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久々すぎる・・・・。そして、やっぱり進まない・・・。
「まさかレイ団長が第2騎士団の団長だったとはねぇ」
「・・・・僕は、それを知らなかったセシルさんに驚きを感じます」
鍛錬場へ向かう道すがらの会話である。
この国には、騎士団が第1から第5まである。当たり前であるが、数字の若い方が位が高い。特に第1、第2は国の双剣と言われる。ゆえんは王家の紋にある。
この国の紋は、王冠を頂いた盾を真ん中に2本の剣が交差している。民を守る盾は王を現し、それを守るように交差した剣は騎士を現す。
そして、第1騎士団は最も王に近い騎士団で、時には近衛騎士とも呼ばれる。第2騎士団は王の住まう城、および城下を警護し、他の騎士団はそれぞれ順番に王都から離れた地を警護する。
で、当然あんな派手で腹黒い団長は第1騎士団だと思ったのだが―――――――。
『2番目くらいがちょうどいいんですよ。いろいろと』
さわやかな黒い笑顔で答えてくださいました。
「第1騎士団は血統主義です。貴族の中でも伯爵以上の出自ではないと入団は認められません」
「あれ?そんな規約あった?」
「いえ、明記はされていませんが、暗黙のというやつです」
なるほど、どこにでもいるもんだ。血による選民思想ってやつは。じゃあ、私みたいなどこの血が混じってるか分からないような奴は嫌われて当然だね。
「だから、一応大会の上位者は入団したい団を希望できることにはなっていますが・・・」
「第1以外ってわけだ」
「はい」
「ところで、君なんで敬語なの?」
「えっ、それは・・・その」
さっきから丁寧に説明してくれるんだけど、何故か全部敬語。少年よ、そんなに年は変わらないと思うよ。
「君、年いくつ?」
「今年17になります」
あ、一つ下だった。ソフィと同じか。ま、変わらない変わらない。
にっこり笑って手を差し出す。
「僕のが一個上だ。でもまあ、同期なんだし、君の方が色々知ってるみたいだし。敬語はいらない。むしろ、僕の方からお願いしなきゃね。僕はこの国の事を知らなさすぎるから」
なにかの陰謀に巻き込まれでもしたら、ヤマトがこの国を滅ぼしに来る。
「これからよろしくお願いします」
「!!・・・こ、こちらこそお願いします。僕、本当にセシルさんにあえて・・」
言いかけてはっとしたように口を閉じる。
「俺、セシルさんに会えて本当に嬉しいんだ。絶対にあなたを越えてみせる!!」
「う~ん、70点。さんもいらないし、僕じゃなくて団長くらいを目標にしなきゃ」
「それはそれは、光栄ですね。私も追われる立場として精進することにしましょう」
耳に飛び込んできた声に降りかえれば、眩しい笑顔のレイ団長。慌てて敬礼する少年。私もそれにならう。とりあえずは。
「二人には期待していますからね。頑張ってください」
「は、はい。精一杯頑張ります!!」
「・・・はい、精進します」
あ~あ、キラキラしちゃって。団長の言葉を素直に受け止められないって、私汚れてるんだなぁ。少年のキラキラの純粋さが眩しい!!
「では、今から団員に紹介がてら軽く鍛錬しましょうか」
そう言って先を行く団長の背に、二人して続く。
――――――――さて、騎士のお手並み拝見といきますかね。
なんとなく話の流れは出来てるんですが、進まない・・・。う~ん、一日が30時間くらいあればいいのに・・・。