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route.カラーズ① 憂鬱
「私が口を挟むことじゃないけれど、カラーズの意思も考えてあげてほしいわ」
次期皇帝の重圧は私にはわからない。とにかく大変なことだと思う。
だから心の準備をする機会もあったほうがきっといい。
しかし、カラーズは城へ帰還することになった。
「突然過ぎる!」
「確かに、皇帝がまだまだお若く健在な今。急に退位とは…裏に何かありそうですね」
「ますますシャーレアとの距離が出来てしまった」
「ただでさえ彼女の中での皇子の印象は薄いですから」
「なぜお前がシャーレアの心情をわかったようなことを」
「こんな状態では幼馴染みには勝てないでしょうね」
「なぜ幼馴染みの話が…」
「最近読んだ絵巻物の影響です」
「いや、幼馴染みとシャーレアがどうなろうとオレには関係ない」
「言っていることが滅茶苦茶ですね、シャーレアに会いたい即ちシャーレアと結婚したいという意味ですよ」
「そうなのか?」
「知りません」
「カラーズ!クリア!お茶をしに来たわー」
「彼女が自発的に現れました
よかったですね」
「そうだな」