返事が無い、ただの屍のようだ
4日連続は無いといったな、アレは嘘だ!
というか楽するために不定期更新にしたのに何故私は毎日更新しているのか!
Q.「何処が不定期なの?」
A.「投稿時間が不定期じゃないですか!」
5日連続は無いと信じたい…
というかこのペースだと過去最速でのシリーズ完結とかしそうです
ナニソレコワイ
人物表
ソラ
旅人 魔法使い? ここに書くことが無い!
奈々
旅人 剣士? まだ出会って間もない頃の奈々さん
私が火をおこしていると、ワンピースの少女が魚を手に近づいてきた。少女の首には何かのネックレス。びくりとも動かない無表情っぷりがなんとも言えない人形らしさをあらわしている。
「おー、ちゃんと教えたとおり獲れたんだねー」
彼女から魚を受け取って頭をなでるけれども、首を縦に動かすだけで表情が全く変わらない。うむぅ…出会ってから結構経つけど、どうにかして笑わせれないものかねぇ?
でも一応コミュニケーションは取れるからいいかなー?
そのまま彼女が獲ってきた魚を焚き火へと並べて一緒に眺める。
二人とも無言なので、しばらくの間ぱちぱちと焚き火が鳴る音だけが響いた。
「ねぇ、○○○?」
「っ!」
その言葉を聴いた瞬間、私は半分無意識に彼女のことを殴り飛ばす。
無抵抗で、まるで人形のように吹っ飛んでいく彼女。
「…その名前で、呼ばないで」
私は静かに、勝手に激しくなっていく動悸を抑えるように呼吸しながら倒れている彼女へと告げる。
すると私の何が面白かったのか、彼女は突然笑い始めた。
「…何がおかしいの?」
何がそんなに面白い。
「いえ、こんなにもあなたが人間っぽいのは初めて見たものですから」
おまえと一緒にするな。
「…それはお互い様でしょ」
私は、あなたと違って笑うことは出来るわよ。
「ねぇお姉さん?」
彼女は立ち上がると、口の端から血を流しながら笑顔で私の方を見る。まるで人形のようだったさっきまでとは全く違う、まるで何もかも見通しているような満面の笑みで。
「ボクは、あなたが好きですよ」
「そう、残念だけど私は君が嫌いだよ」
楽しそうに笑う彼女にそう告げると、私は治療をするために荷物を漁りだした。
その後、夜の森で彼女の笑い声と焚き火がぱちぱちと鳴る音がしばらく響いた。
□ □ □ □
「この道を少し行くと村があるらしいねー」
「…」
私は地図を片手にあまり舗装されていない道を奈々と一緒に歩く。
「村なんて何日ぶりだろうねー。なんにしてもやっと野宿からは開放されるわけだ!」
「…」
私は何度か奈々に話しかけてみるけれども、彼女は無言で無視を続けている。まぁ、嫌われてるのは知ってるから当然の反応かな?
「美味しいものいっぱいあるのかなー、奈々は楽しみ?」
「…五月蝿い、少し黙って」
何度か友好的なコミュニケーションに挑戦してみた結果、怒られた。…コミュニケーションって難しいね。
「はい…」
これ以上怒らせると拙いので無言で歩く。私が喋らないから当然、奈々も無言。
そのまま二人とも無言でテクテクテクテクと歩いていると、突然視界が開けて何件かの家が見えた。
「…村?」
「たぶん…?」
奈々が隣でポツリと呟くので返答をしておく。疑問系なのも無理はない。何せ数件の家以外は濃厚な霧が立ち込めていてまったく見えない!
というか、ここ人居るの?気配が全くしないんだけど。
「廃墟…じゃないよね?」
奈々もおんなじ感想なのか、少し戸惑った様子で呟いている。まぁたとえ誰も居なくても手入れがされてなくても家があるのはひじょーに大きいのだ!
「…行くの?」
「まぁ、仮に廃墟だとしても野宿よりはマシでしょう?」
「そりゃそうだけど…」
むむ、なにやら不服そうな様子!どれどれ?ここは時に魔法使いと言われたこともあったりする私がズバッとビシッと解決してあげましょう!
「どれどれ?何か腑に落ちない点があるならお姉さんにどーんっと言って見なさい!」
「…連れがバカで五月蝿くて困ってる」
…私、泣いていい?
□ □ □ □
結論から言うと人は居た。宿屋があったのだから当然である。
「ここです…」
私たちを部屋まで案内してくれた店主が呟くように言った。それにしてもこの人むちゃくちゃ青白いけど、ちゃんと食べてるのかな?
