第16話 リリア、旅立つ。そして俺は成長し始める。
リリアが村に滞在したのは、たった三日だった。
三日間、毎日のように俺の家に来ては、
「ユウト、魔力混ぜよ!」
「今日はもっと強くできるでしょ?」
「あなたって面白いわね」
と、幼児にあるまじき天才ムーブで振り回していった。
(正直、いろんな意味で疲れた……)
しかし三日目の朝。
交易隊が出発する日がやってきた。
■ 別れのシーン(幼児なのに感動する)
村の外れで荷馬車が出発準備をしている。
「ユウト〜、今日はリリアちゃんお別れよ〜」
母さんが俺を抱えて近くまで連れていく。
リリアは俺を見ると小走りでやってきた。
「ユウト……今日で行くわ」
(うん、知ってる。
でも言葉にできない幼児のもどかしさ!!)
リリアは俺の手をそっと握った。
「また来るね。
次は、もっと魔力が使えるようになってるわよ。
あなたも強くなっててね」
(いや、すでに十分強いけど……!)
最後にリリアはにっこり笑って――
「約束よ。
“学園”でまた会おうね、ユウト。」
(学園……!)
その言葉を残して、リリアは荷馬車に乗り込んだ。
俺は手を振り返す。
その動きは自然と、
“また会う約束”を信じていた。
荷馬車が遠ざかる。
風が吹き、静かになった。
(……よし。成長してみせる。
次は、俺がリリアを驚かせる番だ)
心の中でそう誓った。
■ 時は流れ――数年後。
俺は――
5歳になった。
(やっと幼児卒業だ……長かった……)
身体も伸び、魔力の扱いも安定してきた。
あの頃のように勝手に地形を変えることも(ほぼ)なくなった。
■ 5歳ユウトのスペック(簡易まとめ)
・魔力操作:Lv15
・空中制御:Lv5
・転がり魔術:Lv3(まだ続けてる)
・展開/流動/集束:各Lv10前後
・新スキル:感知魔術Lv1
・未分類魔力の“増幅癖”:大幅軽減
・体力・運動能力:同年齢の平均以上
・知性:前世知識込みでかなり賢い
(ぶっちゃけ、学園入学前としては破格。
※ただし周りにはバレていない)
■ 師匠バルドもまだいる
「ユウトよ、今日は“縦回転”の訓練じゃ!」
(いやまだ転がすの!? 俺もう幼児じゃないけど!?)
「回転はあらゆる魔術の基本じゃ!
ワシが若い頃は――」
(毎回話が長いんだよこの爺さん)
しかしバルドはちゃんと実績も残している。
・暴走癖ほぼゼロ
・空中魔術が安定
・魔力の出力量が制御可能
・体幹が強くなる
(……悔しいけど、バルドの修行は本気で役に立つ)
■ 村でも“ちょっとすごい子”扱い
「ユウトって運動神経いいよなぁ!」
「魔力の扱いも上手いし将来有望だぞ!」
(いやリアルの俺はもっとすごいけど……
隠してるんだよなぁ……)
幼児の頃ほどの“異常さ”は、
うまく隠せるようになっていた。
■ そして――転機が訪れる
父さんがある日、俺に言った。
「ユウト……そろそろ“学園”の準備を始めてもいい頃だな」
(来た!! ついに学園!!)
母さんも微笑む。
「リリアちゃんもきっと、もうすぐ学園に入る頃よね」
(リリア……!
あれから会っていないけれど……
きっととんでもなく成長してる)
そんなとき、成長ログが動いた。
◆ 成長ログ ◆
《学園編:開始準備》
《主人公は学園入学試験を受けることができます》
《リリアとの再会フラグ:発動待ち》
《新章“出発編”へ移行可能》
(ついに……物語が“学園物”へ移るのか……!
ここからが本番だ!!)
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