第五十四章 会議“置き土産”
“置き土産”に関する会議の回です。
毎回お馴染みのラースの星連会議場に各星の代表者たち集まり、遠方の星の代表者はモニターで参加。
壇上に立つのはリグス出身、地球で言うところのリトルグレイのズェル・ウロ。
「御子の協力もあり、未知の成分の正体が判明いたしました」
ヴァルミネの精霊殿の御子が今回も山から下りてきてくれ、協力してくれた。それだけの状況が続いている。
「未知の成分の正体は闇の精霊の因子と言えるべきものでありました」
闇の精霊と融合することで人はイヴィルに変えてしまう、では闇の因子は?
「体内に入った闇の因子は遺体を“置き土産”に変異させ、噛みつくことによって闇の因子を感染させて“置き土産”を増やしていくのです。それこそ、ウィルスのように」
会議場の中に、エリスと同じ地球からの転生者がいたらこう思っただろう。それって、まるっきりウィルス性のゾンビ映画じゃないかと。
「注入された闇の因子は頭脳に入り込み、そこから遺体を動かしているのです。闇の因子は破壊された遺体も遠隔でも動かすことができ、倒すためには闇の因子が入り込んでいる頭脳を破壊するしかありません」
だからこそ、脳を破壊すれば“置き土産”を倒せる。正確には遺体を動かしている闇の因子を破壊する。脳以外の部位は死んでいるので攻撃を加えても大したダメージを与えられない。
「助けることは出来ないのかね」
鳥型の顔を持つ代表が尋ねた。
「残念ですが因子を注入された時点で生命活動は停止。つまり、死んでいるのです。死者を生き返らすことはできません」
顔が顔だけに伝わりにくいが、悲痛な思いは伝わって来る。
「ひと思いに葬ってやるのが慈悲だな」
重々しくエルフの議長が言った。
誰も何も言わない。“置き土産”は元はヒューマン、自分たちの仲間である。仕留めることに全くの躊躇いが無いわけがない。それでもやるしかないのだ。
各星の代表たちは無言で了承した。エルフの議長は皆の言いづらいことを言ったのである。
「“置き土産”の倒し方は頭を破壊すること、このことを全戦士に通達する」
エルフの議長が言わなくとも、全員が通達することを既に決めていた。
脳を潰せば倒せる理由が説明できました。