「おー、まともまとも」
たとえ店主が無愛想でも街に気配が無かろうと宿屋は宿屋!それなりにまともな部屋ねー。
「奈々ー?何処行くのー?」
「…何処でもいいでしょ」
「そ、そう…」
ベットにダーイブしている私に向けられる冷たい視線と言葉。そっちの人たちなら喜ぶかも知れないけど。私は違うのよね…。
飴玉を口に入れてからぼけーっと窓の外を見ると歩いていくワンピースの少女が見えた。アレは奈々ね。
それにしても後ろから付いていってる人は何なのかしらねー?もしかしてファン倶楽部!?私というものがここに居るのに奈々に付きまとうとは…。
それにしてもゾンビみたいな動きね。ちゃんと食べてるのかしら…ん?
「あいあいー」
突然我が部屋をノックするのはだーれかな?
ドアを開けると男の人が斧を振り下ろしてきたので素早く体を開いて避けると、そのまま拳を叩き込んだ。
そのまま銃を抜くと、廊下に倒れている彼の両足を撃っておく。
こんなもの効くかどうかわからないけど念のため。でもここに来たってことは…奈々にも行ったわね…。
そこまで考えると、すかさず廊下の奥で斧を振り上げていた輩に数発打ち込む。
やっぱりというか当然というか、連中は弾が当たっても少しよろけるだけでそのまま斧を投げてきた。
とりあえず飛んできた斧を結界で弾いてから強化符を発動、そのまま窓ガラスを撃って外へと飛び出す。
着地と同時にナイフを抜くと、茂みから飛び出して来た女性へと突き刺した。
相打ちで包丁が肩に刺さったけれど気にしない。そのままナイフを媒介にして結界を強引に発動させて女性を引き裂く。
「あー…今日は厄日ね…」
私は吹き出ている何かの黒い血を浴びながら口の中の飴を噛み砕くと、奈々の下へと走り出す。とにかく今彼女が殺されるのは拙い。
女性が倒れていた場所には、黒い血溜まりがあるだけだった。
「ちょっとなにすんのよ!」
幸いというか何というか、奈々の位置は彼女の怒鳴り声で把握できたのでそこまで走りまわる必要はなかった。いつもこういう風に見つけやすいといいのだけどねー…。
「…ソラ?」
私を見つけて目を丸くしている奈々にウインクをしてから、鍬を振り上げてる奴の腕を飛ばしてから蹴り飛ばす。そのまま蹴りを入れた回転を利用して振り向くと奈々を捕まえている奴の頭に弾を数発プレゼント。
「待たせたわね、とにかくここは拙いから行きましょう?」
倒れていく男を最後まで見ずに奈々の手を取ると、2度目の強化符を発動させてまた走り出した。
□ □
「ここまでくればいいかな…?」
何処かの民家にお邪魔中。緊急事態なので鍵は壊させていただきました。
念のため窓から辺りを見渡すけれども、なにぶん霧が濃くてよくわからない。あの連中は気配もしないし。
「何なのよあいつらは…」
結構な速度で走ったのに、息切れ一つなく付いてくるのはさすがというところか。
「たぶん死霊ね、似たようなのを何度か見たことあるわ」
まぁ、当たらずとも遠からずでしょう。
「死霊?」
「トラップみたいなもの。こういう風に廃墟になっている村とかに設置して人間を狩るための」
「何でそんなことを…」
どこか驚きながら聞いてくる奈々。何で…ね。
「今、人と魔物で戦争してるのは知ってるでしょう?つまりここは私たちみたいな旅人を誘い込んで殺すための場所よ。そして殺された人は次の死霊になる…効率のいいトラップね」
「…どうすればいいの?」
「そうねぇ、操っている親玉を倒す…」
か、この霧の中逃げる…のは奈々が居るから無理か。
「しかないわね」
「そう…」
「いい?よく聞いて、奈々」
考えれる限りで最悪のケースは奈々が死ぬこと。それさえ防げるなら街が一つ消えようが腕が無くなろうが大したことは無い。
「これから夜まであなたはここで隠れてて。大丈夫だとは思うけれど、敵が来たら戦おう迷わず逃げること」
「…ソラはどうするの」
私が言い聞かせるように言うと、奈々は不安そうな顔で見つめ返してきた。
「私は夜まで時間を稼ぐわ。日が暮れれば何とかできるから」
大した武器はないけど…まぁ夜までは何とかなるでしょう。夜になれば親玉の場所もわかるだろうし。
「ちょっと!あなた怪我してるのに!?」
「…?」
ああ、そういえば腕切られてたっけ?まぁ、まだ動くし大丈夫でしょう。
「いいから、あなたはここに居なさい。全部終わったら迎えに来るから」
奈々を安心させるように笑顔でそう告げて背を向けると、突然彼女に手をつかまれた。
「奈々…」
まったく甘え坊さんなんだから…って!?
