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猫の体はあったかい

Q.「何処が不定期なの?」

A.「と、投稿日時が…」


ということで今日もやってきました

ところで毎回読んでくれてる人は居るのか…

まぁ居たとしても居なかったとしても作者は気づけないですけどね!


次最終回です

いつもの如く最終回にはささやかなおまけが用意されてます

暇な方はあとがきまで読んでみてください

ちなみに続編が出るとおまけが消されるので割とお早めに


人物表

ソラ

旅人 魔法使い? 薬だって作れるんだ!


奈々

旅人 剣士? 風邪って怖いですよね


 奈々が風邪をひいた!よくひいたなーとか私も驚きだけれど聞く話では幽霊も風邪を引くらしいのでしょうがないかなぁ?

 風邪…すごいね。

 と、いうことで。


「お粥作ってきたよー!奈々ー!」


 私は特製卵粥を作って宿屋に突撃したのだった。きっとこのお粥で奈々からは暖かな言葉と笑顔が!ついに私にもあの笑顔が向けられる日が来るのですね!おのれ勇者!

 ちなみに私は雑炊派でお粥は苦手。


「…五月蝿い。寝かせて…」

「すみませんでした…」


 現実は時に厳しい…。


「だいじょーぶ?」

「…大丈夫に見えるなら…眼科に…」


 私が聞くと息も絶え絶えに返事をする奈々。ふむ…。


「とりあえず特製粥を作ってきたからご飯にしましょうか」


 なので早速レンゲで粥を掬うと奈々の口元に運ぶ。


「…何?」

「はい、あーん」

「…」

「あーん」

「…」

「あーん?」


 あれ?食欲ないのかな?


「奈々?ちゃんと食べないとよくならないよ?ほら、あーん」

「…あの…んぐ」


 何か言いかけた奈々の口に放り込む。ふっ…油断するのが悪いのだよ。


「美味しい?」


 笑顔で聞く。美味しいよね?美味しくないわけがないよね?


「…変な味がする。何入れたの?」

「風邪薬」

「…」

「…」


 私が答えると奈々が無言になる。なので私も無言になる。


「はい、あーん」

「…あーん」


 レンゲを差し出すと特に抵抗もせずにちゃんと口をあける。よしよし、素直なのはいいことだぞー。


「ねぇ?」

「んー?」

「…ソラは食べないの?」

「…」

「…副作用は?」

「…」

「…」

「…はい、あーん」

「…あーん」


 ごまかしのあーん発動!いや、副作用怖いし。食べたくないし。

 だって私が作った薬だよ!?副作用がなくて何があるんだ!


「ねぇ、レンゲ貸して?」

「んー?いいよー?」


 熱のせいか赤い顔で言ってくる奈々へとレンゲを渡す。ちょうどいい。私もご飯食べたかったんだよねー。


「はい、あーん」

「…」


 この子は何をしていらっしゃるのでしょうか?


「あーん…」


 少し辛そうにレンゲを私の口元に近づける奈々。


「食べれないの…?」


 いやそんな潤んだ目で言われると…でも、その…あの…副作用がですね…。


「ソラ、あーん」

「あーん」


 屈服する私。いや無理でした。ガッテム!


 □ □ □ □


「んー、いい天気!」

「…おはよ、にゃにゃ」


 にゃにゃのが起きたので私も起きる。んー?にゃにが起きたのかにゃー?


「そ、ソラ…」


 彼女はいつも寝巻きとしている海月柄のパジャマを着ており、にゃぜか私の方を見て目を丸くしている。んー?。

 寝ぼけてあまり動かない頭でにゃぜ彼女がそんなに驚いているのか必死に考える。


「ソラ…頭…」

「んー?」


 にゃにゃに言われて頭に手を当てる。

 するとにゃんと!そこにはにゃにやらふさふさとして動く暖かいものが!待てよ…!?確か特製卵粥食べさせられたにゃ…。

 急いで鏡に向かうと、そこにはにゃんと!

 私の起きたばかりで結ばずに下ろしている髪!そしてその上には猫耳が!さらにお尻には尻尾が生えているではにゃいか!!


「に、にゃんでこんにゃことにー!」


 思わず頭を抱えて叫ぶ。あ、猫耳がふさふさでちょっと気持ちいい…。ってそれどころじゃにゃくて!


「ソラ…」

「にゃにゃ…」


 頭を抱えていると、笑顔のにゃにゃが手を掴んで立ち上がらせてくれた。信じてた!私は信じてたよ!


「…シネバイイノニ、シンジャエバイイノニ」

「痛い痛いイタイイタイ」


 折れる!捻ると折れちゃう!変にゃ方向に曲がっちゃう!


