表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/125

第2話 妹とプリッキュア

「僕と高嶺さんが……付き合って……」


「お兄ちゃん~、どうしたの~? 学校から帰ってから、着替えもしないで椅子に座ったままで、ずっとぶつぶつ呟いて……何か嫌なことでもあったの?」


「僕と高嶺さんが……」


「むぅぅぅ~、お兄ちゃん!」


「うおっ、ど、どうした、(たま)!? 隣に立って、急に大きい声で叫んで……」


「ずっと、呼んでるのにお兄ちゃんが返事しないからだよ」


「ああ、ゴメン。ちょっと……」


「学校で嫌なことでもあったの?」


「学校……高嶺さん……」


「あ~、また、お兄ちゃんボーッとしちゃった~。もう、お兄ちゃんなんか知らない。せっかく、録画してたプリッキュア、お兄ちゃんと一緒に見ようって思ったのに、一人で見るんだから!」


「高嶺さん……」


「チラッと見てあげたのに気づかないなんて~……~~~っ、もう知らない!」



(ハァハァ、な、なんとか間に合った……。結局、昨日は全然眠れなかった……。ずっと、ボーッとしてたし、プリッキュアの内容も全然頭に入ってこなかった……。

 しかし、今朝の玲はすこぶる機嫌が悪かったな。帰ったら相手してやるか)


「……っ……!」


(ドアを開けた瞬間に高嶺さんと目が合っちゃった……。

 クゥゥゥ~、朝イチでもやっぱり、高嶺さん綺麗だな~。どうしよう……? 一応、挨拶とかしといた方がいいのかな? その、か、彼氏……になっちゃったんだし。

 あぁ、やっぱり、ダメだ。もう、高嶺さんの後ろを通るけど挨拶する勇気とかない。とりあえず、高嶺さんにも言われてるし無視しよう)


「お、おはよう……ございます……」


(……えっ!? 高嶺さん、僕に挨拶してくれたの!? どうしよう……いきなり過ぎて、無視したまま席に着いちゃったよ。と、とりあえず、高嶺さんの席は主人公ポジションの右隣だから、トイレに行く装いをしながら、返事をしよう。幸い、僕の席は主人公ポジションの二つ前だから、教室の前と後ろどっちから出ても不自然ではないはず!

 ……た、高嶺さん。そんなに真っ赤に恥ずかしがられると僕も死ぬほど恥ずかしいです……)


「は~い、皆さーん。予鈴がなったので、朝のホームルームを始めますよ~」


(あ、結局、行けなかった……)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