第31話 二次試験・実技開始――“欠片”がまた動き出す
一次試験――魔力制御。
俺はまさかの《測定不能》を叩き出し、
リリアは《完全誤差ゼロ》という化け物精度を見せた。
(……なんか俺、悪目立ちしてない?
みんなの視線が刺さるんだが……)
ティオ「ユウト、あれはもう天才超えて怪物だぞ!」
ミーナ「ユウトくん……感覚だけであれって……怖いくらい……」
ルカ「でもかっこよかったよ!」
シオン「次はもっと危険……“実技”だから」
(え、より危険? 俺またなんかやらかす未来!?)
場内に試験官の声が響く。
試験官「続いて――
二次試験、“実技試験”を開始する!
各自、模擬戦フィールドへ移動!」
ざわっ……と受験生たちが動き出す。
■ 二次試験の内容
試験官が浮遊パネルを指で操りながら説明する。
「二次試験は、
“魔力・技術・判断力”の総合評価だ」
フィールドは6区画に分かれ、
各区画には小型魔獣を模した“魔導体”が配置されている。
《魔導体:コボルト(初級)》
《破壊、または無力化で合格ライン》
《制限時間:3分》
(模擬戦か……!
これは戦闘センスが大事だな)
ティオ「よっしゃ燃えてきた!!」
ルカ「戦えるんだね!楽しみ!!」
ミーナ「が、がんばる……!」
シオン「模擬とはいえ……容赦はない」
■ リリアの番
試験官「では最初の受験者――
アークライト家、リリア・アークライト」
フィールドに立つだけで光が揺れた。
(やっぱりただ者じゃないな……)
魔導体コボルトが飛びかかる。
リリアは杖を構えもせずに小声で詠唱した。
「――《光縛》」
瞬間、
相手は光の帯に縛られ動きを失う。
続いて、
「《共鳴破》」
光が一点に集中し、
魔導体の核を綺麗に“削り破壊”した。
試験官「…………合格、文句なし。時間7秒」
会場「7秒!?」「やばすぎる……」「天才だ……!!」
リリアは振り返り、
俺に小さく手を振った。
(かわいい……けど反応しづらい……!!
みんな見てるんだぞこれ!)
仲間たちの反応はというと、
ティオ「くっそ……かっけぇ……」
ミーナ「光属性ってこんな……」
ルカ「強い!すき!!」
シオン「……ユウトと同レベルの異常値だ」
(おい、シオン。俺もそこにカウントなの?)
■ 他の天才たちも動き出す
「炎の三重詠唱だ!」
「斬撃魔法で切り裂いたぞ!」
「あれ、貴族の家系だって!」
様々な天才が名乗りを上げる。
なるほど――
確かに受験生のレベルが高い。
(このクラスの人たちと戦うのか……
気が引き締まるな)
■ そして俺の番
試験官「F-118、ユウト・ミナト。前へ」
(うわ、ついに来た……!)
フィールドに立つ。
魔導体コボルトがこちらを睨み、
ギャアッと鳴きながら跳んだ。
俺(魔力を……少しだけ。少しだけ使えば――)
体に意識を集中して魔力を流す。
が、
――その瞬間、
胸の奥が“ドクン”と脈打った。
(う……?)
視界の端で光が歪む。
(まさか……“欠片”が反応して――)
次の瞬間。
俺の右手に“見たことのない紋様”が走った。
《――共鳴開始――》
(はぁぁ!?!?)
魔導体が飛びかかる。
(やばい! 止めないと!!)
咄嗟に右手を前に突き出す。
「止まれ!!」
バシュッッ!!!
右手から“風でも炎でも光でもない”
奇妙な衝撃波が放たれた。
魔導体は――
一瞬で、
《蒸発》した。
(……え?)
会場「…………」
会場「……………………え?」
会場「蒸発したよな今!?!?!?」
試験官「また特異反応だああああ!!」
ティオ「ユウトおおおおお!!?」
ミーナ「危ないよ!!?」
ルカ「わああ一瞬!!」
シオン「……これ、欠片の“属性未確定魔法”……?」
(いや俺、今なんも考えずに手出しただけなんだが!?)
試験官が震えながらメモを書きなぐる。
《実技試験:模擬体消滅》
《攻撃属性:不明》
《威力:中級魔獣相当》
《観察対象 優先度:上昇(★★)》
(星が増えたあああ!!)
どこかの教授「……あれは新系統……?」
別の教授「いや制御不能だろ……」
受験生「なんか出た!!?」
受験生B「危険人物じゃね!?」
受験生C「いや強すぎる……」
リリアはというと――
なぜか嬉しそうに微笑んでいた。
(なんで笑ってるんだよ!!)
リリア「ユウト……やっぱり、特別なんだね」
(いやだからそのハードルをだな……)
彼女は胸に手を当て、
小さく呟いた。
「……“欠片”が動き始めてる……間違いない」
(リリア、お前もわかるの……?)
■ そして、黒衣の少女の正体が少しだけ見える
観覧席の最上段。
黒衣の少女は試験をじっと見つめていた。
黒衣の少女「……やっぱり、抑えられないか」
横に立つ謎の男性が問いかける。
男「彼をどうする?」
少女はゆっくり答える。
「決まってる。
――“鍵”にする。これは世界の決定だから」
男「アークライト家は?」
少女「光は“対”になる。
だから……あの娘も来る」
(世界? 鍵?
お前ら何知ってんだ……!)
少女は微笑んだ。
「ユウト。
あなた、もう後戻りできないわよ」
(知らないところでストーリー勝手に進めないで!?)