「で、どうにかできないの?」


 腕が変にゃ方向に曲がってにゃいか確かめていると、にゃにゃが真面目にゃ顔で聞いてきた。うむ。


「お気の毒ですが…やめて!腕つかまにゃいで!」


 腕を掴むにゃにゃへと私が必死に懇願すると、にゃにゃはすごい勢いで顔を背けた。


「どしたのー?」

「い、いいから!どうにか出来ないの?」

「ふっふっふー…」


 不気味さを演出しようとがんばって不気味そうに笑う。笑うたびに耳がひょこひょこ、尻尾がふりふり。

 ちらりとにゃにゃの方を見ると、真っ赤な顔で天井を見ていた。


「ダメだこりゃ…」


 思わず失望して頭を抱える。がんばったのに…がんばったのに…。


「ソラ…がんばって…ね?」

「にゃにゃ…」


 何とかくじけそうににゃる心を奮いあがらせて私は再び立ち上がる!


「こんなこともあろうかと!」


 ビシィ!と指を突きつける。ここにはにゃにゃ以外に誰もいにゃいのでしょうがにゃく窓に向かって。


「解呪の呪文を用意しておいたのさ!」


 決まった…。


「ね、ねぇソラ!その尻尾にリボンとかつけない?」


 にゃにゃがふりふりとゆれる私の尻尾に視線を向けにゃがら言った。


「もうダメだ…」


 その言葉を聴いた瞬間、私は頭を抱えた。決まったと思ったのに…完全に決まったと思ったのに…。


「ソラ…がんばって…ね?」

「にゃにゃ…」


 なぜかリボンを用意しているにゃにゃに励まされて再度立ち上がると呪文を唱える!


「我がにゃの元に命ずる!にゃにがにゃんでもにゃんとかにゃる!」

「…」

「…」


 唱えるけれどもにゃにも起こらない。あれー?呪文間違ったかにゃー?


「わ、我がにゃの元に命ずる!にゃにがにゃんでもにゃんとかにゃる!」

「…」

「…」

「…ううっ」


 にゃに起こらずに部屋のにゃかを沈黙が支配した。思わず頭を抱える。ダメじゃん、私…。


「そ、ソラ!大丈夫だからね?ほら!元気出して!」

「にゃにゃ…」

「きっと呪文が間違ってたんだよ!ね?」


 何処となく赤い顔で言うにゃにゃ。そ、そうかにゃ…?そこまでいうにゃら…。


「我がにゃの元に命ずる!にゃにがにゃんでもにゃんとかにゃる!」


 再度私が唱えると、にゃにゃは真っ赤な顔をしたまますごい速度で上を向いた。

 そして私はすごい勢いで頭を抱えた。


「い、今のは…ヤバイ…ヤバイって…」


 上を向いたにゃにゃがにゃにか呟いていたけれど、正直それどころじゃにゃい。

 どうするんだコレ…。


 □ □


「…で、他に方法はないの?」


 しばらく落ち込んでいると、上を向いていたにゃにゃが話しかけてきた。他の方法…。無意識で尻尾を振りにゃがら考える。ああ、そういえば…。


「そういえば春のにゃにゃ草粥で解呪された気がするねー」

「ふーん、じゃあ七草粥を作ればいいんだ…で、七草って何?」

「…」

「…」

「…もしかして?」

「…私もしらにゃい」


 □ □ □ □


 情報を集めるにはいくつかの手段がある。

 一つは酒場で飲んでる人たちから聞き出すこと、二つ目は情報屋に対価を払って依頼すること、そしてもう一つが…


「ここが資料館かー」


 にゃにゃが古びた大きな館を見上げて言った。もう一つは、自分で調べること。

 結局、どっちも春のにゃにゃ草を知らにゃかったのでお財布の中身に切にゃさを覚える私たちは自分で調べることにした。

 酒場は論外、人の多いところは遠慮したい。

 にゃにゃの提案で猫耳は帽子に、尻尾はコートで隠してある。どっちも動かすたびにざらざらして非常に居心地が悪い。


「それじゃ私はあっちの方を調べてくるから、何か見つかったら教えて」

「あいあいー」


 薬草のところを調べるにゃにゃを見送ってから、私は和菓子コーナーへと足を運ぶ。


「何か見つかったー?」

「まだー」


 遠くの方で聞こえてくるにゃにゃの声に返事をしながら、目に止まった和菓子100戦を手に取る。和菓子の戦いを描いた壮大な本で大ベストセラーを記録しているとかにゃんとか。

 ちにゃみに資料館にゃいは私たち以外にお客が誰も居にゃかったから、普通に声で連絡を取り合ってる。


「何か見つかったー?」

「んー…見つかんにゃいねー」


 第76話、ぜんざいと洗剤の戦いを読みにゃがらにゃにゃに返事をする。


「へぇー…見つかんないんだ」

「うん、意外とにゃいものだねぇ」


 本から目を離さずに、私の後ろから聞こえてくるにゃにゃに返事をする。…後ろから?


