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時計はカチコチ見つめている

やぁ、とりあえずこの前書きはサービスだから読んで欲しい。

うん、また連日投稿なんだ。すまない。

仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。


でも、この名前を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない

「またお前か」みたいなものを感じてくれたと思う。

殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい


そう思って、この小説を投稿したんだ。


さぁ、人物表を見ようか


ソラ

旅人 魔法使い? 回を増すごとにキャラが変わって行く!


奈々

旅人 剣士? この子は回が増すごとにキャラが安定しない!


エウナ

吸血鬼 別の作品の主人公

 ある日の新月の夜、一人の少女と一人の女性が向き合っていた。少女は背中ほどの黒い髪をしており、女性は腰まである青みの掛かった銀色の髪をポニーテールに結んでいる。


「何で私を生かしたの…?」

「何かご不満?結構便利だと思うのだけれど…まぁ、私がいないと死ぬっていう欠点はあるけれども」

「…不満だって?」


 私が彼女へとそう聞くと、奈々は私を強く睨みながら大剣を取り出した。


「私はこんな体になってまで生きたくなんて無かった!」

「そう…」


 叫ぶ奈々をぼんやりと眺める。ならば死ね、とは行かないのが世の中の辛いところよねぇ…それにしても元気だ。


「さっきの質問の答えになるけど…」


 そこで切ると私は彼女から視線を外して空を見上げた。


「何となく、かしらね?」


 本当は素質があったからだけど、彼女にそれを伝える必要は無いでしょう。

 彼女は見えないもの、存在しないものも殺すことが出来る。いつだか見えるから殺せるって言う子と一緒に過ごしたことがあるけど…見えるから殺せるのと、見えなくても殺せる、結果は一緒でもこの2つにはかなりの違いがあるわね。

 …だから私は彼女を選んだのだし。


「何となくだって…?」


 その私の答えを聞くと奈々が静かに呟いたので、ぼけーっと彼女の黒い髪を見つめる。


「何となくでお前は!」


 奈々は叫びながら私との距離を縮め、大剣を横に振るった。

 私はその攻撃を後ろに避けてから剣が再び振るわれる前に密着し、その細い腕を掴むと奈々を投げた。…まだ弱いわね。


「いい?私はこれから君に色々なことを教える」


 地面へと叩きつけられた奈々を見下ろしながら告げる。


「戦い方や食料の確保の仕方、お金の稼ぎ方からありとあらゆることを教えてあげる。そして全部教えて私よりも強くなったら…」


 睨みつけてくる彼女に向かってくすりと微笑みかける。


「そのときに選ばせてあげる。私と一緒に生きるか、それとも私を殺してあなたも死ぬか」


 私がそういうと、奈々は微笑んでる私に向かって笑い返してきた。


「ふーん…それじゃそのときが来る前に答えてあげる。私はあなたを殺す」

「…楽しみにしてるよ」


 ええ、本当に。


 □ □ □ □


 薄暗い森の中をホクホク顔で歩く。


「大量たいりょー」


 手に持ってる籠の中には3匹の魚、1匹も取れないときもあるのだし…思わず声も漏れるって物よ!

 食材も手に入ったことだし、後は森の外で食材を買って待っているはずの奈々の下にレッツゴーすれば後は素敵な夕食が待っている!


「んー…」


 と思ったけど…ここは何処だろう?

 帰り際に二つ道を見つけたから思いつきで行ってみたところ…完全に場所がわからなくなった。つい行っちゃうんだね。

 とりあえず迷ったときは勘で進むべし!ということで直進!どこかに着けば儲けもんだね!まぁ、困ったときは奈々が見つけてくれるでしょうし。何とかなる何とかなる。

 そうこうして直進していると人が数人倒れているではないか!第一村人はっけーん!いや、村じゃなくて森なんだけど。

 早速近づいて観察してみる。

 倒れている人たちは…聖職者か何かかな?聖書っぽい本とかあるし、服とかそれっぽいし。

 上手く判断できないのは彼らの服は血で赤く染まっており、さらに1人1人に切り傷か打撃の後が見えるから。

 うむ…ドレが致命傷かわからない数の傷だ。犯人はよほどの恨みがあったようだねぇ…とかどこかの探偵のように悩んでみる。いや、実際大きな傷は1つで他は擦り傷とかなんだから致命傷もそれなんだろうけど。


