第23話 山道の大魔獣――そして“調整魔術”が覚醒する
フェルナードを出発して半日。
俺たちは次の街へ向かう山道に差しかかっていた。
ティオ「早く次の街行きてぇ〜!魔石もっと稼ぐぞ!」
ルカ「山の空気って気持ちいいね!」
ミーナ「ふぅ……坂が多い……」
シオン「……ユウト、山って……魔力乱れやすいって聞いた……」
(お前の光属性、大丈夫か?)
山道は確かに魔力が薄く乱れやすい。
だからこそ――
(強い魔獣が出やすい)
■ 不穏な気配
山道の中央あたりに差しかかったとき。
ズズン……
地面が震えた。
ミーナ「ひっ……」
ルカ「地震?」
ティオ「いや……これは……」
シオン「――魔獣の“足音”だ」
(来たか……!)
木々が揺れ、
影が迫ってくる。
ドン……ドン……
そして――姿を現した。
■ 初ボス:大牙熊
*《大牙熊》*
・身長2.5m
・牙と爪が巨大
・凶暴
・倒すと 魔石(大) を落とす
・冒険者ランクでいえば “D〜C相当”
(5〜6歳の子どもが戦う相手じゃない……!
でも逃げたら追われる……!)
ティオ「やべぇ……でけぇ……!」
ミーナ「あ……あれ……むり……」
ルカ「殴れるかな……」
(お前だけ頼もしいけど無謀すぎる!)
シオンは青ざめている。
シオン「……ユウト。
ぼく……魔力が……不安定……
山の魔力、ぜんぜん合わない……」
(最悪のタイミングで暴走しかけてる……!)
■ 大牙熊、突撃
「グオォォォォ!!」
轟音と共に突進してくる!!
俺「みんな、散開!!」
俺の声で仲間は一斉に左右へ跳び退った。
ティオ「うおおおっ!!」
ルカ「うわっ!はやっ!」
ミーナ「きゃっ……!」
シオン「ユ……ユウト……!!」
(くそ……まずは防御!!)
「展開型――《透明防壁・二重》!!」
バシィィィン!!
大牙熊の突撃が直撃した。
衝撃が全身に走る。
(くっ……こいつ……力が強い!!)
■ シオンが危ない!
シオン「う……あ……だめ……
制御……できない……っ!」
(やばい!!)
シオンの身体から光が暴走し始める。
ぱちっ……ぱちぱち……!
ティオ「まずいぞこれ!!」
ミーナ「シオンくんが……光ってる……!」
ルカ「ユウト!?」
(このままじゃシオン、暴走して吹き飛ぶ!
でも敵は大牙熊……二つ同時に……)
俺「みんな、時間稼いで!!
シオンを抑える!!」
ティオ「任せろ!!」
ルカ「了解!!」
ミーナ「わ、私も……!」
(頼む!!)
■ シオン救出:調整魔術の覚醒
俺はシオンの肩を掴んだ。
「シオン!! 落ち着いて!!」
シオン「む、無理……! 体の中が、熱い……っ!」
(なら俺が――やるしかない)
「“調整”……
もっと……深く……!」
俺はシオンの魔力流を
完全に“読みにいった”。
光属性の波――
乱れて、弾けて、逆流しようとしている。
(このままじゃ暴発……
でも……俺の魔力なら……)
「俺の魔力で、流れを整える……!!」
ぽわぁぁぁぁぁ……
シオンの暴走魔力に、
俺の魔力が絡み、
流れを矯正していく。
シオン「……っ……ユウト……!」
(あと少し……!!)
ばちっ!!
急激な流れが落ち着き、
光は穏やかに息づき始めた。
シオン「……はぁ……はぁ……
ユウト……ぼく……助かった……?」
「大丈夫。
もう、暴走はしてないよ」
シオンの手が震えながら、
俺の手をぎゅっと握った。
「……ユウト……ありがとう……」
(よし……間に合った……!)
■ だが、大牙熊が迫る!
大牙熊「グオオォ!!」
ティオ「ユウトー!! 早く!!
これ、限界だって!!」
ルカ「この子、硬すぎるよ!!」
ミーナ「ひ、ひぃ……!」
(よし……今度はこっち!)
俺は立ち上がり、
「みんな、俺が押さえる!!
ここから反撃だ!!」
ティオ「おう!!」
ルカ「任せて!」
ミーナ「が、頑張る……!」
シオン「ぼくも……戦える……!」
(よし、いくぞ!!)
■ 反撃開始!
俺「ティオ、左脚!!」
ティオ「了解!!」
ティオが超速で左へ走り込み、
大牙熊の脚へ斬りつける(木剣だけど)。
バシッ!
(多少だけど怯ませた!)
俺「ルカ、前方から殴れ!!」
ルカ「えいっ!!」
ゴッ!!
ルカの拳で大牙熊がよろめく。
(なんでその拳で魔獣よろめくんだ……?)
俺「ミーナ、援護の水膜!」
ミーナ「は、はいっ!」
「《ウォーター・ベール》!」
しゅわぁん……
(ミーナの補助、かなり優秀だ……!)
俺「シオン、いける?」
シオン「うん……! ユウトの調整で……安定してる!」
俺「なら……一緒に行くぞ!
“合成魔術”――!」
■ 合成魔術:光+未分類魔力
俺&シオン
「《ライト・ブラスト》!!!」
ばしゅうううううん!!!
光と俺の“未分類魔力”が混ざった光線が放たれ、
大牙熊の胸を直撃した。
大牙熊「グオォォォォ……!」
巨体がよろめき――
そのまま倒れた。
ズドン!!
(……勝った!!)
■ 大魔獣の魔石(大)
大牙熊の体から、巨大な魔石が現れる。
ドロォン……!
ミーナ「お、大きい……!」
ティオ「売ったらめっちゃ金になるやつだ!!」
ルカ「持つね!!」
(いや重いから無理じゃ……)
ルカ「よいしょ!!」
(持った!? え、嘘でしょ!?)
鑑定石「ポワッ」
◆ 大牙熊の魔石(大)
・売値:80〜100シル
・用途:武具強化 / 魔術中級研究 / 高等学園の教材
・希少価値:中〜高
(100シル……!?
子ども旅の資金としては破格すぎる……!)
ティオ「やったあああああ!!」
ミーナ「こ、こんなに……!」
シオン「ユウト……ありがとう。本当に……ありがとう」
ルカ「次はもっと大きいの倒そう!」
(やめて!!)
■ 成長ログが爆発するように動く
◆ 大型魔獣討伐ログ ◆
《Dランク魔獣討伐達成》
《経験値上昇:中》
《パーティ協調度 +20》
◆ 新スキル
《合成魔術:光×未分類 Lv1》
《調整魔術 Lv2 に進化》
・調整効率 +20%
・暴走抑制範囲拡大
・共鳴成功率UP
(うわ、スキルめっちゃ伸びてる……!
絶対これ……学園で注目されるやつだ……)
こうして、俺たちは初の大魔獣を倒し、
山道を越えて次の街へ向かった。
(学園都市アステル……
間違いなく“事件”が待ってる気がする)
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