スクランブル交差点 雨天
雨が降っていた。雨といってもぱらぱらと降る小雨で、肩が少し濡れる程度の。黒い艶の無い髪の毛をうなじの辺りまで伸ばした少女は人のごった返すスクランブル交差点の中で突っ立っていた。口を半開きにしてフードを深く被っている。その少女の肩に1人の少女の肩がぶつかった。
「ご、ごめんなさい」
少女は律儀にも謝罪の意を示す。が、フードの少女は聞こえているふうでも無かった。
謝罪をした少女は茶色い髪の毛を肩までのばして、何処かの高校の半袖セーラー服を来ている。茶髪の少女は紙の束を抱えていた。
茶髪の少女は束の中から一枚紙を抜き取ると、フードの少女に手渡して
「あ、あの、こういう女の子を見かけませんでしたか?」
と聞いた。フードの少女は渡された紙を舐め回すように見つめ、首を横に振った。
「そうですか…、この子、私の友達なんです。先月から行方不明で…」
見かけたら教えてくださいね、と茶髪の少女は言い残して人混みの中に消えた。
フードの少女は茶髪の少女の背中が見えなくなるまでじっと、見つめていた。
雨が降っていた。雨といってもぱらぱらと降る小雨。
はじめまして。えびです。なんだか初っ端からよくわからない話になって来ましたね笑
これからも投稿していくのでよろしくお願いします。