「生きてますかー?」


 念のため声を掛けてみる。うん、反応なし。コレは死んでるね。

 ということで道半ばで倒れた彼らのために少し祈ってから、早速荷物を漁る。ここまで行くともはや探偵じゃなくて泥棒か強盗の類だけれど気にしない。私…旅人なのよね。

 食べるためにはお金が必要。死体は物を食べないのである。


「ん…?コレは…」


 漁っていたら興味深いものを発見。とりあえず保留にしてお金になりそうなもの、もしくは食べれそうなものを捜索。

 うん…うん…何もない。見事に何もない…。

 結局最初にみつかった物意外はめぼしいものが皆無だった。まぁ…予想はしてたけどね。

 これ以上彼らに付きまとっていても仕方ないので立ち上がって歩き出す。死体は埋めない。放っておけば誰かが食べるでしょう。

 とことこ、とことこ、と歩いているとまた倒れ人はっけーん!

 倒れて居る人は今度は金髪で長い髪のドレス姿の女の人。ドレス…?森の中なのに…?

 こいつはお姉さん嫌な予感がぷんぷんするぜ!

 観察をすると女性のドレスはぼろぼろで血だらけ、さらに白く綺麗な肌は血だらけ。


「生きてますかー?」


 今度は先に声を掛けてみる。さらに彼女は手ぶらだからすることもない。まぁ、生きてるんだろうけど。


「…生きてるわよ」


 声を掛けて観察すること数分。彼女のほうから声がした。


 □ □


「助かったわ」


 とりあえず適当な広場まで彼女を背負って応急処置をすると、彼女は呟くようにぽつりと言った。


「いえいえー、私に困っているものを見捨てることは出来ない!」


 ただし死んでいるものは除く。まぁ、祈ってあげたからちゃんと成仏するでしょう。

 彼女はそのまま黙り込んでしまったので、割りと暇になった私は適当に落ち葉を集めると強く集中!

 するとポンっとピンポン玉くらいの火がついたので、急いで拾い木をくべて大きくする。そして籠の中の魚に串を刺してセット!

 後は待つだけで食事の出来上がり。ホントは奈々と食べようと思ったけれど…まぁしょうがないか。


「今のは?」


 私がそうやってご飯の準備をしていると、彼女は意外そうに火の方を見ていた。


「んー?魔法?」

「…随分と小さいのね」

「苦手だからねー」

「ふーん…そうなの」

「うん、そうなの」


 真面目に勉強してない魔術師なんてこんなものさ。


「…動かないで」


 しばらく二人でぼけーっと火を見つめていると、突然彼女が立ち上がっると私にそう言った。…動くなとな?何かあるんだろうか?

 私が不思議そうに彼女を見つめていると、突然彼女の回りに2人の男が現れた。タブン男でしょう。影でよく見えないけど。


「…やけに堂々と来るのね?」


 彼女がそう聞くと、2人は何やらよくわからない言葉で答えた。…たぶん異国の言葉カナー?

 言葉はわからなくても雰囲気は伝わってくる。というよりこの連中殺気ばりばりである。少しは忍べ、もしくは自重しろ。

 何にしても殺気があるなら話は別。幸いこっちには気を配ってないみたいだし…。

 私は素早く銃を抜くと、何かを言っている2人の頭へと撃ち込んで黙らせる。無視するな。


「ごめん、手が滑った」


 倒れていく彼らに対して決め台詞までしっかりと告げる。決まった…。


「…バカ!せっかくあなたは平気そうだったのに!」


 と思ったら怒られた。あるぇー?撃っちゃダメだったかなー?

