13
ちょっと某ゲームを想像しながら・・・。
で、始まりました鍛錬。軽くどころかめちゃめちゃ重くなりそうな予感。
「では、よろしくお願いしますね」
いつの間にか用意されていたらしい椅子に座り、これまたいつ用意されたのか紅茶を手に優雅に開始の宣言。ちっ、いつか闇討ちしてやる。
「・・・・アデル、イワン前に出ろ」
「お、俺たちの出番か!!」
「・・・・・・」
ジルに言われて出てきたのは、さっき近寄ってきた団員の先頭にいた2人だった。
アデルといわれた男は、背も高く、顔も厳つい。焦げ茶の髪に同じ色の瞳。例えるならゴリラといった感じの大男。もちろん、無駄の無い筋肉なので、筋肉だるまには見えない。
もう1人、イワンと呼ばれた男は対照的に細い。栗色の髪に緑の瞳。腰に履いた剣といい、まさに騎士といった風貌だ。見た目もそこそこだし。
「お前たち2人で、この2人を倒せ」
「・・・・・2対2ですか?」
「そうだ」
ふっ、舐められたものだ――――――、なんて怒りが浮かぶことは無い。むしろ、2対2だってこいつらを倒せるかどうか分からない。
格が、違う。
いくら私がヤマトの弟子だとはいえ、ただの18の小娘だ。さらに、アルバートは17の少年。くぐった修羅場なぞ数えるほども無い。対して、この2人からは消えようのない血の匂いがする。本当に匂うというより、体に染みついた気配の匂い。まあ、ヤマトの足下にも及ばないけど。
「ハンデとして、アデルとイワンは鍛錬用の剣を使う」
「おい、そりゃないぜ。俺は獲物は斧だぜ」
「・・・・俺はレイピアだ」
まあ、見た目通りの獲物だな。
「待ってください。僕たちは何を使えば・・・・」
「お前たちは得意な武器で戦え」
なるほど、随分と舐められたもので。
さすがに、ここまでこけにされて黙っていられるほど人間出来ちゃいない。気が長い方じゃないんだよ。
「あ~あ、久しぶりに暴れられると思ったのによ」
「・・・・・・」
鍛錬用の刃を潰した剣を振りながら2人はぶつぶつ文句を言っているようだ。
2対2。アルバートの腕は、まだ分からない。が、速度的には私に近い。そして、相手は重量型と速度重視型。となれば、どうする?速度重視型を私か、それとも・・・。
「おいイワン。俺は誰かと戦うのは苦手だ」
「・・・・・俺も」
「ふん、だろうな。なら、俺から行かせてもらうぜ。2人とも仕留めちまったも、文句は言うなよ」
「・・・・・・ああ」
1対2ってか?舐められてる、完全に舐められてる。
「アルバート・・・・」
「ああ・・・・」
お互い武器を抜きながら目の前の大男から目をそらさない。
大男が一歩前に出る。いつのまにか、私たちを中心に円形に人だかりが出来ていた。もちろん、その円のなかには団長もいる。
いやぁ、さすがにここまで舐められたら簡単には引き下がれないだろう?
ジルの右手が挙がる。その手が下がった瞬間、私たちは駆けだしていた。
「・・・・僕たちを」
「・・・・舐めるな!!」
久々、まだまだ亀更新・・・。