第3話 追放されました。
おまたせしました。
そして言っていた1週間ギリギリ。
すいません
俺はいまだに騎士さんの質問に答えず、天井をみていた。だってねぇ、突然召喚され、魔法適性が存在しないので、何者かって言われてもねぇ…………知らんよ。俺は俺だよ。なんて言ったら聞いてくれるだろう……「俺は俺。」って言っても無駄だろうしなぁ…………
と考えていると思わぬところから助けがきた。
「みな、待て。高橋葵殿も突然のことに戸惑っている。そう警戒するでない。」
そう言ったのは国王様だ。国王の名前はガジード・グラド・ティーゼ。白い髪に白い髭をはやしたどこぞの校長先生みたいだ。顔はいかついが。国王の言葉にとりあえず騎士は剣を下げた。抜件状態だが。
「して、高橋葵よ。お主が何者かは聞かぬ。お主もわかっておらんだろうしな。わしとしては、このまま他の勇者4人と同じ待遇でいいとお「国王様!!こんな怪しげなやつを城においておくなど、危険です!!」…もっておるが、こういう輩もいるのでな。すまんがこちらで少し会議を開き、貴校の処遇を決めようと思う。王の権限を使えば別にいいのだが、わしはあまり権限が好きではなくてな。みなの意見を聞き、総合的に考えたい。しばし待っていてもらえるか?」
この国王様、いい人だな……独裁政治じゃないし、しっかり騎士や大臣達の意見を聞いて、総合的に判断するとは……顔がいかついからてっきり「貴様は追放する!」とか言われると思ってたよ。
葵は会議が終わるまで、別室で待つことになった。他の4人の勇者と共に。
「なんか、大変なことになったね。大丈夫?」
「ん?ああ、大丈夫。ありがとう。」
声をかけてきたのは桜ノ宮雫だ。
「私、すぐに追い出されるかと思ってた。よかった、いい王様で」
と笑顔で言ってきたので、少しドキッとしてしまった。桜ノ宮雫は長いストレートな黒髪で髪型はポニーテールだ。顔はすごく整っていて、目はくりっとしてるし、唇はピンクで少しふっくらしている。正に美少女だった。冷静な性格だと思ってたので、ギャップがすごい。
「そうだな、それは同感。でも、驚いた。君は冷静に判断する性格と思ってたから、話しかけられてびっくりだよ。」と笑顔で言った。称号にも冷静少女ってあるしね。
すると雫は少し顔を赤くして
「よく言われる。私ね、緊張したりしちゃうと表情がかたくなっちゃうの。で、キョロキョロしちゃうから」といったあと、テヘッと顔を少し傾け、微笑んできた。結論を言おう、めっちゃ可愛いかった。
そのあと日本での話をした。彼女は弓道部だったそうだ。まだそんなに上手くないけど、16キロの弓を引くことはできるらしい。女性で16キロはすごいけど、ほんとに引くことができるたげで、矢をつがえたことはないらしい。俺?俺は高校では帰宅部でした。そんな話をしながら待っていると、騎士に会議がおわったと言われたので元のところへ戻った。
「高橋葵、お主をこの城から追放することになった。」
…………は?まてまて、意味わからんぞ…………
「ちょっとまってくださいよ、勝手にそっちの都合で召喚して追放するとか、意味わからないんですけど?」
「そうよ!あんまりだわ!!この人が追放なら私も一緒にいきます!!」
俺が反論したら桜ノ宮雫も反論してきた……けど、一緒にいくっていいのか?それになんで初めてあった人と異世界で一緒にいくって言えるんだ……優しい人なのかな?
でも、桜ノ宮さんはここに留まった方が安全なんじゃ……ここは異世界で何もわからないのに……
そう思い桜ノ宮雫に伝えると、絶対一緒にいく!と頑なに言いはった。
「桜ノ宮さん、それはダメだよ。ここは異世界。俺達はまだ右も左もわからない。そんな状態なのに出ていくのは危険すぎる。だからここで俺と一緒にいた方が安全だよ。それに、そんな不気味なやつほっとけばいいじゃん」
「え、ええと…………」アタフタ
「私は関係ないからパース」
小林さん…………せめてなんか言ってくれよ。林さんはもう無視でいいけど…………風間拓也、ぶっとばすぞ。なんで俺が不気味なやつになってんの?しかも何自分が一番強いみたいな雰囲気を出してんの?俺の方がステータス高いんですけど。バカなの?あ、こいつはバカだったな…………ハァ…………
桜ノ宮雫は風間拓也のことを睨み付けている。
「一緒に召喚された者同士なのに不気味って何なのよ!!!それに危険の話をするなら葵さんに言うべきじゃないの?!!」
「は?何を言ってるんだ?何故知らないやつにそこまでしなきゃならない。それに俺達は勇者だから特別扱いされるのは当然だが、そいつは勇者じゃない。しかも魔法も謎。そんなやつを追い出すのは当然だろ?」
俺も桜ノ宮雫ももはや絶句していた。何をいってるんだこいつ…………異世界に召喚されたことに酔ってるのか?それともアホなのか…………あぁ…………アホだから異世界に召喚されたことに酔ってるんだなぁ……………………
「桜ノ宮とやら、風間とやらの言う通りじゃ。そやつは勇者ではない。勇者ではないなら、城で特別扱いするわけにもいかない。もし特別扱いするなら勇者でないもの皆を特別扱いすることになってしまう。そんな財力、この国にはない。」
「ーーっ!!でもあんまりじゃないですか!!!そちらの都合でーー「その通りだ。なに、何も手ぶらで追放とは言わぬ。50日ほどなら生活できる金を用意する。それが今できる最大の詫びだ。」…………」
…………なんかお金くれるらしいけど、え?俺は追放されることに決定済み?
「すまない。高橋どの。どうか旅が良いものになることを願っている。」
そして俺は城を追放された。城の外まで騎士につれられていき、そこで騎士にゴミを見てるような目で「のたれ死ね」って言われました…………。
あとから知ったんだけど、この大陸の人間は同じ人間ならいいが、亜人、すなわちエルフや獣人に対してすごい差別があるらしい。その差別の対象に俺は入ったみたいだ。……てか、エルフとか獣人っているんだ。
そしてもう1つわかったことが。それは次回に話そう。
展開にだいぶ悩みました。たぶん変じゃないと思いますが、変なら教えてもらえると嬉しいです。