第33話 特待クラス開講――自己紹介から波乱の予感
翌日――
アステル学園・特待クラス棟。
通常生徒が入れない静謐な空気が漂う建物は、
まるで研究所のような重厚さがあった。
ティオ「うおぉ……ここが特待クラス……!」
ミーナ「空気からして……なんか違う……」
ルカ「頭良さそうな人ばっかり……」
シオン「……魔力濃度、通常の3倍……」
(いや怖すぎるだろ特待クラス棟……)
廊下に入ると、
すでに何人かの生徒が待っていた。
高級そうな杖、紋章の付いた制服、
圧倒的な威圧感。
(絶対みんな強いじゃん……!)
すると――
「ユウト、おはよう!」
振り向くとリリアが輝く笑顔で手を振っていた。
(尊い……)
しかしその直後、
反対側から冷静な声が重なる。
「遅いわね、ミナトくん。
初日から遅刻寸前なんて、研究対象として問題だわ」
エリス。
(いや俺まだ時間前なんですけど!?)
ティオ(小声)「ユウト……女子2人からの圧が……」
ミーナ「ちょっと怖い……」
ルカ「でも可愛い!」
シオン「……ユウトの人生、波乱確定」
(いややっぱりお前は正確すぎる)
■ 特待クラスの教室へ
扉を開けると――
そこは広い円形教室で、
7つの魔力塔が壁際に並んでいる。
中心には、
青いローブを纏った教官が立っていた。
「おはよう、特待生諸君。
私はこのクラスの担当――
アストレア・ディアン。
“系統魔術総合”を教えるわ」
若くも鋭い目の教官。
雰囲気は“優しいけど怒らせたら怖いタイプ”。
アストレア教官「まずは自己紹介から始めましょう。
一人ずつ前に出て、
“属性・得意魔法・目標”を言ってもらいます」
(おお、よくあるやつだ)
アストレア教官「では――
アークライト嬢、あなたから」
リリアは静かに前へ進む。
■ 自己紹介:リリア
「リリア・アークライト。
属性は光。
得意魔法は単体破壊系と補助系。
目標は――」
一拍置いて、
俺をちらっと見てから、
「“大事な人を支えられる魔術師になること”」
(ぎゃああああああ!!!!
俺見て言ったよな今!?)
クラスがざわつく。
「アークライト家の光……本物だ……」
「もう完成されてるじゃないか……」
「いや最後の言葉誰のことだよ!!」
ティオ「絶対ユウトだろ!」
ミーナ「り、リリアちゃん……強い……」
ルカ「がんばれユウト!」
シオン「恋愛偏差値が高い……」
(なんで俺の恋愛偏差値が低い前提なの!?)
■ 自己紹介:エリス
アストレア教官「次、エリス・ヴァローナ」
エリスは静かに前へ出る。
「エリス・ヴァローナ。
属性は闇と空間の複合。
特級研究生として――
“欠片現象の解明”が目的よ」
みんなが俺を見る。
(やめてぇぇぇ!!)
エリス「ついでに……ある生徒の暴走を止めること」
(絶対俺じゃん!!)
アストレア教官「え?誰のことだ?」
エリス「……いずれ、わかるわ」
(いやもうバレてる!!)
クラス全員「絶対ミナトくんだ……」
(なんで初日から俺の名指し疑惑!?)
■ そして、ユウトの番
アストレア教官「では次、ミナト・ユウト」
とうとう来た。
(落ち着け……普通に……普通にいくんだ……)
前に出て深呼吸。
「ミナト・ユウト。
属性は――未分類。
得意魔法は……まだよくわからないです。
目標は……」
リリアが期待の目で、
エリスが観察者の目で見てくる。
(あああ重い!!)
「……とりあえず、普通に学園生活を送りたいです」
クラス全員「普通じゃないだろ!!?」
アストレア教官「君ほど“普通と遠い”言葉は初めて聞いたね」
(先生までツッコミ……!)
しかし続いて、
教官の目が俺の胸元で止まった。
アストレア教官「……ああ、なるほど。
君が《欠片保持者》か」
クラスが再びざわつく。
「欠片!?実在するのか……」
「伝説級じゃないのか!?」
「特待クラスにそんなの入ってるの!?」
リリアは微笑み、
エリスは満足そうに頷いた。
(やっぱり俺、この学園で“普通”できる気がしない……)
■ この後さらに波乱が起きる
自己紹介が終わった直後――
アストレア教官が言った。
「では、初日の授業として――
“簡単な魔力放出の実演”をしてもらう」
(嫌な予感しかしない)
教官「一人ずつ、手から少量の魔力を放って見せてください」
(あ、これ……俺が絶対やらかすタイプのやつだ)
ティオ「ユウト、がんばれよ!」
ミーナ「こ、今度は壊さないでね……?」
ルカ「応援してる!」
シオン「……暴走したら距離取る」
(お前はちょっとくらい信じろ!!)
リリアは優しく囁く。
「大丈夫。ユウトならできるよ」
(うう……がんばるしかない……)
しかし――
このあとユウトは
“特待クラス全員の度肝を抜く事件” を起こすことになる。




