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去年の修学旅行で行った、富士◯ハイランドのジェットコースター。
隼人にとって、スリルを経験させてくれるモノは、それが世の中の最上級だと思っていた。
だが、そんなモノ、狂人ドライバーのモンスターマシンのナビシートに比べたら、単なるミニチュア鉄道だった。
異次元の加速に、様々な方向に流れるように回っていくG。
ワープしているかのように流れる景色に、
レールが無く、いつ、何処へ吹っ飛んでいくかもわからない車体。
そして、後輪が空転を起こす度にヒシヒシと感じる、圧倒的なパワー。
日常生活では、絶対に味わう事のない、想像の世界を超えた物理法則の渦の中での恐怖と、麻薬のように甘美な快感。
これこそが、本当のスリルというものだ。
もっとも、助手席は、魔法少女だが。