第39話 凱旋と不穏 ―祝勝会と恋と影―
森影の森での死闘から一夜。
レイルたちは瘴牙狼の討伐という大仕事を成し遂げ、凱旋の道を歩いていた。
「お兄、おなかすいたー!」
ミルが元気に飛び跳ね、
カレンは「これでようやく“平和な森”に戻るんだね!」と胸を張る。
リシェルはそっと薬箱をなでて「誰も大けがしなくてよかった」と微笑む。
モモンも「ぷしゅぷしゅ」と嬉しそうにレイルの肩で弾む。
◆
街に戻れば、ギルドの前には予想以上の人だかり。
「……まさか、こんなに歓迎されるなんて」
レイルが戸惑う間に、
「森を救ってくれてありがとう!」「お前ら、やるじゃないか!」
と、普段は冷たい街の人や冒険者仲間も拍手や歓声で出迎えた。
ミルは嬉しそうにレイルの腕にぶら下がり、
カレンは「さ、さぁ記念写真よ!」とギルド前で勝手にポーズを決める。
(どこからか記録魔道具を持った商人まで現れ、カレンのポーズに爆笑が巻き起こる)
リシェルは普段は見せないはしゃぎぶりで、
「わ、私も入っていい?」とレイルの隣にピタリ。
モモンも誇らしげに「ぷしゅっ!」と声をあげて写真に収まる。
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◆
ギルドでの公式報告。
討伐証明の素材(瘴気結晶・牙・毛皮など)が提出され、
幹部や役人たちが「歴史的快挙だ」と興奮気味に書類をまとめていく。
「この記録は、本部にも伝えておく。君たちの名は、きっと街中に知れ渡ることになるだろう」
ギルド長が握手しながら、意味深な微笑をレイルに向けた。
素材屋の親父が「珍しい素材ばっかりだなあ……」と、
店の端に置かれた分厚い魔物日誌をめくりながら、ひとつひとつ特徴を書き写していく。
ミルやカレンが覗き込むと、モモンも興味津々に“ぷしゅう”とノートの隅に粘液を落とし、
「こらこら、君の印鑑じゃないよ!」と親父があわてて布で拭き取る一幕も。
リシェルは照れながら「これ、あなた専用に作った新しい回復薬……」とレイルの手にそっと包み込む。
カレンが「おーい、私のも忘れないで!」と割り込むと、モモンが「ぷしゅっ!」とカレンの手のひらにもタッチ。
ミルは「ミルも!」とジャンプして、素材屋のカウンターで小さな足跡を残す。
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◆
その夜、宿屋の食堂は祝勝会モード。
屋台から持ち込んだ名物料理と地元の麦酒でテーブルは賑やかだ。
「レイル、今日は飲もう!飲めないなら、代わりにあたしが飲んじゃう!」
カレンは豪快にジョッキを傾け、
ミルは「ぷしゅ~」と酒樽に顔を突っ込みそうになる(リシェルに止められる)。
リシェルはほんのり赤くなりつつ、「無茶しないでよ……今日は特別だけど」
とカレンとミルに優しく注ぐ。
モモンはパンを抱えてコロコロ転がり、「ぷしゅっ」と満足げ。
「お兄、今日のごほうびはなあに?」
ミルがレイルの膝の上で上目遣い。
カレンが「じゃあ一番強かった人からレイルの隣ゲット!」と宣言、
ミル&リシェルが無言で火花を散らす。
◆ギャグ&恋愛小事件
レイルが水差しを手にしながら、ミルにパンを渡そうとしてバランスを崩す。
「あ、ごめん!」
思わずリシェルの方へよろけてしまい――
手が彼女の胸元に当たってしまう。
「ひゃっ……!? れ、レイルさんっ……!」
リシェルは顔を真っ赤にして飛びのき、
カレンが大笑い、ミルはきょとんと「お兄、どうしたの?」
モモンも「ぷしゅ?」とレイルの肩にぴったり張り付いて慰める(ように見える)。
「ご、ごめん、本当に……!」
レイルが必死に謝る横で、
モモンがリシェルの手を小さな粘液で「なでなで」し、
リシェルは苦笑いしながらも「だ、大丈夫……」と小さく呟いた。
その後も、
酔っ払ったカレンがミルを抱きしめたまま寝落ち、ミルの尻尾でリシェルの鼻をくすぐる→リシェルがくしゃみでみんなを起こす。
ミルが「ミルも人間の姿になったらレイルのお嫁さんになる!」と大真面目に叫び、みんな絶句→レイルだけ「え、そんな話したっけ?」と赤面。
雑魚寝の朝、誰かがレイルの腕をしっかり抱き枕にして離れない…カレンかリシェルか、はたまたミルか――
◆
夜、レイルが外に出て星空を眺めていると、
リシェルがそっと隣に座る。
「ねえ、レイル。これから先も、ずっと一緒に冒険できたらいいな……」
その言葉に、レイルはほんのり頬を赤らめて「うん。俺も……」と小さく応えた。
背後では、酔い覚ましに出てきたカレンとミルが「なになに?」と顔をのぞかせて
ふたりは慌ててごまかし合う。
◆
――だがその夜、
レイルはふと、窓越しに“鋭い視線”を感じる。
(……気のせい、じゃないよな)
胸騒ぎを抱えながらも、パーティーと共に新しい朝を迎えるのだった。
【財布事情(39話終了時点)】
•残金:420ルム(祝勝会や買い物でやや増減、素材換金分少し加算)




