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幼児から始めるゆるゆる無双学園生活  作者: 蒼野湊
第3章 アステル魔術学園編

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53/55

第53話 拒絶――選ばないことを、選ばない

返事は、

その場ではしなかった。


しなかったというより――

できなかった。


正しさが、

あまりにも整っていたから。


■ 迫られる結論


数日後。


再び、同じ会議室。


クロウ、学園長、研究官たち。

全員が揃っている。


クロウは、淡々と告げた。


「準備は整いました」


「固定処理は、

 あなたの同意一つで開始できます」


視線が、

俺に集まる。


(……これを選べば)


・もう追われない

・誰も傷つかない

・リリアも苦しまない


(全部、守れる)


――はずだった。


■ ユウトの言葉


俺は、

一度だけ、深く息を吸った。


「……断ります」


室内に、

小さな波紋が広がる。


クロウは、

驚かない。


「理由を」


俺は、

考えながら話した。


「この案は、

 間違ってない」


「むしろ、

 正しすぎる」


一拍置く。


「でも……

 俺は、

 “選ばなくていい未来”を

 誰かに渡したくない」


研究官の一人が言う。


「だが、それは――

 苦しみを残す選択だ」


俺は、

はっきり頷いた。


「……そうです」


「誰かが迷って」

「誰かが後悔して」

「それでも、

 自分で決める」


「その責任を、

 世界から取り上げるのは――

 俺には、できない」


■ リリアの選択


リリアが、

一歩前に出た。


「私も、

 拒否します」


学園長が、

厳しい声で言う。


「アークライト嬢。

 それは“鍵”としての役割を――」


リリアは、

首を振った。


「“鍵”じゃありません」


「私は――

 選びたいだけです」


声は小さいが、

揺れていない。


「間違える未来も」

「怖い未来も」

「……ユウトと一緒に」


■ クロウの本音


クロウは、

少しだけ目を伏せた。


「……なるほど」


そして、

初めて感情を滲ませる。


「私は、

 “選ばなくて済む世界”を

 救いだと思っていた」


視線を上げる。


「だが――

 それを拒否されるなら」


静かに、告げた。


「位相教団は、

 直接介入に移る」


「欠片を“固定”できないなら、

 世界から切り離す」


(……来るか)


■ 決裂


学園長が、

重く言う。


「学園は、

 全面的にあなた方を守ることはできない」


「それでも、

 進むのか」


俺は、

迷わなかった。


「……はい」


エリスが、

小さく笑った。


「そう言うと思った」


「なら、

 最後まで付き合うわ」


■ 夜、二人きりで


寮の中庭。


夜風が、

静かに吹く。


リリア「……怖くない?」


俺「……怖いよ」


正直に答える。


「でも、

 選ばない方が、

 もっと怖い」


リリアは、

少しだけ考えてから言った。


「……未来視、

 少しだけ戻ってきた」


俺「え?」


「分岐が、

 増えてる」


(……それは)


(固定を拒否したから)


■ 嵐の前


遠くで、

雷鳴のような音。


結界が、

震える。


欠片が、

初めて――

静かに、同意した。


(……来る)


(最後だ)


次回


第54話:最後の干渉――

 位相教団、最終手段。

 世界から“欠片を切り離す”儀式が始まる。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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