第28話 特例面談――“欠片”の意味、そして再会の気配
魔力測定でまさかの“測定不能”判定。
さらには《欠片反応:検出》の文字。
(いやいや……なんで俺、いきなり学園上層部と面談なんだよ……)
職員「F-118 ユウト・ミナトくん。
これを受け取ってください」
渡されたのは、
他の受験者とは明らかに違う、銀色の入場証。
《特例面談許可証・上層部》
《場所:アステル学園・第一塔》
《時間:本日夕刻》
(当日面談……!? 段取り早すぎだろ!!)
ティオ「ユウト、なんかヤバいぞ!!」
ミーナ「で、でも……悪いことじゃない……よね……?」
ルカ「特例って、なんかかっこいい!」
シオン「……“欠片”って、やっぱり普通じゃないんだ……」
(うん、俺もそう思う)
■ 職員の案内で学園の中へ
人の波を抜け、案内されるままに歩くと――
巨大な塔が視界に入った。
《アステル第一塔:上級魔導管理局》
・学園の心臓部
・研究者、教授、魔導管理者が集う場所
・普通の受験者は近づくことすらできない
(いきなりここ連れて来られる受験生いる?
絶対いないよね!?)
塔の内部は静謐で、
魔力の流れが水のように澄んでいる。
案内役の職員は小声で言った。
「緊張なさらずに。
あなたは“危険人物”ではありません。
むしろ……“期待されている側”です」
(いや、期待されても困る……)
■ 特例面談室
部屋に通され、
丸テーブルの向こうに3人の人物が座っていた。
・深紅のローブを纏う壮年の男性
・銀縁眼鏡の女性教授
・青い刺繍の外套を着た若い男性研究員
いずれも、ただ座っているだけなのに圧がすごい。
(この人たち……絶対学園の偉い人だ……)
最初に口を開いたのは、紅ローブの男。
「君が――ユウト・ミナトくんだね」
俺「は、はい……!」
「先ほどの測定、確認させてもらったよ」
銀縁眼鏡の教授が資料をめくりながら言う。
「君の魔力量は……“測定不能”。
未分類魔力の反応が強く、
既存のどの属性にもフィットしない。
さらに――」
彼女は紙をトンと置いた。
「《欠片反応》が明確に出ている」
(欠片……やっぱり出た!!)
若い研究員が身を乗り出してきた。
「君、何か特別な症状や異変は?
例えば、魔力が勝手に暴走したり、
夢で変な声を聞いたり――」
俺「(ある――けど、言っていいのか……?)」
研究員「どんな些細なことでも構わないんだ」
(……隠す必要もないか)
俺「……声がしました。
“欠片の持ち主”とか……“選ばれる”とか……」
紅ローブの男の目が鋭く光る。
「やはり……**“覚醒前兆”**だな」
(覚醒!?
ちょっと待って俺そんな大事になってる!?)
銀縁の教授は静かに説明を続ける。
「未分類魔力は、稀に“別系統に進化”するケースがあります。
その際に、体内で魔力の核――“欠片”が目覚めるのです」
(魔力の核……?
俺の中にそんなものが……?)
研究員「ユウトくん、君の魔力……
いずれ“分類不能のまま、新属性となる”可能性がありますよ」
(新属性!?!?)
紅ローブの男が締めくくるように言った。
「学園は君を“観察対象”ではなく――
“特級候補”として扱うつもりだ。
期待しているよ、ユウトくん」
(お、重い!!!)
「では、面談は以上だ。
君は通常通り試験に進んでよい」
(なんだよ通常って!!
全然通常じゃないぞ!!!)
■ 面談終了後、廊下に出ると……
胸がドキドキしている。
頭が整理できない。
(新属性? 欠片? 特級候補?
俺そんなポジションで学園入るの!?
ただ静かに魔術極めたいだけなんだが……)
深呼吸して歩いていると――
聞き覚えのある声が、
廊下の向こうから響いた。
「――試験場、どこですか……?」
(……!!)
その声は透き通っていて、
だけど芯の強さがある。
(この声……絶対に……)
人だかりが自然と割れていく。
光のように歩く少女が姿を現す。
金と銀の間の髪。
凛とした瞳。
幼いのにどこか気品と強さを湛えた佇まい。
――リリア・アークライト。
(ついに……)
幼い頃の約束。
「学園で会おうね、ユウト」
その声が蘇る。
少女は歩きながら、
こちらに視線を向けた。
その瞳が、俺を――
まっすぐ射抜いた。
リリア「……ユウト……?」
俺「……リリア」
運命のように、
時間が止まった。
次の瞬間、リリアは微かに笑った。
「やっと……また会えたね」
(……あぁ……この瞬間のために旅してきたんだな)
胸が熱くなる。
ついに――
約束の再会。
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