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宇宙(そら)の女神~転生先は異世界ではなく 異星でした~  作者: 三毛猫乃観魂


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第三十九章 冬の星

 今回、エリスくんの出番はありません。

 一年中、吹き荒れる吹雪により、殆ど先が見えない。ここは冬の星。

 トム率いる軍隊が防寒機能をフルに出したスーツ姿で臨戦態勢で待機中。空には三機の飛行サポート機が浮いている。

 今回の任務は、この星に現れたエイリアンの駆逐。

 こんな凍り付いた星にも生息している生物はいる。トム率いる部隊の使命はエイリアンからこの星の生物たち守ること。

 ヘルメットの機能を使い、トムは星の様子を探る。ヘルメットの機能ならば吹雪の中でもクリアに見える。

 だからこそ、認識が出来た。

「全員、回避行動を取れっ!」

 突然の指示、兵士たちは疑うことも無く、回避行動を取る。

 風を切りながら、何かが飛んできた。全員、回避行動を取っていたことで被害を免れることに成功。

 巻き上がった雪煙が晴れた時、そこにあったのはカチコチに凍った毛むくじゃらの大型動物の遺体。この動物は冬の星に生息しいる生物で焼いて食べると美味しいらしい。こんな状態では食べるどころか、食欲さえ湧かないが。

「何てことしゃがる」

 兵士の一人がぼやいた。何物かが凍った大型動物の遺体を投げつけてきたのだ。

 吹雪の中から現れたのは全長12mの全身が凍り付いた骸骨、所々に皮膚や筋肉や内臓が確認できる。それ故に不気味。

 一見、ヒューマノイドタイプだが、ヒューマノイドタイプの大きは平均では大体2m~3mのはず。

 僅かに残っている部位である耳はエルフの特徴である尖った形状。砂の惑星に現れたタイプ不明のエイリアンとの類似点あり。

「おそらく、こいつは砂の惑星に現れたエイリアンの同種」

 トムの判断。ならば討伐するだけでなく、サンプル採取もやらなくてはならない。

 周囲を見ても骸骨型のエイリアンしかいない。砂の惑星の時のように隠れている可能性もあるので警戒は怠らず。

「一斉攻撃開始、今回はサンプルも回収する。正し、一番肝心なのは身の安全」

 トムの号令と共に対エイリアン用ライフルでの一斉射撃、飛行サポート機も攻撃。

 骸骨型のエイリアンの方も凍り付いた動物の遺体を出現させ、投げつけてくる。

 凍った大型動物の遺体を避けたところに中型の凍った動物の遺体を投げつけられ、直撃を食らった数人の兵士が吹っ飛ばされる。原始的な攻撃の分、対応しづらい。

 小型、中型、大型、大きさの異なる凍った動物の遺体をランダムに投げつけてくる骸骨型のエイリアン。

 ランダム攻撃に避けるタイミングを乱され、直撃を食らって犠牲となる兵士たち。

「一番機と二番機は凍った動物の処理、三番機は攻撃の続行。兵士たちは移動しなが攻撃せよ」

 兵士たちは狙われないよう移動しながら連携を取れた攻撃。投げつけられる凍った動物の遺体は二機の飛行サポート機が打ち砕き、残り一機は骸骨型のエイリアンを攻撃。

 攻撃を受けた骸骨型のエイリアン体は損傷していくが、周囲の冷気を吸収して回復してしまう。

 これに動揺した兵士の数人が飛行サポート機が撃ち漏らした凍った動物の遺体の攻撃を食らう。

 増えていく犠牲者たちに悲痛な表情になるトム。だが、悲観に暮れている暇はない。

「相手は冷気を吸収して治療するのか……、ならば!」

 これ以上、犠牲者を出さないようにしなくてはならない。それが部隊を率いるものの責任。

「全員、後退せよ。一番機は兵士のサポート、二番機と三番機は牽制」

 トム共に兵士たちは後退を開始。一番機は兵士はサポートに回り、二番機と三番機は牽制のための攻撃。

 トムの部隊が逃げ出したと思った骸骨型のエイリアンは僅かにしか肉と皮が残っいない顔で笑った。

 確かに笑った、エイリアンに自我は無いはずなのに。やはり、このタイプのエイリアンは他と異なる。

「全員、停止。兵士たちはスーツの設定を熱耐性に変更」

 十分な距離を取ったところで立ち止まる。こんな寒冷地でスーツを熱耐性に変更するとは普通なら正気の沙汰ではない、普通なら……。

 兵士たちは疑うことなく、スーツの設定を熱耐性に変更した。トムは逃げたわけではない。

「一番機は二番機は警戒モード、三番機はエイリアンの周囲に熱焼弾を撃ち込め!」

 骸骨型のエイリアンの攻撃に対し、一番機は二番機は警戒モード。三番機は骸骨型のエイリアンの四方に熱焼弾を撃ち込む。

 撃ち込まれた熱焼弾は白く光りながら、数千度の熱を放つ。

 数千度の高熱によって骸骨型のエイリアン周囲の気温が一気に上昇、雪が解け蒸発する。

「今だ、一気に攻撃せよ」

 この位置でも熱焼弾の影響は真夏の暑さだが、スーツの熱耐性防ぐことが出来る。兵士たちと飛行サポート機は攻撃開始、命令を下したトムも対エイリアン用ライフルをぶっ放す。

 全兵士による、徹底的な集中砲火。

 骸骨型のエイリアンは凍った動物の遺体を投げつけるが飛行サポート機に撃ち落とされて届かない。治療しようとしても熱焼弾より、周囲が熱に包まれてるために冷気が吸収できない。

 熱焼弾は約十五分間、高熱を発し続ける。ならばその間に決着をつけるのみ。

 ズタボロになった骸骨型のエイリアンが倒れるのと、熱焼弾が止まったのはほぼ同時。

「生死の確認せよ」

 トムの一言で飛行サポート機は倒れた骸骨型のエイリアンの元へ向かい、生命反応を調べる。

 飛行サポートの答えは死亡であった。

 戦闘は終了したが、犠牲者が出てしまった。悲しい気持ち、辛い気持ちが兵士たちの心を突っつく。中には親しい人を亡くした兵士もいる。

 悲しく辛い気持ちはトムも同じだが、隊長としてやらなくてはならないことがまだ残っていた。

「一番機、エイリアンのサンプル採集せよ」

 飛行サポート機が動き出し、骸骨型のエイリアンの遺体の一部を切り取り、採集。

 この後は冬の星の生態系に悪影響を与えないように回収作業が残っている。砂漠の惑星の時と違うの遺体の回収作業。

 戦場では常に死が傍らにいる、死者が出ない方が稀有。しかもエイリアンの中でも未知な相手と戦ったのだ。

 それが解っていても、戦死者が出るのは辛く悲しい気持ちは消すことは出来ない。







 骸骨型のエイリアンにはモデルがあります。


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