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幼児から始めるゆるゆる無双学園生活  作者: 蒼野湊
第3章 アステル魔術学園編

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第35話 エリス研究室――欠片の秘密と、嫉妬する光の天才

実技試験の“空間ひび割れ事件”から数時間後。

放課後のチャイムが鳴り、

生徒たちは三々五々と散っていった。


ティオ「ユウト……今日一日すごすぎた……」

ミーナ「ほんとに大丈夫なの……?」

ルカ「エリスさんの研究室、怖そう……」

シオン「……でも行くしかない。欠片の性質を知るために」


(うん、わかってる……行かないとやばい)


そんな俺の袖を、そっと掴む影があった。


リリア「ユウト。

 わたしも行く」


(やっぱり来たか……!

 いや、来ると思ったけど!!)


エリス研究室は特待棟の最奥。

静謐な空気と魔力の密度が常に漂っている。


リリアは決意した目で俺の手を握った。


「――危険なら、わたしが守るから」


(この子……本当に真っすぐで尊い……)


しかし、そこへ冷たい声が割り込む。


「残念だけど、アークライト嬢。

 あなたはここまでよ」


振り返ると、

研究室の入口でエリスが立っていた。


黒髪、紺のローブ、金色の瞳。

「完璧な理系の顔」。


エリス「欠片の調整は繊細。

 部外者は入れない」


リリア「部外者じゃないわ。

 ユウトのことは――」


エリス「あなたに扱える現象じゃない。

 邪魔になるから帰って」


(や、やめて!? 空気がピリッピリしてる!!)


リリア「……ユウトは、わたしの――」


俺「二人ともストップ!!!」


(その続き言われたら俺のHPが死ぬ!!)


エリス「……ふん。

 ミナトくん、時間がないから入るわよ」


(わ、わかった……)


リリアは不満げに俺の手を離した。


「……終わったら、絶対私のところに来て。

 いい?」


(なんか重い……でも嬉しい……)


■ エリス研究室へ


扉が開くと――

中は完全に別世界だった。


・宙に浮かぶ魔法陣

・巨大な水晶端末

・魔導式の黒板

・古文書

・空間が歪んだような“実験隔離室”


(すげぇ……ここだけRPGのラスボス前みたいだ……)


エリス「そこで座って。

 欠片の状態を確認する」


俺「あ、はい」


エリスが近づくと、

ほんの少し香るインクと花の匂い。


手を取られ、

エリスの指先が俺の手の甲に触れる。


その瞬間――


《ドクン》


胸の奥が脈を打ち、

右手に白い紋様が浮かび上がる。


エリス「……来たわね。

 これが“欠片”の反応」


(前にも出た……俺の魔力が暴走する前兆だ)


エリスは真剣な顔で紋様を観察する。


「ミナトくん、あなたの欠片は――

 “空間基質そのものに干渉”している」


俺「空間……そのもの……?」


エリス「そう。“場所”って概念を揺らす力よ。

 だから、少量の魔力でも空間が割れそうになった」


(そんな危ない能力だったのかよ!!)


エリスは続けた。


「でも、まだこれは“未完成”。

 欠片は進化途中。

 ――本来の形に目覚めれば、あなたは“世界構造”に触れる」


(え、いきなり世界規模の話!?)


エリスは俺の手を包み込むようにして言った。


「だから――

 あなたは私が守る。

 誰にも渡さない」


(な、なんか急に距離近くない!?)


すると――


ガチャッ!!


ドアが乱暴に開いた。


リリア「ユウト、大丈夫!?

 いきなり魔力が揺れたから……!!」


(うわ、来た!!)


リリアの視線がエリスの手元に向かう。


エリスが俺の手を握っているのを見て――


リリア「……なにしてるの?」


(ひええええ!!)


エリス「欠片の安定化よ。

 あなたには不可能な作業」


リリア「ユウトに触れる必要……あった?」


エリス「あるわ。

 “観察者”として当然の行為」


リリア「観察……?」


エリス「ええ。

 ミナトくんは“まだ自分の危険度を理解していない”。

 あなたの光では抑えられない領域よ」


リリアは一歩前へ出る。


「――それでも、私はユウトの力になりたい」


エリスも一歩前へ。


「必要ないわ。

 あなたは光。

 彼の欠片は闇より深い“空間の底”。

 属さない者は近づくほど危険になる」


リリア「そんなの関係ない!

 ユウトを支えるのは私!」


エリス「……やっぱり、そう来るのね」


(おいぃぃぃ!!

 ここ研究室! まだ初日!

 喧嘩しないで!!!)


俺「ふたりとも落ち着いて!?

 俺まだ死にたくない!!」


リリア・エリス「黙ってて(ユウトは黙ってて)!」


(共通意見!?)


■ そして“欠片”が反応する


二人の魔力がぶつかった瞬間――

俺の胸が再び強く脈を打った。


《――ドクンッ》


(やば……また来る……!)


手の紋様が輝き、

研究室の空間がゆらりと歪む。


エリス「ミナトくん、制御して!!」

リリア「ユウト、わたしの手を!!」


(ちょ、どっちも一度に言うなぁぁぁ!)


しかし――

俺が両方に引っ張られた瞬間。


研究室に、

淡い光の渦と黒い空間の“ねじれ”が重なった。


アストレア教官(廊下から)

「おい!! 特待初日になにやってる!!?」


(先生来たぁぁぁぁ!!)


こうして、

ユウト・リリア・エリスの三角魔術(?)で

研究室は軽く崩壊しかけた。

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