「人に探させて読む本は面白い?ソラ?」


 にゃんと!そこには笑顔で1冊の本を振り上げているにゃにゃさんの姿が!


「すみませんでした!」


 すかさず頭を下げることで必殺!角の一撃!を避けつつも土下座をする。必殺!角の一撃!の風圧で私の帽子が吹き飛んだが、そんにゃことはかまっていられない。必殺!角の一撃!はむちゃくちゃ痛いのだ!


「…」

「…」


 何時来るかわからないので、そのままの体勢で数秒経過。耳と尻尾はぷるぷる。


「…?」

「…っ!」


 やけににゃがいので不思議に思って顔を上げてみると、赤い顔をしたにゃにゃが顔を背けた。


「どしたの?」

「っ!?…春の七草見つけたよ」


 にゃにかに耐えるようにしているにゃにゃに声をかけると、彼女は1冊の本を差し出してきたので受け取る。

 うむぅ…和菓子100戦は名残惜しいけれど仕方にゃいか。

 どれどれー?

 春のにゃにゃ草とは7種の野菜を云々…ここはどうでもいいね。

 あ、ここかにゃ?春のにゃにゃ草は、(せり)(なずな)御形(ごぎょう)繁縷(はこべら)、仏の(ほとけのざ)(すずな)蘿蔔(すずしろ)である。

 ふむ…にゃるほどさっぱり意味がわからない…。


「わかる…?」

「…一応絵が載ってるからこの本を頼りにして探そっか。とりあえず、八百屋とかで買えるものは後回しにしてその辺に生えてるものから探そ」

「うん」


 □ □ □ □


 川原にあるらしいので来てみたけれど…それらしい草は全く見つからない。


「ないねー…」


 どこか楽しそうに拾った猫じゃらしを動しているにゃにゃが呟く。


「だねぇ…」


 その猫じゃらしをタシタシと尻尾で叩きながら私が返した。それにしても…。


「あの…にゃにゃさん?」

「んー?」

「それを動かすのやめて欲しいんだけど…」


 私は揺れる猫じゃらしにタシタシ反応してしまう尻尾を見ながら言う。…見えないけどたぶん耳はひょこひょこ動いてるんだろうな…。


「何でー?」


 揺れてる尻尾を見つめながらにゃにゃが言う。にゃんでって、いや…その…。


「尻尾が…反応しちゃうんだけど…」

「ふーん」


 ふーんってそれだけかよ!


「ん、それじゃ」


 手を止めて、にゃんだかすごい笑顔でにゃにゃが言った。…嫌な予感がする。


「その耳に触らせてくれたらいいよ?」

「…」

「…」

「嫌ならいいんだけどなー」


 再び動くにゃにゃの手、そしてまたタシタシし始める私の尻尾。…私に選択肢はないのか…。


 □ □ □ □


「見つからなかったねー」


 結局夕方になるまで私の耳やら尻尾やらを触りまくり、どこかご満喫とにゃったにゃにゃが言う。



「…ホントに見つかんなかったね」


 にゃにゃに尻尾やら耳やらを触られまくった結果、腰が抜けそうになったり魂が尽きかけそうになりながらも何とか答える。真面目に探してたのは最初だけだったようにゃ気がするけど…


「このままじゃずっとこうだねー」


 すっごい笑顔で私の尻尾を眺めながらにゃにゃが言う。…それだけは何としても阻止せねば!


「と、とりあえず買えるものだけでも買っておかない?」


 このままだと何も進展がなく一日が終わる!


「…まぁ、いいけど」


 どこか不満そうだけど、にゃんとかにゃにゃの了承を得たので、八百屋へと向かう。草といったら八百屋でしょう?

 そしてそこで私は見つけてしまった!

 今までの努力をすべて無にする魔の商品を!


「おお…!」

「ああ…」


 嬉しくてしょうがない私の声と、どこか残念そうなにゃにゃの声が八百屋の店内に響いた。こ、これはまさしく…!


「春のにゃにゃ草セット…」

「…え?」

「…」

「…」


 今までずっと隠してきたのに!最後の最後で油断した結果、八百屋のおじさんに聞かれてしまった。


「ソラ…ほら、元気出して…」


 最後の最後でミスをして落ち込んでいる私にとって、頭を撫でて来たにゃにゃの手の感触だけがやけに優しく感じられた。

[予告]


 地球に隕石が降ってくる!?

 生命が滅亡するまで残り80時間!

 刻一刻と近づくカウントダウンの末にメリー博士の出した結論とは!?

 そしてメリー博士の隠されていた秘密とは一体!

 果たして空旅の最終回はブレイクユメちゃんにブレイクされてしまうのか!?

 新番組!~不幸少女ブレイクユメちゃん~お楽しみにー


ラスト1作の予定ですが、暇な方はお付き合いください


ではでは、少しでも楽しんでいただけたら幸いです

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