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久々更新・・・。なんとなく、騎士たちの戦いのシーンが書きたくて、鍛錬シーンへ向かいます。武将がめっためたに敵を切るゲーム、好きなんです。
団長に連れられて、来ました第2騎士団の鍛錬場。
やはり、見た目からごっついいかにも見かけ倒しです、っていう奴はいないな。スマートでいて、無駄の無い筋肉を持つやつばかりだ。
そんな人たちを前に、緊張気味の少年。可愛いねぇ、初々しいねぇ。って、私はおばさんか!!
「さぁ、今期期待の新人たちです。皆、かわいがってあげてくださいね」
――――――――それは、どういう意味ですか?団長?
さわやかな笑顔で背を押してくださいました団長。押されれば前に出るしかなく、前に出れば、どこか意地の悪い笑みを浮かべた団員たちとご対面。
訂正、こいつら中身はごろつきと同じだ!!
「へぇ、こいつが団長を暗殺者から守った勇者ですか」
「ほっせぇな。こんなんで剣もてんのか?」
「お、お前変わった武器もってんな」
あぁ、私勇者なんて呼ばれてるんだ。知らなかったなぁ。でも、しっかり私がその勇者だと分かるあたり、やはりただ者ではないな。
「まあまあ、そんなに詰め寄っては怯えてしまうでしょう?」
やんわり割って入る団長。その下へ、目の前の男たちとは毛色の違う青年が近づいてきた。
「レイ団長、ただいま戻りました」
「ああ、ジル。ご苦労だったね。ご苦労ついでにもうひとつ、頼まれてくれ無いかな?」
仕事から帰ってきたんだから、休みやれよ。腹黒の上に鬼畜だな。
それにしても――――――。
知らず、表情が厳しくなる。
このジルという男、他の奴とは違う。
「ま、まさか、ジルベルト・ソーヴェルン様!!」
「・・・・・誰?」
「う、嘘だろ!!」
心底信じられない、という顔をする少年。ああ、そろそろ名前で呼んでやるか。
「ジルベルト様といえば、レイ団長につぐ腕の持ち主で、今やそのこの国の双剣と言えば、レイ団長とジル副団長を指すくらい有名なんだ」
へぇ、だからか。纏う空気が違う。そうとう修羅場なれしていそうだし、なにより隙が無い。って、あれ?国の双剣って確か・・・・・。
「あれ?双剣って第1と第2騎士団のことだろ?それなら、第1騎士団団長と、第2騎士団団長を指すんじゃ無いのか?」
私の言葉に、アルバートがはっとしたように息を呑む。
「!!それは・・・・」
「ふふふっ。まあ、大衆は派手なものを好みますからね。あそこの団長より、ジルの方が見た目がいいですから」
それって、自分はその第1騎士団の団長よりも、横にいるジルベルトとかいう騎士よりも、見た目がいいって自慢している訳か。
心底うんざりした私は気づかなかった。そう言われているわけも、その言葉が示す第2騎士団の役割も――――――――。
「で、ジル。頼みというのは、この子たちの実力を見て欲しいんです」
「・・・・・私自らですか?」
「方法は任せます。私が認めても、みなが納得しなければ意味がないですから」
なるほど、私たちが第2騎士団に相応しいかを自分の力で証明せよ、というわけか。ふ~ん、実力主義は嫌いじゃ無い。
「それに・・・・・」
ふいに団長の瞳が私を射貫く。
「・・・・っ!!」
「あの場の力が、全力だとは思えないので」
こいつ―――――――。
顔は変わらず笑っているのに、まるで蛇に睨まれたカエルになったような気がする。
背筋に冷たい汗が流れる。
「私は見たいんです。この子たちの本当の力を、ね」
ヤマト、あんたに言ってたとおり、さっさと帰れば良かったよ。
後悔先に立たず――――――――。
てか、紹介がてら軽い鍛錬じゃなかったのかぁぁぁぁぁ!!
しばらく鍛錬というか、少年たちの実力が試される予定です。主人公、本気を出しませんが・・・・。