第45話 制限下の学園生活――不自由な日常と、三人の距離
翌日から、
俺の学園生活ははっきりと変わった。
まず――
一人で行動できない。
廊下を歩けば、
必ず左右どちらかに人がいる。
右にエリス。
左にリリア。
(……SPか何かか俺は)
■ 朝の風景
寮を出ると、すでに二人が待っていた。
エリス「遅い。
起床から移動まで、想定より三十秒オーバー」
俺「そんな細かい!?」
リリア「ふふ、でもちゃんと起きてえらいよ」
(温度差!!)
ティオが通りすがりに口笛を吹く。
ティオ「なにその護衛付き登校!?
王族かよ」
ミーナ「ユウトくん……大丈夫……?」
ルカ「三人セットかわいい!」
シオン「……監視対象、明確」
(シオンはいつも的確すぎる)
■ 授業中の変化
特待クラスの授業でも、
俺の席は微妙に“特別”になった。
・周囲一列が空く
・机に抑制符(目立たない)
・教官の視線が定期的に来る
(落ち着かねぇ……)
アストレア教官「ミナト。
今日は“理論”だけだ。
魔力は出すな」
俺「はい……」
(もはや危険物扱いでは……?)
エリス(小声)
「妥当な措置よ」
リリア(小声)
「でも、すぐ慣れるよ」
(二人の役割分担が完璧すぎる)
■ 放課後――隔離訓練区画
今日も今日とて、
制御訓練。
内容は地味だ。
・魔力を“出さずに感じる”
・欠片の反応を記録
・外部刺激への耐性チェック
俺「……正直、地味だな」
エリス「派手=危険」
リリア「安全第一だね」
(完全に意見一致してる……)
だが、
その地味な訓練の最中――
欠片が、
微かにざわめいた。
(……?)
エリスが即座に反応する。
「止めて。
今、外部からの位相干渉が――」
リリアも顔を上げた。
「……遠いけど、
嫌な未来が“増えた”」
(増えたって何!?)
エリス「第二波……
近いわね」
■ 夕方、三人での帰り道
夕焼けの回廊。
しばらく無言で歩いたあと、
俺は口を開いた。
「……なぁ」
リリア「なに?」
エリス「簡潔に」
(同時に来るな)
俺「俺が狙われてるせいで、
二人の自由も奪ってるよな」
一瞬、
二人とも言葉を失った。
先に答えたのは、
リリアだった。
「……違うよ」
彼女は立ち止まり、
俺を見て言った。
「“選んでる”の」
(選んでる……?)
「ユウトの隣にいる未来を、
私は自分で選んだ」
胸が、少し苦しくなる。
次に、
エリスが言った。
「私も同じ」
俺「え?」
エリス「研究対象だから、
ではないわ」
一瞬だけ、
視線を逸らしてから続ける。
「……放っておけないからよ」
(エリス……)
(この人、不器用すぎる……)
■ その夜、再び兆し
寮に戻ったあと。
俺は、
自室でふと窓の外を見た。
月明かりの下、
学園の外縁が淡く光っている。
(……来る)
欠片が、
はっきりと“警告”を発していた。
(次は――
もっと直接的だ)
ドアの外で、
小さな足音。
リリア「ユウト……起きてる?」
俺「起きてる」
エリスの声も重なる。
エリス「……警報はまだ出ていない。
でも――」
リリア「“見えてる”。
侵入者、
今回は……中に来る」
(学園内部……!?)
三人の視線が交わる。
エリス「準備するわ」
リリア「一緒に行く」
俺は、
静かに拳を握った。
(守る。
今度も)
(……いや)
(今度は、迎え撃つ)
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