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route.クリア① 秘密
「安心してカラーズ。助けるのは無理だけれど、たまに城には行くわ」
カラーズは騎士たちに連れていかれた。
「シャーレア、手紙だよ」
普段手紙なんて滅多にもらわない。
一体誰だろうと、中を見ると、クリアが書いたものだとわかった。
話があると呼び出されたので、次の日パレッティナの城に向かうと、開口一番にクリアは――――
「シャーレア…私の正体が、気になっているでしょう?」と見透かしたようなことを言う。
「どうしてわかったの!?」
確かにクリアの不可解な行動は、以前から気になっていたし
この前の魔法のような力もなんだったのか、とても気になっていた。
「顔に書いてあります」
「……知りたいけれど、教えてはくれないでしょう?」
「貴女に私を此処に留める程の強き想いがあるなら、話せますが」
「想い?」
「そう、想う力は創造神の垣根さえ越える…」
「クリア…それって平民の私と皇子の側近では住む世界が違いすぎるから?」
「貴女に非があるわけでは…」
クリアは否定したけれど、私と彼の距離は遠く、近づけないように感じる。
そして想いの力と言われても私にはよくわからなかった。