奈々は私の手を掴むとそのまま勢いよく、後ろに引く。当然、突然手を引かれた私は体勢を崩して…。
「怪我人はそこで寝てろ」
綺麗に足払いを貰って倒れたとさ。
「ちょっ、ちょっと奈々!?」
私は大剣を片手にドアまで歩いていく奈々へと抗議する。せっかく決まったと思ったのに!
「夜までは私が時間を稼ぐから、ソラはここに居ろ」
わー、命令口調だよこの子。そして目が怖い!奈々さん目が怖い!
「…大丈夫なの?」
「…怪我してるあんたよりは大丈夫」
私はついにあんたに降格しました。ヤッタネ!泣いていい…?
まぁ…でも。
「そう、それじゃ任せるわ」
彼女が大丈夫だって言うんだし、今回は信じて任せてみましょうか。
床に伏せながら目を閉じると、ドアの閉まる音と、私の腕から流れ出ていく血の感覚だけがやけに感じられた。
□ □ □ □
私が目を覚ますと辺りは暗くなっていた。
どうやら目をつぶっている間に眠っててしまっていたらしい。我ながら緊張感が無いわねぇ。
それにしても…彼女の夢を見るのは久しぶりね。
そのまま外へと出ると屋根の上まで上って感覚を集中。さてさてー、どーこーにーいーるーかーなー?
広場にあるやたらと大きい魔力は奈々のだから…あそこか。私は大体の当たりを付けると、少し空を見上げてから腕を振り上げる。この程度なら杖は必要ない。というか持ってない!
『わが名の下に命ずる』
呪文を唱えれば後は振り下ろす。最後だし、ぎゅーんっていってドカーンと派手に決めちゃおう!
すると、狙った場所に光の柱が降り注いで家ごと破壊した。後に残るは跡地のみかな。
「みっしょんこんぷりーと」
私はそう呟くと家から降りて奈々の下へと歩き出す。
「お疲れ様、終わったよ、奈々」
大剣を持って荒い息をしている奈々へと告げる。彼女の周りにはたくさんの黒い血で黒く染まり。綺麗な水色だったワンピースや彼女の白い肌も同じように真っ黒。
「遅すぎる…バカ」
私は呟きながら倒れこむ奈々を抱きしめて支える。…この程度なら、まだ無理そうね。
「おやすみなさい」
そしてそのまま寝息を立てて眠る彼女を抱きかかえて囁くと、昼間に居た宿へと歩き出した。とりあえずはお風呂と着替えと…ん?
そういえば、宿代はいったい誰に払えばいいのかしらね…?
□ □ □ □
彼女の笑いも収まった後、ちょうどいい感じに夕食となる魚が焼けたので手に取る。
「はい、君の分」
少女の分の魚を渡すと、彼女はこくりと頷いて受け取る。果たしてさっきのテンションはどこに行ったのやら。
「そういえば…○○?さっき何か言いかけてたわよね?」
ふと思い出したので彼女へと聞くことにする。あの時は殴り飛ばしたから聞かなかったけれど、彼女は私に何か聞きたがっていたように感じる。
「あら、そっちの名前で呼んでくれるんですか」
「新しい名前のほうがお好みならそっちで呼ぶけど?」
「いえいえ、どうせボクの名前を知っている人なんてお姉さんしか居ないんですから、好きに呼んでください」
私がそう言うと、彼女はくすくすと笑いを堪えながらそう答えた。何がおかしい…質問に答えろよ。
「…で?何か聞きたかったわけ?」
このままだと話題がそれて自然消滅ってこともありうる。別にそれでもいいような気もしたけど、どうせ暇だし話を続けることにしましょう。
「ああ、そうでしたね。ねぇお姉さん?」
どこか楽しそうに、今度は私の名前を呼ばずに言う。
「お姉さんは、いったい何度繰り返すんですか?」
「…さぁ、どうだろうね?私が知りたいわ」
私がそう返すと堪えきれなくなったのか、彼女は大声で笑い始めた。
「やっぱりボクはあなたが好きですよ。お姉さん」
「そう、やっぱり私はあなたが嫌いよ。来夢」
はい、ということで第4話です
バトル回ってネタはかなーり前にやったんですが…ちゃんとバトってましたか?
本気でそろそろ毎日更新がきつくなってきました
というかこのペースなら定期投稿(以下略)
しかしこの投稿ペース
いったい誰が得をするのか!
ちなみに来夢ってのは作者の他シリーズで出てきた子の事です
別に知らなくても問題はないかと思います
ではでは、お付き合いいただきありがとうございます
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです