第九章 やってきました練習機
一気に二年生に飛びます。
夏休みが終わると、二学期が始まり授業内容は厳しいものになり、三学期にもなると、ますます厳しくなっていく。
ただそれに耐えることにより鍛え上げられ、エイリアンと戦う戦士に一歩一歩近づいていく。
試験はいつもエリスとフィリップがトップを争い合う。
時にはエリスが一位になり、時にはフィリップが一位になつた。
エリスが一位でも二位でもフィリップが絡んできた。腹立つといえば腹立つこともあるが相手にするよりも自分を成長させることが大切と考え、これまで通り出来るだけ相手にせずにおく。
二年になると、本物の機体での訓練が始まる。本物の機体といっても練習機で緊急時には教師側で機体をコントロール出来るようになっている。
エリスは自分専用の白色の練習機を前に沸き立つ気分を押さえていた。前世で遊んだシューティングゲーム、その本物の機体が目の前にあるのだ。
軽く触れてみる。自然に笑みが生まれる。
周りを見てみれば、ダイアナもケイシーも自分と似たような表示を浮かべていた。同じく感動しているのだろう。
自分専用の練習機を前に、殆どの生徒が嬉しそう。
いよいよ、試し乗りが始まる。
練習機のコクピットに座るエリス。疑似コクピットと構造は変わらないが、本物と思うと込み上げてくるものが違う。
まずは深呼吸をして気分を落ち着かせる。
『10・9・8・7・6』
カウントダウンを聞いているうち、やる気が漲って来る。
『5・4・3・2・1』
0と音声と共に宇宙空間に撃ちだされる練習機。
操縦桿を握り、機体をコントロール、見事に練習機は飛ぶ。
シミュレーションではない本物の宇宙を飛んでいる、それも自分自身の操縦で。
そう思うと感動が湧いてくる。
それでもミスすることなく、エリスの練習機は宇宙空間を無駄なく飛ぶ。
これまで学んできたことを無駄なく発揮。
「私も置いて置かれないようにしないとね」
そり思い出を胸にダイアナは初めての練習機を乗りこなす。
「俺も負けてらりねぇな」
とケイシーも練習機を乗りこなした。
一方、フィリップは華麗な飛行を他の生徒に見せつけた。大口を叩くだけの技術は持っいることは持っている。
最初から練習機を上手に操縦する生徒もいれば、操縦をしくじり教師の遠隔操作のお世話になる生徒もいた。
生徒たちに与えられた練習機は全部同じ機体、この段階では違いはない。
生徒たちには個性があり得手不得手もある。教師たちは生徒たちにの個性を見極め、それを整備士にデータとして送る。
整備士たちは送らりて来たデータを元に、それぞれの生徒の個性に合ったカスタマイズを練習機に施す。
こうして練習機にも個性が生まれる。
教師たちは見極めた生徒たちの特性をデータ化して整備士たちに送る。
そのデータを元に整備士たちは、個々の生徒たちにあったカスタマイズを練習機に施す。
「お久しぶりです、エリスさんダイアナさんケイシーさん」
整備士の中にいたギートが駆け寄ってきて挨拶。
実地訓練以来、本格的にエリスとダイアナとケイシーは戦士を目指し、ギートは整備士を目指す。学科が変わったことで顔を合わす機会が減った。
「久しぶりだね、ギート。君が僕たちの機体の整備をしてくれるんだね」
「ハイ、お手伝い程度ですが」
この2年、整備士を志した生徒たちも技術を磨いてきたのだ。
「期待しているわよ、ギート」
「しっかり、俺好みにカスタマイズしてくれよな」
自身の機体をギートが整備することにダイアナとケイシーに異論は無い。それだけ彼の腕前を信じている。
「オーイ、ギート始めるぞ」
「ハイ、今行きます」
チーフに呼ばれ、急いで戻り整備に向かう。
本日の練習機訓練は、それぞれの個性にあったカスタマイズされた機体によるテスト飛行もかねている。
ギートも手伝ったカスタマイズされた機体に、早速乗ってみるエリス。
「すごい、とっても操縦しやすくなっているよ」
そんな感じがするのではなく、本当に操縦しやすくなっている。エリスの個性を見極めた教師たちの慧眼。そのデータを元に練習機をカスタマイズした整備士たちの腕前に間違いなし。
技術を磨いてきた整備士たちの中でもギートはかなり上達していた。それほど頑張ったのだ、約束を果たすために努力してきた結果。
ダイアナとケイシーもぴったりのカスタマイズを受けたらしく、以前よりも格段に練習機の性能が良くなっている。
今回は短めの話。




