死神に正義を
短編書きました。
暖かい目でお願い致しますm(_ _)m
正しい事をする人はいつも酷い目に合う。正義を振りかざせばたちまち悪者扱いされる。
悪い人だけが死ぬとは限らない。正しくて良い事をする人だって死ぬ。そんな世界だ。
僕の仕事は人を死の世界におくることだ。
書類がだされた。死を迎えいるために。
「えーと誰だ今回は桜坂杏か。」
僕は下界におりた普段は死の世界にいるんだけどね。
「えーなになに……今日のお昼桜坂杏は死ぬ。…………!?今日!?!?急過ぎないか……」
幸いな事に今は朝の7時00分。
あと5時間で死ぬのか。
一体どんな子なんだ。
公園で桜坂杏を待つか。
待っていると写真の通りの子がベンチに座っていた。
僕も隣に座った。
「今日暖かいですね」
いきなり桜坂杏に話しかけられ驚いた。
「暖かいですね。今日はどうして公園に?僕は桜を見にきました。」
適当な事を言って話を振った。
「私もう何もかも嫌になったんです。昔から何も出来なくて何やってもダメで夢があったんです。でも才能がなくて。でも全部自分がいけないです。私が前向きじゃないから。」
桜坂杏は桜を見つめながら語りだした。
僕は黙って聞いていた。
「私漫画家になりたかったんです。でも絵の才能がなくて頑張ればいいものの頑張らない自分にも嫌気がさしたんです。そしたらどんどん悪い方向にいくようになっちゃって。何もかも嫌になったんです。それで桜を見にきました。」
人間とは面白い生き物だな。才能だとか生きる意味だとか存在価値とかよくまあそんなもの探すよな。
「でも頑張ったならいいじゃないですか?才能が無くたって自分の存在価値とか生きる意味とか正しく生きてりゃいつかはみつかりますよ。その夢を諦めても違う夢を探せばいいじゃないですか?僕は生きる意味とか存在価値とか興味ないですけど、自分が信じなかったら誰が貴方を信じるんですか?」
あれ?僕は何を言ってるんだ?これから死ぬ相手に。
桜坂杏はさっきよりも明るい声で
「そうですよね!自分が信じなきゃダメですよね!!漫画家は無理ですが新しい夢をみつけます!!あなたに出会えてよかったです。ありがとうございます!!私行きますねさよなら。」
あっそうかこの後桜坂杏は死ぬのか。せっかく前向きになれたのに。
僕は咄嗟に「あの!!!!!!!!!!桜をまだみていませんか?」
僕はどうして助けようなんてしたんだ。これで桜坂杏は死んで僕の仕事は終わり。それでいいだけなのに、どうして僕は。
「桜ですか?じゃあ少しだけ」
お昼が過ぎ桜坂杏の死は無効になった。
あー僕これで上司に怒られるな(苦笑い)
それから夕方まで僕と桜坂杏は話をした。
「楽しか……」
楽しかったですって言おうとして横をみたら誰もいなかった。
そもそも私は誰と話していたのだろう。
自分が信じなかったら誰が自分を信じるんだって言葉が頭に焼き付いてる。
もう少し頑張ってみよう。
案の定僕は上司に怒られた。予定が狂ったじゃないか!って言われた。
でもこっそり聞いてみたら桜坂杏は漫画家にはなれないけど60年後幸せに人生の幕を閉じるそうだ。
たまには人助けもいいものだって思った。
読んでくださりありがとうございますm(_ _)m