第四十三章 “置き土産”
今回は会議が中心です。
ラースの星連会議場に集まったヒューマンやエルフやドワーフやリトルグレイやレプティリアンなど各星の代表者たち。遠方の星はモニター越しでの参加。
エルフの議長が立ち上がり、
『勇猛果敢にエイリアンと戦い、散っていった英雄たちに黙祷を捧げましょう』
黙祷を捧げる議長、続く各星の代表者たち。
黙祷を終え、席に着く各星の代表者たち。それぞれのモニターに二人の青年が映し出させた。
着ている服と背景から、二人がいるのは病院だと解る。
『二人は先日、デリングビッドのルーマトゥ地区で発生した行方不明事件の調査に向かった部隊の生存者です』
議長に紹介された二人。最悪の事態を想定したゴードンは若い兵士を最後尾に配置していた。だからこそ、生き延びることが出来た、ゴードンが自爆したおかげで。
生き残った兵士の中にはPTSDを発症した者もおり、今も治療中。
生存者の中で比較的、落ち着いている二人が会議の参加メンバーに選ばれた。
二人はデリングビッドで起こったことを詳しく話した、羽虫型のドローンで撮影した映像を交えながら。
二人の証言を聞き終えた各星の代表者たち。
「ありがとう、後はゆっくりと
二人休みなさい」
議長の労いの言葉共に生存者二人を映したモニターが消えた。
生存者二人には話していないことがある、イヴィルの“置き土産”のことを。“置き土産”の話は生存者たちに聞かせるのは酷すぎる。
一番見やすい場所に画面を浮かび上がらせ、各星の代表者たちは羽虫型のドローンで撮影した映像を見た。
今、この時も羽虫型のドローンが情報を送り続けてきている。
報告と映像を見た各星の代表者たち。
「今回のイヴィルもエルフか」
「これまでのイヴィルとは違い、サイズ的には人と同じだな」
「纏っている深い闇、映像で見ているだけでも嫌な感じを抱かせる」
「確かにフィリップ・カディオの可能性は高い。一体、どうしてこうなった?」
イヴィルと化したフィリップ。
「事態がどうであれ、このままにはしておけない」
たった一人の代表の発言でも、この発言はたった一人の発言ではない。
ゴードン率いる部隊とフィリップが遭遇したルーマトゥ地区から住民を非難させた後に封鎖。“置き土産”を閉じ込め、他の地区に出れないようにして被害の拡大を避ける処置している。
それだけ、厄介なのだ“置き土産”は。
このまま“置き土産”を放置しておくことは出来ない。戦士を派遣する必要がある、強い戦士を。
「実力と実績のある戦士が必要だ」
議長の気持ちは皆が解る。被害の拡大を防ぎたい、これ以上の戦士の犠牲は出したくない。それぞれの星の代表に選ばれる程の者ならば同じ考えを持つ。
エイリアンとの戦争で死者が出るのは普通のこと。だからと言って死んでもいいと言う事ではない。
やるべきことはやる。
「私はあの三人を推薦する」
ヒューマンの代表が言った。同じヒューマンだから推薦したのではない、ちゃんとした実績があるから。
「確かにあの三人はイヴィルと交戦し、死者数0で討伐に成功している」
「それも初陣で」
「三人ともスペリオル」
「若いが、実力は申し分ない」
「一人がフィリップと因縁があるようだが、その事を考慮しても推薦できる力がある」
詳しい話をしなくとも、ヒューマンが推薦したのは誰か解った。頭の回転が早いのも各星の代表の要素。
デリングビッドへ派遣する部隊にあの三人を入れることは決定事項として話が進んで行く。
今回はエリスくんとダイアナさんとケイシーくんの出番はありませんでした。




