第29話 再会――変わりすぎたリリアと、仲間たちの反応
廊下で向かい合ったまま、
俺とリリアはしばらく言葉もなく見つめ合った。
(……久しぶりだ。
でも、なんだこの……雰囲気の変化)
幼かった頃のリリアは、
気ままで、少しおてんばで、
好奇心の塊みたいな子だった。
――だが、今目の前にいるリリアは。
背筋が伸び、
歩き方は軽やかなのに無駄がなく、
どこか“完成された魔術師”のような気配すらある。
(なんか……強くなりすぎてない……?)
リリアは歩み寄り、
距離を縮めながら柔らかく微笑んだ。
「ユウト……本当に……
元気そうでよかった」
(あ、声まで凛としてる……!
なんか大人っぽい!!)
俺「え、えっと……リリアも……なんか、すごく……」
言葉が詰まる。
リリアは首を傾げた。
「ふふ、“変わった”って言いたいの?」
俺「あ、いや、その……」
リリア「――うん、自分でもわかってるの。
あの時より……ずっと強くなったよ」
(さらっと言うけど、それ確信がある言い方だな)
■ 仲間たち、乱入
ティオ「ユ、ユウトぉぉお!!
なにこのかわいい子!?!?」
ミーナ「ひ、光ってる……神々しい……」
ルカ「わたし、この子好き……!」
シオン「……光属性の純度……高すぎる……」
リリアはふっと微笑む。
「あなたたちが、ユウトの仲間なのね」
ティオ「な、なか……仲間というか、えっと……」
ミーナ「ユ、ユウトと仲良くしてくれてありがとうございます……?」
ルカ「友達です!」
シオン「ぼくは……その……大事な連れです」
(お前ら、動揺しすぎだろ)
リリアは俺の方に軽く近づき、
自然に隣に立った。
ティオ「す、すぐ横に立った!?距離が近い!!」
ミーナ「リリアちゃん……ユウトのこと……」
ルカ「すき?」
(やめろ!!)
リリアは軽く笑って答えた。
「ユウトは……“大切な人”よ」
(ぎゃああああああああ!!!
なんかストレートに言ったあああ!!)
ミーナ&ティオ&ルカ「「「大切!?!?」」」
シオンだけが冷静に観察している。
シオン「……この子、ユウトを見る目……普通じゃない……」
(こいつ分析力高すぎだろ……)
■ リリア、ユウトを観察して何かに気づく
リリアは俺の胸元に視線を落とし、小さく目を見開いた。
「……ユウト。
あなた、“欠片の反応”が……」
俺「え、知ってるの?」
リリアは少しだけ、表情を曇らせた。
「……うん。
アークライト家は光の分野の研究が得意だから。
“欠片”についても記録がある。
でも……あなたの反応は……」
俺「反応は?」
リリア「“目覚めかけてる”の。
それも……普通じゃない速度で」
(うわぁ……なんか本格的にヤバいやつじゃん俺……)
ティオ「よくわかんないけど、ユウトってすごいんだな!」
ミーナ「なんか……本当に特別な存在なんだ……」
ルカ「ユウトだけチートしてる感じする!」
シオン「いや……むしろ始まりに過ぎない……」
(みんなどんどん重くするのやめて)
■ リリアの“変わった理由”
俺は気になって、リリアに尋ねた。
「リリア、その……前よりすごく強くなってるけど……何かあったの?」
リリアは少しだけ視線を落とし、
それから俺をまっすぐ見た。
「――ユウトと、約束したから」
(……え?)
リリア「“学園でまた会おう”って。
あの約束が……私の原動力になったの」
(やばい……かわいすぎる……完全にヒロインじゃん……)
リリア「だから、努力した。
光の核も磨いたし……才能も、鍛えた。
あなたに胸を張って再会できるように」
(この子……
こんなに真っすぐで……
こんなに強くて……
俺なんかよりずっと凄いじゃん……!!)
胸の奥が熱くなる。
ティオ「なんか……青春なんだが!!?」
ミーナ「り、リリアちゃん……素敵すぎ……」
ルカ「ユウトもがんばらないとね!!」
シオン「ユウト……覚悟、決めろ」
(何の覚悟!?)
■ しかし――廊下の奥から、緊張を裂く声が響いた
「アークライト嬢、こちらへ。
次の試験準備ができています」
リリア「はい」
リリアは俺の方へ振り返る。
「ユウト。
試験……頑張ろうね。
今度は同じ場所で、同じように戦えるように」
俺「……ああ。
絶対、一緒に学園に入ろう」
リリアは満足そうに微笑み、
光のように去っていった。
(会えた……再会できた……
でも、まだ“物語の入り口”だ)
胸が高鳴る。
仲間たちが背中を叩いた。
ティオ「よし!やるぞユウト!!」
ミーナ「わ、わたしも……がんばる……!」
ルカ「ユウトとリリアちゃんの邪魔しないようにしよ」
(いや別に邪魔ではない!)
シオン「……特異魔力、欠片、リリア。
全部……ここから絡んでくる」
(ああ、そうだ。
ここからだ)
アステル学園試験――本番はすぐそこだ。




