!!!拳銃で発砲します!!!」といい、拳銃を取り出しました。警察がこんなみなさんの前で拳銃をとりだし、発砲してもいいのか心配になりましたが、私は恐怖と涙で声が出ません。

周囲の人達は、「警察のお兄さん!発砲したらダメなんじゃないの?!」と声をかけていましたが、「この少女を助けるためなら、俺は後でクビになってもいい!今できることをやらないでどうする!!」といって拳銃を構えました。


…………惚れてもいいですか?


そして警察は引き金に指をかけ、発砲しました。


パンッ!!


キンッ!……………………カランカラン……………………


拳銃でも、この見えない壁は破壊できないみたいです…………。


みなさん、「ば、バカな…………」「嘘…………っ!」「ま、まじかよ…………」「そ、そんな!」など、反応はそれぞれでした。


そして、とうとう私の身体が消えそうなとき、最初のスーツのお姉さんが諦めずに私の前の見えない壁まできて壁をバンバン殴り始めました。


「まって!消えないで!絶対助けるから!!」


私は恐怖と涙で開かなくなった口をなんとか動かし、声を出しました。

「た…………たすけ…………」


そこで言葉は途切れました。私が完全に消えたからです。

その後、そのお姉さんがどうなったかしりません。ごめんなさい、お姉さん。必死に助けようとしてくれてありがとうございます。お姉さんが精神的に大丈夫か心配です…………。ふさぎこんでたり、自分をせめたりしてないことをただただ祈ります…………。それと助けようとしてくれたみなさん、ありがとうございました。


それと警察のお兄さん、クビになってないといいな…………




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




私はしばらく真っ暗な世界にいました。初めはすごく怖かったですが、だんだんと収まり、今では涙はかれています。怖いのは怖いのですが。


しばらくすると目の前が輝き始めました。つい「きゃっ!」っと声を出してしまいましたが「ひぃ!」「キタキタキター!!!」という声が聞こえ、私1人じゃないことに安堵しました。

何がキタのだろうか?…………頭の悪い人なのかな?


その後、異世界に召喚されたこと、自分達は勇者であることを綺麗な金髪の王女様や国王様に教えてもらい、ステータスを確認しました。


一緒に召喚された高橋葵さんというかたが、何故か追放されることになりました。私は何を言ったりいいのかわからないのもありましたが、何か言えば私も追放されるかも?と思うと怖くなって「え、ええと…………」としか言えずアタフタしてしまいました。

風間拓也さんの発言にはびっくりしました。この人は嫌いだとすぐに思いました。


それにしても桜ノ宮雫さんはかっこいいなぁ…………はっきり物をいうし、可愛いし、何より高橋葵さんを必死に助けようとしてるのがわかります。

私はそんなに強くなれないよ…………


結局、高橋葵さんは追放されることになり、桜ノ宮雫さんは城に留まるのとになりました。けど、桜ノ宮雫さんは勉強して高橋葵さんの助けになれるように頑張るみたいです。

……かっこいいなぁ。私も桜ノ宮雫さんみたいになれるかな?


ここは異世界だし、私は勇者なんだから、この世界なら私はもしかしたら変われるかもしれない!……たぶん。

ちょっと頑張ってみようかな……。

次回でやっと勇者4人の話はいったん終わりです。

そのあとはまた高橋葵視点になるので、よろしくお願いします。

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