route.インキーノ① 色
「カラーズのことは騎士さんに任せて、私たちは帰りましょ」
皆はフィードの家を後にした。
「ちょっとまってシャーレア、話があるんだ聞いてくれる!?」
「インキーノ…どうしたの?」
なにを言われるか検討がつかないが、とりあえず聞いてみることにする。
まっていると、インキーノは突然変身した。
金髪の美女インティーナに。そして二度元のインキーノに戻る。
「俺がインティーナだったんだ!!」
「……え?」
「シャーレア!ずっと隠しててごめん!お願いだから口きかないなんて言わないで!」
インキーノが涙目になりながら手を組んで懇願している。
「インキーノって女の子だったの!?インティーナはインキーノに変身して…」
「違う!そっちじゃなくて俺がインティーナに変身してただけ!」
「そうだったの……」
――――よかった。なににたいしてかはわからないけれど、私はホッとしているような感覚があった。
――――
「あのね、この前貰ったこの石、色が変わるのよ」
ゴッドを退いた後、道中で彼に貰ったもの。
それを眺めていたときに気がついたのだ。
「へぇ…そうなんだ」
たいして興味なさそうなインキーノ。彼の近くにいくと黄色。
「不思議だわ」
どういう仕組みで色が変わっているのかしら。
空気、触わったときの熱、それとも光か。
会った人かもしれない。一人でいるときは白く濁っていた。「あ、それってもしかして……」
インキーノが厚い本をめくる。
「雰囲気」
パパのところにいたときは茶色、イレーサーのところでは白、ペンネスのところでは黄緑、ドロウノのところでは緑、カラーズのところでは黒、ウォルのところでは青、フィードのところでは赤、ミニドラのところでは紫、クリアのところでは透明だった。
「俺としては雰囲気より……」
「?」
「な……なんでもない!」