 ダメかと思って倒れたほうを見ると、彼らは何やら怒った顔で立ち上がっていた。やっぱり死なないかー。


「…ああもう!」


 彼女はそう叫ぶと一人を殴り飛ばして、もう一人の首をもぎ取った。おー、強い強い。何で倒れてたのか気になる強さだねぇ。

 それじゃ彼女だけに戦わせるのもなんだし私も働こうか。長引くとお魚焦げちゃうし。


『わが名の下に命ずる』


 ということで片手を上へとあげると振り下ろす。この程度なら杖の補助も呪文を口に出す必要もない、そもそも杖は持ってない。ペンダント1つで何でもするどこぞの弟子とは違うのだ。

 私が心の中で唱えると、細い光る棒のようなものが何本も降り注いで吹っ飛んでいった1名を串刺しにした。


「…あなた、何者?」


 灰となっていく彼らの方を最後まで見ずに女性が聞いてくる。


「自己紹介が遅れたね。私はソラ、たぶん100年くらい先の旅人かなー?」


 さっき見つけた死体が持ってた時計の日付は大体100年前だったし。


「そう、私はエウナ。訳あって旅してる吸血鬼よ」


 あれれ?


「ほぅ、驚かないんだ」

「十分驚いてるわよ、それにしてもあなたも逃げないのね」


 そんな微笑みながら言われてもなー…。まぁ、吸血鬼ってのは驚きだったけど。


「襲うならとっくに襲ってるでしょ?」


 私がそう言うと、彼女は面白そうに笑った。


「あなた面白いわね」

「いえいえ、あなたほどじゃないかと?」


 少なくとも私は吸血鬼を1発で殺せる吸血鬼は知らないぞ?


 □ □ □ □


 自己紹介も終わったので、二人で火を囲って魚を食べる。エウナは食べないらしいので私で3匹分。わーい!


「まぁ服とかぜんぜん違うし…何となくそうじゃないかと思ったのよ」


 エウナは私に微笑みながらそう言った。…つまりはほとんど勘、と。世の中変な人も居るんだなー。人じゃないけど、私が言うことでもなさそうだけど。


「それでエウナは何で旅してるん?」


 共に同じ食事を取ったもの同士、打ち解けるのに時間は掛からない!例外も当然居るけど。吸血鬼が旅をする理由…何となくすごそうでワクワク!


「んー…私は安息の地を求めて、かしらね?」


 予想以上に枯れた答えが返ってきた…。


「あなたは何で旅してるの?」

「んー…」


 私が旅してる理由かー。


「私は色々見て回るためかなー」


 まぁ、大体間違ってはいないだろう。


「…見るだけ?」

「うん、見るだけ」

「そう…」


 私がそう答えると、エウナは何かを考える仕草をした。

 彼女が無言になったので2匹目の魚に手を出す私。


「ねぇ」

「んー?」


 私がパクパクもぐもぐ骨がいてぇ!とやっていると、何か考えてたエウナが話しかけてきた。


「もしも昔に戻れたとしたら何がしたい?」

「何がしたい?」


 いまいち言葉の意味が飲み込めなくて聞き返す。そして飲み込んだ骨が喉に刺さってて痛い。


「んーと、あの時のあの場面に戻れたら未来が変えれるかもしれないじゃない?もしもそういうチャンスが来たら、あなたはどうするの?」


 なにやら真剣な顔で聞いてくるエウナ。うむむ…もし戻れたらどうするか…?つまりは今が変えられるってことか。まぁ、そう言われてるんだけど。


「見て回る、かなー?」


 色々考えたけど、コレが正解だと思う。昔の私なら何とか未来を変えようとしたかもしれないけど、今の私なら何もしないで見るだけでしょう。


「…そう」


 私の答えを聞くと彼女はまた何かを考え始めた。

 このままだと焦げるので3匹目も回収。その結果両手に魚という夢のような条件が成立。


「どうかしたの?」


 あまりにも考えているので聞いてみる。悩みは聞かなければ解決ないのだ!


「ん…いえ、ちょっと…ね」

「明らかに何かあるような顔で言われてもなー…」


 私がそう言うと彼女はどこか諦めたような顔で空を仰いだ。


「まぁ、アレよ。ここからは私の考えになるけど…気を悪くしないでね?」

「んー?」

「あなたは過去を改変する気がない、だからここに居られる」

「…ほうほう?」

「つまりあなたにとっては過去も未来も今も一緒のこと。100年前だろうが1000年後だろうが、あなたは気づかないし、気づいても変わらないのでしょう?」


 …へぇ?


「旅の目的は見て回るだけ、って言ったわよね?それってつまり生きてた証を残さないってことでしょ?つまりそれって…」


 あなた、生きてないのに旅してるみたいね。最後に彼女は私へとそう言うと、どこか悲しそうな顔をした。…なんであなたがそんなに悲しそうにするの?


