第五十一章 砂浜と水着
水着回になるのかな?
悪い予感程、よく当たると言う事をエリスはまたも思い知ることとなった。
エリスとダイアナとケイシーにジョナサンは砂浜に出てきていた、着ているのは勿論水着。
エリスが着ているのはブラジリアン・ビキニ。バストもヒップも引きたれられ、とても似合っている。ダイアナとケイシーが見とれてしまうレベルで。
エリスとしてはダイアナが着ているボーイレッグを着たかったのだが、どうしてもダイアナが許してくれなかった。富永と炭田はいろんな水着を用意していてくれたのに。
ケイシーとジョナサンは共にハーフ・スパッツ。
砂浜を歩くエリスを見た男性たちは、自然に顔を赤らめた。
元同性を魅了してしまう自分自身の姿に複雑な気分になるエリス。
みんなで手際よくビーチパラソルとビーチマットを設置。
ナンパを試みようとした青年もいたが、ケイシーが恋人を装い睨みを聞かせることで撃退。
ケイシーが恋人を装うことにダイアナは不満を持ったものの、男除けにはなっているので仕方なく納得するしかないなかった。
砂浜には海水浴目的の客がわりといて外国人の姿もちらほら、おかげでエリスたちも目立たない。
中にはUMA目当てのYouTubeもおり、スマホや本格的なカメラを用意している人もいる。
エイリアンを撮影されたら厄介だが、それは富永たちが何とかしてくれる。
準備体操を済ませたジョナサンは、
「ボクはひと泳ぎしてくるよ」
と言って海に入る。
周囲をおっと言わせるぐらいにジョナサンの泳ぎは上手い、そして楽しそう。
『水を得た魚――、いや、ヒトデかな』
本来の姿はヒトデに似ているので海が好きなのかもと、内心、エリスは思ってしまった。
「俺も泳ぐぞ」
ジョナサンを見ていたら、泳ぎたくなったのかケイシーも海へ。軍学校を好成績で卒業しただけあり、水泳は上手。
海を見るエリス。どこまでも大きく広い海が好きだ。
「宇宙の海も良いけど、地球の海も良いな」
漂う潮風に磯の香りを楽しんでいると、
「サンオイル、塗ってあげようか」
ダイアナが話しかけてきた。
「うん、頼むよ」
前世も男だった頃もあまり気にしていなかったが、今の体なら気にした方が良い。
ビーチマットにうつ伏せで寝転がる。
「お肌すべすべね、これは元からか」
サンオイルを手に付け、まんべんなく塗り広げていく。
「ありがとう、後で僕も塗ってあげるね」
ダイアナは見る見るうちに体温が上がっていくのを感じ取った。これは気温が原因ではない。
お昼は海の家で食べた。ケイシーとジョナサンは定番の焼きそば、エリスはいか焼き、ダイアナは焼きとうもろこし。
「美味しいことは美味しいが修学旅行で食べた料理に比べると、何か微妙な味だな」
「海の家の食べ物は雰囲気こみだからね」
宿屋の料理と海の家の料理を比べるのはどうかなと思いつつ、エリスはいか焼きの味を楽しむ。ダイアナは焼きとうもろこしが気に入り、ニコニコ顔で食べている。
食後、一時の休憩を挟んでケイシーとジョナサンは再び泳ぎに行く。
ビーチパラソルの下、ダイアナはエリスの隣に寄り添い幸せな時間を過ごす。
ひとしきり泳いだケイシーとジョナサンが海から上がってきた。時間は三時、エリスとダイアナも一緒に海の家へ。食べるのはかき氷。
「ボクはいつもこれなんだ」
ジョナサンが選んだシロップはイチゴ。
「俺は面白そうだから、この青いので」
ケイシーはブルーハワイ。
「僕は抹茶」
ラースには抹茶は無い。久しぶりに味わいたくて抹茶を選ぶ。
「それじゃ、私は緑色の」
エリスの選んだ抹茶と似た色と言う理由でメロンを選択。
みんな、ストロースプーンを持って食べ始める。
「冷て~」
一口食べた食べたケイシー、口の中ら氷の冷たさとシロップの甘さが広がる。アイスクリームとは違った冷たさと甘さ。
「これもかき氷の醍醐味だね」
軽い頭痛に、ジョナサンはこめかみを押さえる。
「氷にこんな食べ方があるんだね」
しゃくしゃくとメロン風味のシロップがかかったカキ氷を食べる。
懐かしい抹茶の味。地球にいるんだなとしみじみと感じられた。
結論から言えば今日エイリアンは現れなかった。
海の家の定番メニュー。




