第三十六章 二度目の戦い、初の宇宙戦
宇宙空間での戦い。
戦闘機のシートに座るエリス。座りごちも悪くなし、コクピット内も練習機とよく似た作りで、あまり違和感を感じない。
前世で散々遊んだシューティングゲーム。もうすぐ、本物の宇宙で戦うことになる。ゲームと違うのはGAMEOVERになってもコンティニューできないこと。
「難易度も設定できないからね、ハードモードのみ。ハードモード以上かも」
ヘルメットを被るエリス。始まる発進までのカウントダウン。短いようでもあり、長いようでもある時間が過ぎ、出撃の時がやってきた。
呼吸を整え、心身ともにリラックスさせる。
『総員、発進せよ』
ハッチが開き、次々と戦闘機が飛び立っていく。
「行くぞっ」
自身の掛け声を合図に宇宙へと飛び立つ。
無限に広がる大宇宙、どこかで聞いたことのあるフレーズそのままの空間。だが宇宙を楽しんでいる余裕などない、既にエイリアンとの戦いは始まっているのだ。
うじゃうじゃと蠢くエイリアンの群れ、幾つもの戦闘機がレーザーを発射してエイリアンを殲滅していく。
エリスも負けてられないとばかりに、操縦桿を握りしめて参戦。エイリアンをレーザーで撃ち抜いていく。
ダイアナもケイシーもものの見事な操縦技術でエイリアンを駆逐。
対エイリアンとの戦闘を重ねたプロフェッショナルである兵士たちの操縦する戦闘機の連携には無駄がなく、見事なもの。
今回が戦闘機での戦いのデビューにもかかわらず、エリスとダイアナとケイシーの戦闘も素晴らしく、先輩たちの足手まといになっていない。
エイリアンの行動パターンは読みやすい。ベテランの兵士だけでなく、エリスとダイアナとケイシーも行動を先読みすることでエイリアンの攻撃を避け、同時にこちらの攻撃を命中させていく。
戦闘は人類側が有利、だからと言って油断は出来ない相手がエイリアン。
溶解液を吐きかけるエイリアン、それも特殊素材で出来た装甲も溶かす溶解液を。最後の試練の時、この溶解液でかなりの犠牲がでた。だが、あの時の戦いで人類側も学んだのである。
溶解液を浴びた戦闘機は溶けることなく、攻撃を続行。
溶解液攻撃で数多くの犠牲者が出た。同じ犠牲者を出さないために溶解液を研究。溶解液でも溶けない特殊コーティングを開発し、全ての戦闘機にその特殊コーティングを施していたのだ。
もはや、溶解液は脅威ではない。
溶解液が効かなくても撤退することなくエイリアンは前進、激しい攻撃を続ける。ならば人類側も応じるのみ。
戦艦内のモニターで戦況を見ているオーギュスト。勝ったなとは言わない、油断は命取りになるのが戦争。実際、油断が原因で死んでいった兵士は少なくない。
ただ見ているわけではない、戦況に応じて的確な指示を出すが、無駄な口出しはしない。必要あれば、いつでも飛び出すつもり。
突然、エイリアンが爆発した。攻撃を受けたのではない、自ら爆発したのだ。戦闘機を巻き込もうとした自爆。幸い戦闘機の回避行動が間に合い、巻き添えを食うことは避けれたが。
一体の自爆を合図にしたのか、エイリアンが次々と自爆していく。何とか躱せているものの、あれだけの数が自爆し続けていれば、いずれは戦闘機が巻き込まれることになる。
誰一人として犠牲者は出したくない、ダイアナは意を決した。
ヘルメットを外し、天蓋の向こう、宇宙に広かるエイリアンの群れに狙いを定める。
ダイアナの髪の青みが強まり、緑の瞳が輝きを放つ。
叫び声を上げた。叫び声は天蓋を通り抜け、戦闘機も越えてエイリアンの群れを直撃。精霊殿の特訓でピンポイントで狙えるようになった。
本能そのものを揺さぶる叫びを真面に受けたエイリアンたちは委縮して動けなくなってまう。
オーギュストが指示を出すまでもない、兵士たちは委縮するエイリアンの群れを目掛けて一斉攻撃。一時間も経たぬうちに全滅させた。
ダイアナの髪の青みが元に戻り、緑の瞳の輝きも収まる。
こうして、エリスとダイアナとケイシーの二度目の戦い、初の宇宙戦も勝利。
宇宙空間で様々な敵と戦う作品は広い炉ありますね。
世代ごとの違いも。