「…ごめんなさい、変なこと言ったわね」

「いえいえ。なかなか的を射た話だったかと?」


 過去も未来も一緒だから移動も出来ると…なるほど、何処となく魔法の理屈と似た辺りがあるねぇ。


「まぁ、何にしても」


 私は最後の魚の骨を焚き火に放り込んで言う。


「その理屈なら私は帰れるってことよね」


 だって元の世界には彼女が…奈々が居るのだから。

 過去にも未来にも彼女はいない。それだけで帰る理由は十分にあるでしょう?


 □ □ □ □


 エウナと一緒に過ごしたのはどれくらいだったか…まぁ、何日でも面白かったからよしとしよう!

 私たちの目の前には2つの道、何となくだけど来たときと同じく片方は戻れるんだろうねぇ。問題はそれがどっちか…だけど。


「あなたはどっちに行くの?」


 困ったときは聞くに限る。彼女と別の道を行けば外れはないという考え。


「私は…こっちかしらね?」


 エウナは少し考えると片方の道を示した。なるほど…


「それじゃ私はこっちにしよう」

「あなたって随分と適当なのね…」

「何とかなるさ!」

「そう、まぁ気をつけなさい」

「お互いにね」


 一緒に過ごしている間にわかったけれど、彼女は結構狙われているらしい。寝込みを襲われたことも一度や二度ではない。いったい何をやったのやら…。


「あ、そうそう。コレ、貰ってくれる?」


 私はそう言ってポケットにあった時計を差し出す。いつかの死体からありがたく貰ってきたもの。


「…?ええ、いいわよ」

「どうもー」


 時計のせいで帰れなかった、とかいう事態になると面倒だし。奴らはマイペースに正確に時を刻むから意外と厄介。


「出来れば会いたいものだねぇ」

「出来るならもう会いたくないわね」

「それは残念。あなたのこと好きだったのに」

「私もあなたのことは好きよ?」


 ふむぅ?私が意味を考えていると、彼女は察したのか笑いかけてきた。


「好きだから会いたくないのよ。あなた、碌な生き方しなさそうだし」

「ああ、なるほど…」


 その言葉を聞いた瞬間。私はなぜか嬉しくなって笑いはじめた。


「それじゃ行くね。名残惜しいけど、ここでお別れ」

「ええ、私も行くわ。お別れの涙はいるかしら?」


 そして二人で笑い会うと、ぱちんとハイタッチを交わす。


「「願わくばあなたに幸福があらんことを」」


 そして私たちは歩き始めた。

 エウナは平穏の地を求めて。

 私は奈々のところに帰るために。


 □ □ □ □


 エウナと別れた後、しばらく歩いていると森から出れた。


「ソラ!」


 私が出ると、どこか心配そうに辺りをきょろきょろとしていた奈々が駆け寄ってきた。ふむ…奈々が居るってことはちゃんと戻れたみたいねぇ?


「どれだけ掛かってるんだ!バカ!」

「ごめんごめん」


 怒る奈々にそう謝ると森のほうを見る。


「ちょっと友人と話し込んでてね」

「友人?」

「ええ、友人。あ、そういえば…どのくらい待った?」

「んー…大体1時間くらい?」

「それは待たせたねぇ…」

「ホントだ…バカ」


 ぷりぷりと怒りながら隣を歩く奈々の頭をなでながら歩き始める。そうバカバカと連呼するでない。それにしても何か忘れてる


「そういえばソラ?」

「んー?」

「…食材は?」

「あ…」


 私食べ物探しに森に入ったんだっけ…。


「…晩御飯どうするのよ」

「…どこかで食べよっか」


 たまには魚以外が食べたいし。


何故私は5日目突入しているのか!

それは私にもわからない!

だがコレだけはいえることがある!

このシリーズはあと2作で終わると!


エウナさんのその後が見たい方はくらげって可愛いですよね!でも読んでください


追伸

リアルタイムで読みたい人は日をまたいでから確認するといいと思いますよ


では後2作となります

今回もお付き合いいただきありがとうございました

少しでも楽しんでいただけたら幸いです

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